脱出
檻の中には研究所の所員達が閉じ込められている。ジュリアもいる。
何やらドラゴンと所員達が会話しているようだ。
俺は耳を澄ませた。
「早く私たちをここから出してちょうだい!」ジュリアの声だ。
「嫌だね。今までは俺の事を閉じ込めていたんだ。復讐させてもらうぜ」
「何をする気?」
「まーゆっくり考えるさ」
俺は檻に近付いた。
「誰だ貴様は?」
ドラゴンがこちらに気付いた。ジュリアがこっちを見て叫んだ。
「バイソンさん!助けに来てくれたのね!この子は私が作ったキメラなのよ。この子一人で研究所を乗っとったのよ」
「ビックリしたぜ。最近のドラゴンは喋るんだな。もしかしてレッドドラゴンてのは、おまえさんのことか?」
「俺の名前は勇者アモンだ」
俺は笑った。
「勇者だって?どちらかというとドラゴンは勇者に倒されるほうだろ」
「アンギャー」
ドラゴンは怒って火を吹いた。
「あっちあっちあっちー」
俺は慌てて逃げ惑った。ドラゴンがゼハゼハ言ってる。どうやら連続で火は吹けないらしい。チャンスだ。俺は腰のホルスターから銃を取りだそうとしたが無かった。どうやらどこかで落としたらしい。俺はドラゴンに向かって走った。
思い切りジャンプしてドラゴンの顔を殴った。ドラゴンはよろめいた。
ドラゴンは怒って火を吹いた。俺は慌てて逃げ惑った。
「あっちあっちあっちー」俺の服が燃えて焦げた。
ドラゴンはゼハゼハ言ってる。チャンスだ。俺は走った。ジャンプしてドラゴンの顔を殴った。ドラゴンはよろめいた。ドラゴンは怒って火を吹いた。
「あっちあっちあっちー」俺の髪が焦げてチリチリパーマになった。
ドラゴンはゼハゼハ言ってる。チャンスだ。俺は走った。ジャンプしてドラゴンの顔を殴った。ドラゴンはよろめいた。ドラゴンは怒って火を吹いた。
「あっちあっちあっちー」俺の顔はススだらけで真っ黒になった。
ドラゴンはゼハゼハ言ってこっちを見ている。
その時大きな爆発音と共に建物が大きく揺れた。緊急警報が鳴り響いた。
「反物質ジェネレータが損傷しました。爆発の危険があります。全職員は直ぐに避難して下さい」コンピュータのオートメッセージが連続で繰り返されている。
ドラゴンは逃げ出した。
俺は檻の前のジュリアのところに行き出入り口を開けようとしたが無理だった。鍵がかかっている。
「バイソンさん!扉の横のテンキーにパスワードを入力して!314159265359、円周率よ!」
「ちょっとまってろよ。えーと314159275あとなんだっけ?」
更に大きな爆発音がして大きく揺れた。
「ちがうわよ!314159265359よ!!!」
「えーと314159265539あれ違う?開かない」
「何やってるのよ馬鹿!早くしないと死んじゃうでしょ!!!」
「ちょっと待て314169あっまちがえた314159266やりなおし314155ありゃ」
「バカバカバカバカ!早く早く早くして!!!!!」
「バカバカ言うな」
俺は頭にきた。パスワードの入力を止めた。
俺は檻の鉄格子を両手で掴んでありったけの力をこめた。
鉄格子は曲がりジュリア達が出て来た。
俺達は出口に向かって走り出した。が、ジュリアがハイヒールを通路の床の隙間に引っ掛けて派手にすっ転んだ。
「大丈夫かジュリア」
「足を捻挫したみたい・・・歩けない」
ジュリアはじっとこっちを見ている。目に涙を浮かべている。仕方ない、俺はジュリアをおぶって走った。
後ろから火の手が迫ってきた。熱い。
「熱い熱い熱い!もっと早く走ってよバイソン!!」
「キャー焼き鳥になっちゃう焼き鳥になっちゃうもっと早く走ってよ早く早くー!!!」
ああうるさい。
通路が右と左に別れている。俺は左に曲がった。
「そっちは逆よ!何やってるのよキーー!!!」
女はすぐヒステリーをおこす。
俺は右の通路に戻り出口を急いだ。
また激しく揺れた。熱さのためだけではなく、焦りで汗が吹き出す。
俺は走って走って走った。ようやく出口から出てみると少佐が装甲車で待っていた。俺達は装甲車に乗り込み研究所を後にした。




