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レッドドラゴン

「少佐お久しぶりです。ニュースを見たんですが、ジュリアは無事ですか?」

俺はバッカス少佐と電話で話している。

バッカス少佐は暗い声で答えた。

「ジュリアが人質になっている。ジュリア以外に6人の職員が人質として囚われている」

「少佐レッドドラゴンてのは、どんな組織なんですか?」

「それが今回初めて聞く名前だ。全く情報が無い」

「奴らの目的はなんですか?」

ちょっと間を置いてから少佐は答えた。

「身代金を要求してきた。金額は100億だ」

「100億!!随分ふっかけてきましたね」


「バイソン、人質を救い出すのに手を貸してくれないか?」

「ジュリアを救い出すのに手を貸しますよ」

「今からそちらに向かう」

少佐は電話を切った。


1時間ほどして少佐がやって来た。

「バイソン明日の午前2時に研究所の奪還及び人質の救出を行う」

俺と少佐は今回の作戦の打ち合わせを始めた。


ジョニーが横から口を挟んできた。

「俺も参加させて下さい!ジュリアさんの事を思うといてもたってもいられません!」

「ジョニーお前戦場に出たこと無かったよな?」

「経験は無いですがジュリアさんためなら命懸けでやります」

「ジョニーお前人を殺した事あるか?」


ジョニーは首を横に振った。

俺はジョニーの目をじっと見つめた。

「ジョニーお前を連れては行けない。理由は二つ。お前は人を撃った事がない。

そしてお前は生身の身体だ。俺は両手両足目と耳も機械化されたサイボーグだ。

俺は昔軍にいて人をたくさん殺した。お前は足でまといだ」

ジョニーは無言で頷いて部屋を出ていった。


俺と少佐は綿密な打ち合わせをし時が来るのをまった。

作戦開始の1時間前には待機場所で準備を整えていた。

ジョニーには可哀相だが仕方がない。作戦に参加すれば多分死ぬだろう。

俺は開始ゴングが鳴るのを待った。


俺は研究所の裏手で出番を待っていた。2時ジャストに表玄関から突入するために、少佐は派手にドンパチやり出して敵の注意を引き付けてくれるはずだ。

そのすきに俺が単身で研究所内部に潜り込み人質を救出する。


俺は腕時計とにらめっこしていた。そして作戦開始時刻になった。

表玄関の方角で大きな爆発音が聞こえた。俺は3メートル程の高さの塀を軽々とジャンプして飛び越えた。辺りは真っ暗闇だが俺の目は赤外線が見えるので、研究所内に張り巡らせている赤外線の罠に引っかかる事は無い。

はいつくばったりジャンプしたり壁走りしたりして研究所の裏口にたどり着いた。

俺は研究所の裏口のドアノブを回した。鍵がかかっている。思い切り力を入れてドアノブを回した。あっさりドアノブはちぎれドアが開いた。人の気配はない。

俺は研究所内に入った。

いきなり非常ベルが鳴った!!

「あわわわわわ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ隠れろ隠れろ隠れろひやー」

俺はトイレに逃げ込んだ。程なくして非常ベルの音が止まった。

俺は恐る恐る廊下に出た。耳を澄ました。近くに人の気配は無い。

遠くから人の話し声が聞こえる。俺は声の聞こえる方角に向かった。

どうやら研究室から声が聞こえるようだ。研究室に着いた俺は恐る恐る内部に潜入した。しばらく真っすぐ進み角を曲がるとでかい檻が設置されていた。太い鉄格子で覆われている。

檻の前には全長10メートル程の赤いドラゴンが立っていた。


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