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エピローグ

自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓

http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64455234.html

 夜中。

「永志さま、まだ起きてます……?」

「真奈も起きてたのか」

「ええ、なんか眠れなくて……」

「俺もだ。疲れてるはずなんだがな」

「折角ですし、少しお話ししません?」

「そうだな、久しぶりだし」

 俺から真奈がいない間の話を、真奈からは幽霊の時の話をして、二人で盛り上がった。

「そういえば、なんでメイドになったんだ?」

「藪から棒になんですか」

「いや、考えたことはあっても本人にちゃんと聞いたことないな~って思って」

「そうですね……。恥ずかしいからあまり言いたくないんだけど……」

「ちょうどいい機会だし、教えてくれよ」

「うーん。……私、結構前、小学校四年生くらいかな、から永志さまと一緒にいたいと思ってました。記憶のない私を守ってくれて、子供心に惚れていたのかもしれません。小さい頃妹が兄に惚れる、なんてよくあるんじゃないでしょうか。私もそんな感じです。でも、やっぱり一番大きかったのは、ここに来た時の出来事かな」

「ここに来た時……」

「大樹の前での話から、永志さまは覚えてないでしょうけど、私はしっかり覚えてます。崖から落ちて、泣き喚いていた私を励まし、手を引いて帰り道を探すため必死に頑張っていた永志さまの姿を」

「……」

 全く覚えてないが、うれしそうに言う真奈の姿を見て、嘘をついているとは到底思えない。

「そのちょっと前からお父様に、永志さまのメイドにならないか言われていたんです。もしかしたら、お父様は私が永志さまと一緒にいたいという気持ちを知っていたのかもしれません。でも、決心がつかなかったんです。義妹のままの方がいいのか、それともメイドの方がいいのか」

「……」

 あの頃、彼女はそんな悩んでいたのか。いつも一緒にいたはずなのに気づけなかった。

「でも、ここでの出来事があって決めたんです。私は、この人に尽くそう。この人に、恩返しをしようって」

「そっか……」

「うわー恥ずかし。今言ったの全部聞かなかったことにしてください!」

「全部しっかり覚えた」

「うぅ……」

「でも、うれしいな」

「えっ?」

「真奈がそこまで思っていてくれたなんて」

「あう……。だ、だって私は……」

「ストップ。それを言うのはまだ早い」

「どうして?」

「まだ、俺も真奈も未熟だ。二人がしっかりした時、その続きを聞かせて」

「永志さま……」

 そう。俺は、真奈がメイドを続けると言ったあの日から、そんな頑張るメイドに見合う主人になろうと思った。

 でも、まだまだだ。俺はダメダメな主人だし、真奈は料理も出来ないメイドだ。

 主人は、まだなんとでもなる。弟子でも後輩でも下についてくれる人がいれば、いくらでも成長出来るだろう。

 しかし、メイドは違う。雇ってくれる主人がいないと話にならない。下を見つけるより、上を見つける方が遙かに難しいだろう。それに、覚える事がたくさんある。

そう考えると、真奈は恵まれている。そんな恵まれた環境を壊さず真奈が成長するためには、今の関係が一番だ。

「だから」


――立派になるまでは俺のメイドでいてくれ――


――はい、ご主人様っ――

ここまで読んでいただき、ありがとうございました

今回をもって「幽霊になったメイド」は完結となります(私が気まぐれでなにかするかもしれませんが)

感想・意見等はいつまでもお待ちしております 多少厳しい意見も受け止めるつもりでいるので、何かあれば是非お願いします


また次回作でお会いしましょう それでは

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