休息
王宮 ルーリ王女の私室 夕暮れ
魔力暴走の訓練から戻った後、俺はルーリ王女を自分の腕で抱きかかえて彼女の私室へと運んだ。
「……アロス様……重くない……?」
「全然重くないよ。ルーリは軽いから」
ルーリ王女は恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋め、小さな声で「うん……」と返事した。
部屋に入ると、ふかふかの天蓋付きベッドが柔らかな魔導灯の光に照らされていた。俺はルーリ王女を優しくベッドに横たえ、自分もその横に腰を下ろした。
「少し休もう。魔力暴走の後は体が疲れるから」
「……でも……まだ……アロス様と一緒にいたい……」
ルーリ王女が上目遣いに俺を見て、細い腕をそっと伸ばしてきた。その仕草があまりに可愛くて、俺は自然と微笑んだ。
「わかった。じゃあ、少しだけこのまま一緒にいようか」
俺がベッドに横になると、ルーリ王女はすぐに俺の胸に体を寄せてきた。小さな体が俺の左側にぴったりと密着し、桃色のショートヘアが俺の肩に広がる。
「……アロス様の胸……あったかい……」
彼女は俺のシャツを小さな手でぎゅっと掴み、頰を胸板にすり寄せてきた。柔らかい胸の膨らみが俺の体に優しく押しつけられ、彼女の鼓動と俺の鼓動が、布越しに重なり合う。
俺はルーリ王女の背中に腕を回し、優しく抱き寄せた。指先でゆっくりと背中を撫でながら、耳元で囁く。
「怖かったよね……でもよく頑張った。 ルーリの魔力は本当に綺麗で強いよ。 これからは俺がちゃんと支えるから、もう一人で抱え込まなくていい」
「……アロス様……大好き……」
ルーリ王女の声が甘く溶けるように響いた。彼女はさらに体を俺に預け、脚を軽く絡めてくる。温かい太ももが俺の脚に触れ、甘い体温がじんわりと伝わってくる。
「ん……アロス様の匂い……落ち着く…… ずっと……こうしていたい……」
俺は彼女の頭を優しく撫で、桃色の髪に指を通した。ルーリ王女は気持ちよさそうに目を細め、俺の首筋に小さな鼻をすり寄せてきた。
「……アロス様の心臓の音……聞こえる…… ドキドキ……してる……」
「ルーリが可愛いから、ドキドキしてるんだよ」
俺が素直に言うと、ルーリ王女の耳が真っ赤になった。彼女は照れ隠しのように、俺の胸に顔を強く押しつけてくる。
「……えへへ……アロス様も……私のこと……可愛いって…… 嬉しい……」
部屋の中は静かで、ただ二人の息遣いと、ベッドの布が擦れる小さな音だけが聞こえていた。
俺はルーリ王女を片手で抱きしめたまま、もう片方の手で彼女の背中をゆっくりと撫で続けた。時々、腰のあたりまで手を滑らせると、ルーリ王女が「んっ……」と小さく甘い声を漏らす。
「ここ……気持ちいい……?」
「……うん……アロス様の手……優しい…… 魔法の後……すごく……体が熱かったのに…… 今は……すごく幸せ……」
ルーリ王女は俺の胸の中で体をくねらせ、さらに密着してくる。彼女の柔らかい体が俺に溶け込むように重なり、甘い香りと温もりが俺を包み込んだ。
「アロス様…… 寝るまで……離れないで……いい?」
「いいよ。ルーリが眠るまで、ずっとこうしていよう」
俺がそう答えると、ルーリ王女は満足そうに微笑み、俺の首に細い腕を回してぎゅっと抱きついてきた。
「……アロス様……大好き…… ずっと……私のそばにいてね……」
彼女の息が徐々に穏やかになり、まぶたが重そうに落ちていく。
俺はルーリ王女を抱きしめたまま、彼女の寝顔を優しく見つめ続けた。
ベッドの上に広がる桃色の髪と、俺の胸に預けられた小さな体。甘く、温かな時間が、静かに流れていた。
その夜、ルーリ王女は俺の腕の中で、安心した子猫のように深い眠りについた。




