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不思議の国の星が煌めくその夜に  作者: 黒猫
第二章 涙の池
37/37

32頁:Stone giants

私の住んでいる地域では、いい感じに涼しくなっています。ヤッタね。

そして…やっと更新できました!

二か月近く更新できず、すいません。



 段ボールを消して、鉄パイプを掴み、そのまま登る。

手袋が無かったら戸惑っていたところでしょうね。

 

「っと……」


 屋根の上から街全体を見渡す。…が、辺り一面真っ暗だ。

 強く眼をつむり胸元あたりで右手をグーパーさせて、左手を差し出すように伸ばして本に魔力を込める。

 そして………………


「【Golden Eye(全てを) կանխատեսել(見通す黄金) բոլոր()】」


 そう詠唱として唱えてから、ぱちりと目を開ける。


「………」


 再度全体を見渡して思った。かなりお洒落な街だな、と。

 きっとこの街は怪異に支配されなければ首都に近いものになっていたであろう。

 しかし、一際目を奪われるものがあった。




「――――――時計塔。」



 

 そう、とんでもなく大きい時計塔があったのだ。

 それこそ、雲に当たるか当たらないかのチラリズム的な何かであった。

どうやら、あそこが…僕の目的地になるみたいですね。


 それには絶対的な確信があった。常闇の王は絶対にあそこにいる。

 なぜ王に逢わなくてはならないか、と言うと……猫さんは元々脅されていたらしい。おそらく言った言葉は『あの女《僕》を殺さなければ、お前の主人を殺してやる。』でしょうね。


しっかし、何故に僕を殺さなければいけないのでしょうか。ぶっちゃけ僕は別に怪異を無差別殺人などしていない。喧嘩を売られたら死の淵に落とすだけである。


 話が逸れたが、一応猫さんと仲直りをしたい、照れてしまうがそんな理由で僕は彼に逢いに行くのだ。そして何故刺客となる怪異を幾たびも送り出してまで、僕を殺そうとするのか、その理由を確かめに来たのだ。


…ちなみに、もしも紅心(ハート)の国に行ったら女王様にそのことを話してちょっとして、助言とかぁ…欲しいなって思いましたが…まさか助言も何もなく、ほっぽりだされたので、ごり押しで行くしかないのですがね。


 まあ、そんな事は別に良いのだ。そう…そんな(・・・)事は(・・)別に良いのだ。全然いい。だが、問題はどうやって時計塔の中に入るか、であったのだ。

完全に封鎖されて居そうなのですが…………うん、ぶっ壊そうか。


 そんな事を思いつつ、屋根を次々と飛び移る。


『ドードーさん、めちゃくちゃ凄いな。」

『まあな。アイツ体力鍛えすぎてとんでもない事になっているからな。あえてゆうなら……そうだなぁ…RPGゲームで、初期レベルが9999、みたいな感じでほぼチートだからな。」

『エロ本読みながらゆう事じゃない。」

『つまりラトさん所謂能筋ですね!?」

『『それなんか違う。」」


 そんな会話が聞こえてきた。

なんか失礼極まりないのですがっ…まあ、気にしないでおこう。まだ、いいほうですからね。

 とんとん、と次々と屋根を飛び移る。


ポツ…


「!?」


 冷たい。冷たく濡れた物が頬を濡らす。


――――まさか、まさかこれは……雨?


いやうん、うん、うん、分かるよ。 だっていま梅雨の時期ですからね。ええ、分かりますとも。絶賛梅雨時期中盤ですもんね。

ええ、ええ。分からない筈が無いのです。


……とりま、そんじょそこらの廃墟とかに入りましょうか。

 走るスピードを上げつつ、目を細める。


「むぅ……」


 近眼と言うのはつらいものだな…。





 そうしてしばらく、いい感じに人気が全くない廃墟を見つけたので、そこに入る事にした。

にしても、びちょびちょである。うん、思い切り間に合わなかった。


『ドードーさん、大丈夫?」

『ダイジョブですよ!!! なんせ脳筋なんですから!!!」

「……つーか、貴方少しうるさいです。大人は静かにして下さ『嫌です!!」 ………っち。」

『『『舌打ち!?」」」


オーバーリアクションとか。

面倒臭いなあ。でもまあ、滅多に舌打ちしないですからね。…これからもっとしよう。

 そんな事考えていたらロビ君が口を開きました。


『いまなんか変な事考えなかった?」

「気のせいです。」

『いやでも…」

「気のせいです。」

『そうかなぁ…そんなことはな「気 の せ い で す。」 ……そ、そう。」


 そんなやり取りをしてから、あの子たちを別の部屋に移動させて、今着ているびしょびしょの服を脱ぎ簡単な風色の魔法で服を乾かす。それまでまっぱでいる訳にもいかないので、鞄から服を取り出し着替える。


 …が、そこで気が付いた。

あれっ…? こんなパンクな服僕持ってたっけ?

 なんというか……猫さん寄りの服があった。何故に。



~一分後~



黒が全面的に出ていて、左胸には赤い薔薇のロゴがあります。

そしてなんと、フードにネコ耳がついているのです。後ろには取り外し可能のシッポのついているのですよ。かわいい。


フードのまわり、スソ、ソデ口には黒のレースがついています。ソデのレースはかなり長く手を覆うくらい。

赤いチェック生地、リボン、革(合皮)ベルト、ピンと盛りだくさんでとってもステキです。



・・・



………じゃねーっよ!!




なに解説してんだ私。アホか!

 しかしガッツリ着ています。梅雨と言えど、少々気温が低いので逸早くも着替えましたとも。ちなみに、下は黒い短パンに黒い長靴下で、ひざ下のブーツである。


うむ、実に冬服のようだな。しかし納得いかん。


「確かに、可愛らしいが、何故、このような、物がっ…」


……声が、遅れて、聞こえて、来るでしょう? ……なんつって。 …何やってんだあたし。 …そもそもこの服は僕の物でしたっけ。そもそもこのような服を見た事は…なんだか妙ですね。うぅん・・・まあいっか。

 風の魔法を止め、服を畳んだら鞄の中へとぶっこむ。


「んー…雨が、止むまで…?」


ちょっとそれは計画的な何かが崩れますね…ぶっちゃけ今日と明日で終わらせようとしていたのですし…うん、雨の中でも行こうか。風邪ひくのを覚悟で。


「あ、君達入って来てもいいですよー」

『おせえよっ!!」

「あ、そう。」


そこまで時間かけた覚えはないのですが…。

 気になり、ちらっと腕時計を見やると…先程と数分しか変わっていません。言い掛かりですか。


『そうですね!! 実に遅い!! 数分で済ませて下さいよ!!」

「数分で済ませましたけど。」


 ああ言われたのでこう返して、腕時計を見せる。

ヘルァー君何気に目がいいからこれ位そっちでも見えるでしょうね、僕と違って。僕と違って。


「?」

『あ、あれ…?!」

『あー…この時計ぶっ壊れてるんじゃ?」

『ラトさん腕時計役立たず!」


…!?


「…!? ちょっと待て。ヘルァー君だけ待て。貴方言葉が可笑しい事になっているです。」

『こいつが可笑しいのは常時運行だろ。」

「まあそれもそうですが…」

『認めないで下さいよ!!」

『『「無理だね。」」」


 そんな霊体化を解いて他愛もない話をしていたのだが…

ゴォルルピッシャァァン! などと雷が降ってきました。


「ヒィッ!!?」「ひゃん!!?」「ぬおおっ!?」「な、なにっ…!?」


 と皆が皆で情けなくも声をあげました。

 あ、最初のなさけない声がロビ君。

 次に女かよ、と思う位に女性染みた声を上げたのがヘルァー君。


 その次のなんか変な声を出したのはハッター君。

 で、最後に妙な声を出したのが僕。


「雷だな…」

「ドードーさん落ち着きすぎっすよ。」

「そうですよ!!」

「女の子っぽくないよね。」

「…ひどいです。」


貴方たち何なのですか。いくら僕が優しいからって…酷いです。


「大体ロビ君、貴方口調が段々可笑しくなっているですよ。」

「うん。」


うんじゃねーよ。


「あと、ヘルァー君はいいとして…ハッター君貴方ぶん殴ってもいいですよね。殺っちゃってもいいよね。」

「す、す、い、す、すい、すいません。」


何回突っかかってるのさ。…人の事言えませんがね。


「もういいですよ。」


 僕は立ち上がり窓を見る。

雨でも行くしかないんですよね。


「で、ドードーさん、本気で行くの?」


 本気で行くのって言っても行くしかないでしょうに。


「えぇ。で、君達はここで残るのですよ。ヘルァー君以外。」

「えあう!? 私行くんですか??!」

「ん、大体行動することは決まっていてね。君は何気に活躍する事になるのですよ。」


こまめに帰っては僕には出来ない事をできる人達に行動して貰わなくてはあの塔には行けない。君達にしかできない事が有るんだよね。僕には到底出来ない事がね。ハッター君は何気に怪力だし、ヘルァー君は魔法に限りなく近いことが出来るし、僕には真似できない事だ。だから、そこを頼むね。

 僕は三人にそう言った。


「……」

「…」

「………」

「ん?」


 急に黙った三人は何だか妙な顔をしています。

…?

 僕は意味が分からず、思わず首を傾げてしまいます。


「ドードーさん…」

「?」

「是非、師匠…もしくは先生と呼ばせて下さい!」

「は?」


 僕はじと、と見つめる。

何言ってるんだこの子は。ちょっと頭が可笑しくなったのかな?


「顔がすべてを物語っている…じゃなくてだな。アンタ、すんごいカッコイイ。オレが女だったら多分惚れたわ。」

「んん? なに、カッコイイって…」


つーかですね、僕も女です。…う、うん…? 確かこういうのは…GL的(ガールズラブ)なですか。


「同意見ですね!! 私もラトさん好きです!! 結婚してください!!!」

「すいません嫌です。すっ飛ばし過ぎです。」

「他の人を褒めてるのにそのカッコよさ!!」

「…いやまあ、な…無意識に褒めまくると言うか…煽てまくると言うか…そう言う所が二人の心を突っついたんじゃないの?」

「む、無意識に褒めまくる…煽て…?」


なにそれ。僕そんな覚えないんですけど……そこが無意識なのだね?

 僕は三人のマシンガントークにちょっと頭が痛くなった。いい声だけれども。


「あーもう、行くですよ、ヘルァー君。」

「きゃ、ひ、引っ張らないで下さいよ!」

「あーごめん。」

「ガチで言った訳でないので謝らないで下さい!!!」


何なんだ。


「はぁ…【Golden Eye(全てを) կանխատեսել(見通す黄金) բոլոր()】」


 小さくそう言う。





「ヘルァー君、まだいけますか?」


 ヘルァー君を横抱きにしてピョンピョン屋根の上を次から次へと飛び移る。ヘルァー君に強化色の魔術(魔法)を掛けといてもらってよかった。とても動きやすいです。

あ、ヘルァー君に霊体化してもらえばいいじゃんと思った人、もし霊体化したら魔術が解けてしまうのですよ。強化色の魔術(魔法)の方が楽なのです。


「はい!!」

「少し苦しいと思いますがもう少し我慢して下さいです。あと、ちゃんと摑まっていて下さいです。」

「分かりました!!」


 少しスピードをあげて進む。なんせ後ろから怪異がわんさか追って来てるんですから…最初は相手にしていたのですが…これじゃ限が無いと見切りをつけて今こうして逃げているのですよ。


え~と…確かこっちに隠し通路がある筈なんだけど…

 目を凝らすと…あらまあなんて不思議! 隠し通路の入り口が見えてきました! ……この能力(コピー)があってよかった。ヘルァー君を一旦下ろして壁に手を当てながら本に魔力を注ぎながらこう言った。


「【ազատում(解除)】」


 すると壁が扉のように開く。それを見終えた僕はヘルァー君を再度横抱きにし、また走り出す。

…多分これ傍から見たらカオスかシュールに見えるんじゃないのかなって思うのですが。


「ラトさん平気ですか?!」

「ん、とても余裕です。」


君に強化色の魔術(魔法)を掛けて貰っているんですから。


「よし、ここらへんかな…」

「どうしました?!」


 僕はヘルァー君を下ろして辺りを見渡す。

やっぱり、すぐに見つかるわけではない訳で。


「こっから別行動! 君は…あの、黒髪で青い目…もしくは茶色の目をした女の子を探してくれるかい?」


 黒髪で青い目、もしくは茶色の目…もちろんジオさんの妹さんなのですよ。


「? 別に良いですよ!! 私だって戦えるんですからね!!」

「ありがとう。で、もしも見つけたらそのままそこにいてくれると助かるかな。怪異が来たらある程度対応してね。」

「了解です!! しかしラトさんは何をしに行くんですか?」

「ん~? あの塔に入る為に、塔の入り口の核心(コア)をぶち壊すのが必要なので、それをぶち壊しに行くんですよ。」


 それを言うとヘルァー君には珍しく、苦笑いをしてた。

…?


「ま、まあその黒髪の女の子を探せばいいんですね!!?」

「ん、そうですよ。ここは比高的明るいし、怪異は少ないと思う。まあ、頑張って。怖くなったら、もしくは怪異に対応しきれなかったらいつでも僕の名前を呼んでね。」


 すぐに行くからね、と言うと。なんかぽっ、という感じに頬の赤みが増したヘルァー君。それをみて僕はこう言った。


「…デレ期ですか?」

「違います!!!」


ありゃ。





「うっ…!?」


 僕は突然の痛みに腰に手を当て、俯く。

こ、腰がぁぁ…腰に何かよく分かんないけど痛みが…き、気のせいか…?


「■■ァァ▪▪▪ァ―――――!!!」


 大きな咆哮が聞こえた。それは紛れもなく僕が進もうとした方向だった。何があるのかを見る為に前を向く。



……あっ…僕死ぬかもしれないね。



 『全部見ちゃうよ☆なんちゃって黄金瞳☆』で見たのはね、えーと…超巨大型の…鬼みたいなゴーレムさんでした。顔は骸骨になっていてですね、背中や肩に目が付いています。腕に封印札? らしきものがある辺り、恐らく…僕とヘルァー君がこの隠し部屋に入った時に封印が自動的に解除された…のですかね。


 現在僕のステータスに『強化色の魔法(魔術)(全体)』と『全部見ちゃうよ☆なんちゃって黄金瞳☆』だけです。

うん。僕生きていられるかなぁ…


 若干行きたくない、と思うけれど…行くしかないので手に剣を出す。そして深く深呼吸をする。

死にたくないからね。全力でぶち壊すしかない訳で。あ、行かないと言う選択肢は無いのですよ。


「ふぅーははははは!!! そこのゴーレムよ! 僕が相手をしようではないか!」

「■■ゥゥゥ▪▪▪ァ―――――!!!」


うるせえ。鼓膜が破れるってのですよ。

 剣を構え、ゴーレムの足元に行くように走る。


ひゅんっ…!


 顔のすぐ横に何かが通った。

今なにか黒い物体が……あー…生きていられますように。

 恐る恐る後ろをちらりと見る。と…そこには…


っ~~~!!!


 手に持っていた剣をそれに向かってぶん投げた。


グジャアッ!


「ひぃっ…」


き、気持ち悪いぃぃぃぃぃいい!!! 

 超巨大型ゴーレムは恐らくこの瞬間を隙有、と見たようで大きく薙ぎ払う様に僕を殴ろうとしました。もちろんピョン、とジャンプしてなんとか避けました。


「っ、【Reaper(死神)հագո()ւստ】ーーー!!」


二度と見たくない。

なんせ、なんせアレは…アレはっ、蠢く蟲!! 黒くてたまに飛ぶアレ!! 見た目グロい! 気持ち悪い!


く、くたばれふぁっきゅー!!!


 そう思いつつ持っている大鎌を超巨大型ゴーレムの肩の方の目へぶん投げる。


ぐじゅぅっ!


「■■アアアァァあ▪▪▪―――――!!!


ふふ、コントロールは巧いモノでね! Gは気持ち悪い! くたばれふぁっきゅー! この世界から消えてみれば良いよ! ほかの蟲なら我慢できるけど()(カク)あれはダメ!!


存在しちゃいけないナニカだ!!!


 後ろ腰に吊るした二本のダガーナイフの一つを取り出して近づきながらも、もう一方の肩の目へと投げる。


武器は投げる物であり、生きているモノを殺める為の物です。

使い方は間違っていないのですよ。



次回! ヘルァー君視点!(多分)

そしてあの人の性別が明らかに…!


来週にでも…更新できたら…いいなぁ…

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