その症状は?
明けまして、おめでとう御座います。
大変お待たせしました。
最近、仕事が忙しくて、書く事も読む事も出来ない状態でした(-。-;
今年はスローペースでも、話を書いて行こうと思います。
今年も宜しくお願い致します。
「やっぱり、貴女でしたか………エスト様」
凛は溜息を吐きながら、空間から現れた女性をジッと見つめる。
凛の視線など無視して、エストと呼ばれる女性は笑いながら話し出した。
「儂の存在を感じておったか……流石じゃ凛よ」
エストと呼ばれる女性は、拍手をしながら凛に微笑む。
しかし、凛は呆れた顔をして深く溜息を吐いた。
「全く、何してるんですか?」
呆れ顔でエストを睨みつけたが、エストは惚けた顔をして首を傾げる。
「ん?何の事じゃ?」
エストの態度にイラッときた。
「何の事?ふざけるのは止めて下さい!一体どういう考えがあって、零さんにあんな事を言ったんですか?それも、お母さんを使うなんて………信じられない!!」
凛の言っている事が分かったエストは一人で何度も頷く。
「ああ、さっきの事か?」
「そうです!一体、エスト様はどういう考えがあって、あんな事をしたんですか?」
「ん?考え?そんなのものはないぞ!」
「は、はあ?」
エストから、まさかそんな言葉が返ってくるとは予想出来なかった凛は、その場でフリーズしてしまった。
そんな凛を楽しそうに眺めるエストだったが、ちょっと長過ぎるフリーズに、エストは心配になってきたので声を掛けてみた。
「おーい、大丈夫か?」
エストの呼び掛けに、フリーズ中だった凛は直ぐに再起動した。
「だ、大丈夫です……そ、それにしても、〝何も考えてなかった″って返答が来るとは予想が出来ませんでした。」
「相変わらず、予想外の事に弱いの〜。」
「お、大きなお世話です!!」
「くぅ〜、可愛いではないか凛は!今すぐにでも、ペロペロしたいのじゃ!」
涎を拭う真似をして、凛にジリジリと近付くエスト。
「や、止めて下さい!」
エストから放たれる怪しいオーラに身の危険を感じた凛は、思わず後ずさる。
「うそ、うそじゃよ!そんな事は、せぬから逃げるでない」
冗談だと言い張るエストを、凛は疑いの眼差しで見ていた。
(絶対にさっきのは本気だった………)
凛は絶対に冗談では、あんなオーラは出せないと思うのであった。
エストと凛が漫才みたいな事をしている中、由美は一人戸惑っていた。
まあ、仕方ない事である。なんせ突然、空間の穴から現れただけでも驚く事なのに、凛と女の子の会話を聞いているとエストと呼ばれている女の子は自分達より偉い人物だろうと思える。
しかし、由美にはその人物が何者なのかなんて、どうでもよかったのだが、一つだけ知りたい事があった。
先程から自分自信に起こっている異変に。
「ねえ、凛ちゃん。そちらの人を紹介して貰えると、助かるんだけど……さっきから、私の血が疼くのよね!ひょっとして……その人は敵なの?」
エストが現れてから、突然、湧き上がる血の疼きに耐えていたが、時間が経つにつれ疼きが酷くなっていき、とうとう我慢の限界がきた為、凛に尋ねたのだ。
「あのね由美さん。この人は敵ではありません。」
「そうなんだ……敵じゃないんだね。それなら、その子は何者なの?その子が現れてから、私の血が疼いて必死に押さえるのもそろそろ限界かも……」
凛は由美の言ってる事に、驚きを隠せなかった。
自分の身体には、そんな症状は現れてない。
エストと【光守】の一族には、何だかの関係があるのだろうかと思えてしまった。
「由美さん……血が疼く……それは一体どういう事なのでしょうか?」
「分からない……でも、私がこんな状態だから、多分お母さんも同じ症状だと思うけど……」
「あっ!?」
由美の言葉に、凛は咄嗟に美紗子の方を見る。
美紗子を見た凛は思わず転けそうになる。
「…………」
そこには、頬を染め悶えてながら、如何わしい声を出している美紗子の姿があった。
そして隣にいる陽子は、顔を引き攣らせ汚物を見るかのように、美紗子を見ていた。
「えっと……これは見なかった事にした方がいいみたいですね。」
「そ、そうね。こんな母親は見たくないから、そっとしときましょう……」
由美と凛の意見が一致した所で、先程の話しに戻る。
「それにしても、何で【光守】の血を引く由美さんに、そんな症状が現れたのでしょうか?」
「分からない……でも、その人が関係しているは明白よ!だって、その人が現れてから、血が疼きだしたんだから!」
「う〜ん………」
由美の症状が何なのか分からなくて困っていたが、原因が目の前にいる事に気付た凛は本人に聴くのが一番早いと思った。
凛は再びエストの方を見る。
「エスト様は原因をご存知ですよね?」
凛の質問に、エストは笑顔で喋りだした。
「うむ、知っておるぞ。」
「やっぱり………何で教えてくれなかったんですか?」
「ん?それは凛が聴いてこなかったからじゃ?」
「き、聴いてこなかったから!?そ、そんな理由で黙っていたんですか?」
「それに、見てて楽しそうじゃったしな。」
「あ、貴女という人は………」
凛はエストの言葉に頭を悩ませる。
「はあ………この人の相手をするのは、本当に面倒臭いです。」
ボソッとエストに聴こえないように愚痴をこぼす凛だったが、エストの耳は凛の愚痴をちゃんと聞いていた。
「ん?何か言ったか?」
「な、何も言ってません!」
「可笑しいの〜?なんか面倒臭いって聞こえたのじゃが?儂の気のせいか?」
「そ、空耳ですよ!!」
慌てて、誤魔化そうと必死な凛は、話しを逸らそうとする。
「そ、それで、エスト様は何かご損じなのですか?」
「知っておるぞ!」
「是非、教えて下さい。」
「う〜ん、なんか話を逸らされた気がするが、まあよかろう!教えてあげのじゃ」
「「お願いします。」」
凛と由美は真剣な表情でエストを見る。
「お主の血が疼きだして当然じゃ。お主は儂の血を引いておるからな!」
「「えっ!?」」
エストの予想もしない言葉に、凛と由美は耳を疑った。




