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40 精神

彩夜視点です。

 ーー彩夜ーー


 はぁ、蓮君ったら面倒くさいことは私に任せるって······蓮君らしいって言ったら、そうだけどね。


 カタカタ震えているニーナさんに状況説明をして、戦えるようにしないとね。


 半月前


 勇者が《コピー》した《テレパシー》を使って話してきた。


『レン・シノノメ君が提案して来たことを言う。もしニーナさんが決戦の場所に来ていたら、説得して欲しい。だそうだ』

『分かった。でも、何で?ニーナさんは来ないはずでしょ?』

『僕にもわからない。レン・シノノメさんがニーナさんが来ない事を聞いてないのかもしれない』

『分かった。蓮君、何考えてんだろ』


 今考えると、独自に調査をしていたのかもしれない。

 この戦いが終わったら、吊るし上げて聞こうかな?生きていればの話になりそうだけどね。


 現在


「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」


 誰だこりゃ。精神が壊れちゃっているみたい。

 前勇者って聞いていたけど、今回の勇者よりも弱くないですかね?今回は今回で、厨二病、てか妄想が酷いけど······


 あんまり使わないんだけど、使うか。蓮君にも言ってないスキルだしね。


「《精神改造(スプリートアルター)》」


 うん、使いたくないね。

 この魔法は、人の精神に私が入ってあーだこーだする魔法何だけど、今回はニーナさんの恐怖心を消すことが目的です。

 ちなみに、一歩間違えたら廃人の完成です。


 精神って言うのは人それぞれだけど、線と線が複雑に絡み合って出来ているんです。言わば、精神=感情って考えてもらって構いません。

 簡単な例を上げると、悲しみの線が泣くの線に伝わる。すると、涙がこぼれ始める。

 どの線も、絶対にどれかの線に伝わるんですよ。


 この《精神改造(スプリートアルター)》はそんな事が可能なんですよ。


 今回は恐怖心を消してもいいんですが、それだと一生恐怖心が無いニーナさんが出来てしまうので、恐怖心を他の線にくっつける作業をします。

 消す方が断然楽なんですけどね。


 で、ニーナさんの恐怖の線は現在感情面にも出ているから、真っ黒だから探しやすいんだよね。

 あった、あった。意外とあっさりと見つかってよかった。


 今回は恐怖の線を勇気か力に変えれれば目的達成何だけど、勇気か力の線を見つけるのがまた難しい。

 蓮君も魔神と交渉をしているけど、あくまでも時間稼ぎに過ぎないし、交渉が決裂してしまえばそこからは戦闘だ。

 時間は有限かつ短い。

 テキパキ行こう。


 線は切り離すことができても早くくっつけないと、文字通りの廃人が出来てしまう。

 だから初めから切り離さずに、くっつける線を探す。

 前勇者だから、勇気は一般人以上はあると思うから勇気の線も結構太いよね。じゃなかったら、探すのが無理に等しいんだけど······。


 違う、違う、違う······あった!良かったー。

 さっさとくっつけますか!


 この後何事も無く、無事に成功しました。



 戻ってくると、ニーナさんは聖剣と睨めっこしています。何があった!


「ニーナさん?」

「サヨ・モチヅキちゃん!」

「えっと······何をしてるんですか?」

「聖剣の所持権が今の私に無いから、聖剣とお話してたの」

「聖剣って喋るの!?」


 所持権の獲得には成功したみたいですけど精神をいじったせいか、ここまで来た記憶がすっぽりと抜けているみたいです。

 一から十まで話す時間も無いので、所要部分を話しておきました。


「分かったけど、魔神って倒せるの?仮にも神様だよ?」


 うっ!痛いところをついてくる。

 私も知らないんだけど、多分蓮君が何かしらの方法を知っていると仮定しているんだよね。

 無いなんて言ったら、本当に勝つことができない。

 どの文献にも、魔神は気が済むまで暴れて消え去っていった。としか書かれていない。つまり、倒せなければ私達はこの世界からの退場を意味するんですよ。


 蓮君は無策無案で突っ込んでいく馬鹿じゃないけど、今回はどうなんだろう?


「蓮君はこのことを見越して戦うと思います。だから、倒す手段はあるはずです!」

「サヨ・モチヅキちゃんが信じるなら私も信じるしかないね」


 ポジティブだよね、ニーナさんは。私はこれから死ぬかもしれないから、ネガティブに考えちゃうな。

 神様がくれたユニークスキルだけど、神に通用するかなんて分からない。

 《絶対回避》これのおかげで今まで死なずに来れた。だけど今回は、違う。

 ユニークスキルを超える攻撃をしてくるかもしれない。そんな時私は死なずにいられるのかな?


 蓮君が行っていた交渉は終わり、決裂した。


 私達は臨戦態勢になり、いつでも戦えるようにする。

 最後かもしれない。そんな言葉が脳裏によぎるが、振り払う。


 私はこの先も生きるために戦うんだ。

若しかしたら、視点がコロコロ変わるかも、しれません。



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