37 救出そして決戦へ
途中勇者視点に変わります。
マップを表示して更に《飛ぶ》を使って彩夜の元に飛んでいってるので、少しばかりスピードが出せない。
このままのスピードで行けば勇者達がサクラ十家との戦闘になる。そうなると、彩夜がいる範囲が戦闘範囲に入る可能性があるんだよな。
何が「サヨ・モチヅキさんを助けるのが1番」だ。あからさまに、サクラ十家と戦闘する気満々じゃないか!
一発、殴りに行こうかな?あーでも他の方々が怒りそうだから、この戦闘が終わってからにしよう。
王都上空に来た。
王都は《星落とし》によって、跡形もなく綺麗さっぱり無くなっていた。勿論、魔族の死体も跡形も無くなっている。
遠くにサクラ十家と勇者達が見える。
丁度、戦闘前ってところだ。
彩夜の元に急ぐ。
『蓮君、勇者に加勢して!』
彩夜の《テレパシー》が頭の中に響く。
生きてる!よかったー。
『彩夜、勇者と打ち合わせでもしたのか?』
『していなよ。私はピンピンしてるから、急いで加勢に向かって!』
『い・や・だ。お前の安否を確認するまではな!』
『蓮君人の話をきいて!』
『知るか、百二十歳』
夫婦喧嘩とも取れる《テレパシー》を終えて、彩夜の元に更に急ぐ。
勇者達は、サクラ十家と戦い始めた。遠くから見ているからよく分からないけど、サクラ十家は攻撃をしていない。それどころか、動いていない。
はぁ、転生するもんでもないな。
彩夜の元に着く。大層お怒りのようで······。
短剣まで構えて、そんなに戦いたいのか?
ん?何でこんなにも服が綺麗なんだ?それどころか、至って健康体だな。
あの異空間とやらで何をしたんだ?
「蓮君?私言ったよね?それに百二十歳って、覚悟出来てるんでしょうね!」
「落ち着こね、ね?」
「今は状況が状況なので許しますけど、終わったら覚悟してくださいね!」
「······はい」
何がともあれ、彩夜が無事で良かった。
一通り見たが体に傷も無いし、精神的に病んでることもない。
ほんとに異空間で何をしたんだ?
「こっちに来たってことは、何か聞きたいから来たんでしょ?私も蓮君が何をしたのか聞きたいし」
俺はこの1ヶ月間何をしていたのかを話した。ニーナさんに地獄の特訓をさせられたりとか色々と簡潔に話した。
「ふぅーん、蓮君ドンマイ」
「お前のせいだろ!」
「あはは、ナンノカトカナー」
目を泳がせているので多分、勇者と打ち合わせをしたのだろう。
ため息をしたくなるが我慢する。
「私は異空間で兵士と遊んでたよ。食料は、食料庫らしき所から貪り食ってました」
「太るぞ?」
「蓮君のばーか」
兵士と遊んでいた······兵士、南無三。
「彩夜、勇者の加勢に行くぞ」
「分かった」
素直だよな、彩夜って。嘘はたまにつくけど基本、本音を言うよな。
······昔が思い出せなくなってきたぞ。
そんなことを考えて歩く。彩夜は《飛ぶ》が使えないか仕方ないね。
抱っこしてもいいが······重そうだもん。
「蓮君、変な事考えた?」
「別に」
心でも見透かしているのかな?
爆発音が聞こえる。王都周辺の山々で。
山を見ると、燃え上がっている。
山火事か?いや、そんなことは無いだろう。
マップを表示して見ると、山には百人近い人がいた。
さっきの爆発で全滅したらしいな。それにしては、こんなにも多くの人が何故山に居たのだろう?勇者が派遣したのか?後で聞くか。
ーー勇者ーー
ふふふ、こちらの手札は完璧。
レン・シノノメが何かしらの魔法で魔族を一掃するから、こちらは無駄な戦闘せず魔王を討伐出来る。
自分の強運が怖いほどだ!
サヨ・モチズキを救うのが第一?そんなのは、レン・シノノメをこちらに引き込むための策に決まっている。
ま、僕にはこの、聖剣カリブルヌスがあるから倒せない奴なんて居ないけどね。
魔神なんてこの世界じゃ架空の存在。架空の存在を信じる、狂信者の魔王にこの僕が勝てないわけなかろう。
レン・シノノメ、僕はお前を憎んでいる。
何なんだよさっきの魔法は!ありえないだろ!王都と、魔族が消えたぞ!
しかもあの隕石をどこかに《転送》した!
アイツはどこまで僕と肩を並べるつもりなんだ!
僕は勇者だぞ!唯一無二の存在に等しいんだぞ!
いや待てよ、アイツはあんな魔法を使ったんだ。代償を伴ったはずだから、動けないか死んでいる。この機を逃すわけには行かない。
アイツの言葉にも「俺の魔法が消えたら王都へ迅速に行け」と言われたんだ。
アイツの手に乗るのは些か気が引けるが、乗るしかない。
「みんな、王都へ進めー!」
「「「おー!」」」
完璧、完璧だ!
全種族の最強と呼ばれる奴らを仲間にした僕に欠点は無い!
しかも王都周辺の山々には、この世界から集めた宮廷魔導師達とその弟子達が隠蔽魔法を使って囲っている。
サクラ十家?僕が世界各地から集めた奴らで瞬殺だ!
そして僕は魔王を倒したとして、真の勇者になり世界この世界から崇められる神と等しき存在になるんだ!
王都に入ると建物は消えて、魔族も消えている。
レン・シノノメめ!この僕が活躍出来る美味しいところをよくも取ったな!僕が魔王を倒したら、奴隷の身分に落としてやる!
サクラ十家は、防御壁を貼っていて動かない。
これはチャンスだ!
僕は手を挙げて、山々にいる宮廷魔導師とその弟子達に合図を送る。
······?何故魔法が飛んでこない?
宮廷魔導師共には遠見スキルがある······は······ず
僕は気が付かなかった。宮廷魔導師共がいる場所が燃えていることを。
「ハハハ、見ろよ!今回の勇者絶望してやがるぜ!」
サクラ十家の誰かが僕のことを見て笑っている。
嘘だ、嘘だ、嘘、嘘、嘘、嘘、嘘。ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
この僕が一ヶ月も考えた作戦がこうもあっさりと見破られてしまったのだ。
何がなんでも倒す!この僕を侮辱したことと、死んだも者への屈辱今を後悔させてやる!
「みんな!行くぞ!」
そう言って僕はサクラ十家に突っ込む。
僕の言葉に返事をした者はいなかった。
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