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23 遺跡 最奥

毎回、前書き何を書こうか迷います。

 最奥の部屋に入ると、人が入れるんじゃないかと思うほど大きな宝箱がある。

 みんなで宝箱に近づくと、紙が貼ってあることに気づいた。


「なんて読むんだ?」


 紙は、日本語で書かれているのだ。こっちの世界の人が、日本語を分かるはず無いよな。読めたら、尊敬出来るけどね。


「『この遺跡を踏破し者よ、今ここに魔物の本を授ける』、と書かれていますよ」

「シノノメお前、読めるのか!」


 首を縦に振って、答えておく。

 嘘の翻訳を、したんですけどね。魔物の本ではなくて、エンチャント本なんだよね。

 この世界の三大禁忌魔法、無属性魔法、エンチャント魔法、魔族召喚魔法、がある。ジェングさん達に言ったら、没収されそうなので嘘を付いておきました。

 なんで、無属性魔法とエンチャント魔法が禁忌なのかは知らないけど、禁忌とつく時点でロマン溢れるよね。


「魔物の本か、いっぱい世間に出回ってるから要らないや」


 良かった。これで安心して、この本を回収できる。

 宝箱の中は本と、金貨が大量に入ってる。本の周りには、金貨が無く、油?と木炭?が使われていて、防湿防虫になっている。親切だな。


 この部屋の探索をしたいのだけれど、龍人の子がいるので出来ない。


『蓮君、変わろっか?』

『彩夜、ありがとう』


 テレパシーで言ってきてくれたので、俺は背負っている龍人を彩夜に渡した。

 よし、これで、じっくりと探索ができる。

 この部屋は、あちこちに日本語で書かれた紙が貼ってある。書かれていること大半が、『帰りたい』だ。

 専門家でも何でもないから予測でしかないけど、この遺跡は建ってから三十年は経っている。

 うーん、マップを表示しても、隠し部屋もない。もうちょっと、凝った造りでも良かったのに。


「う、うーん」


 ん?龍人が目覚めたのか?一斉に龍人の方を見ると、目を開けている。

 あー良かった。左翼を撃ち抜いただけで、ずっと起きなかったらどうしようかと思ってたわ。


「······てなわけで、お前は気絶した訳だ」


 目覚めたての龍人に、今までの経緯を説明した。どう考えても、自我があると考えにくいからね。

 実は、自我ありました。なんて言ったら、今すぐに右翼を撃ち抜かないと。


「ありが、と、う」


 言葉をあまり知らないのか、頭から捻り出してるように思える。


 今までの事、全て暴走していたからなのか!確かにそれなら、説明がつく。

 自我が無かったのなら、魔物を食べてしまうことも説明がつく。遺跡の爪痕も、無差別に付けていたのだろう。


 はぁ、結局、自我の崩壊寸前が引き起こしたことか。


 ▷


 宝箱の中に入っていた大量の金貨は、彩夜のアイテムボックスに入れて、後で山分けって話で収まった。

 帰りは、宝箱を動かしたら魔法陣が出てきて、この魔法陣は転移だと分かったのでみんな魔法陣に乗って遺跡を出た。


「金貨の四分の三は、ジェングさん達に上げます。ただし、この金貨には龍人を群れに戻す依頼料も入ってます」


 龍人の少女は、エリーさんの転生魔法で強制的に呼んで群れからはぐれてしまったらしい。なので、その群れに龍人の少女を戻す依頼を俺が頼むことにした。


「分かりました。元はと言えば、私の責任ですからね」

「奴隷階級に落としたら、お前らを殺しに行くから覚悟しとけよ」


 そんなことはしないと思うけど、一応の保険だ。ジェングさん達は、マーキングしてあるので、もしそんなことが起きたら高速で駆けつけるつもりだ。

 龍人の少女の左翼は、俺がレーザーで撃ち抜いてしまったので飛べないらしい。翼は、時間経過で治るらしい。治らなかったら、お詫びを出さなくては。


 この日は、ジェングさん達と一緒に野営した。食料持ってるの、俺達だからね。

 ジェングさん達からは、色々と情報提供をしてもらったので、食事は少し多めに渡した。


 ▷


 ふわぁー、よく寝た。食事が終わったら、シェリーさんが持っていた酒を無理矢理飲まされて、寝てしまったらしい。

 まだ、1回も飲んだこと無かったからね。周りを見ると、みんな爆睡している。

 一応寝る前に、獣人から人間に種族を戻しておいたが、上手く戻ったらしい。


 今日から、聖騎士軍による大規模捜索が行われる。俺にあった、第四王女による情報、考察で俺のことを調べるだろう。俺が飛んでいった方向は、隠蔽魔法を使って隠したから分からないだろう。

 この先、何が起こるか分からない。とった行動によっては、すぐに場所が分かってしまう。だから剣術と練習、魔法の練習をしないと捕まってしまう、そんな気がする。


 みんなが起きて、今後について聞かせてもらった。

 ジェングさん達は、予定通り俺の依頼をこなすらしい。依頼をこなせた場合、特殊なことをするとマーキングしてある人が点滅するので、それをしてもらうことにした。この遺跡で、友情?を深められて良かった。

 俺達は、危険だが王都を目指す。ブラウンさんが言うには、このまま数日東に向かって歩けば王都に着くらしい。その先の事は、未定だ。多分、国々を廻ると思う。


 ジェングさん達と朝食をとり終わったら、各々の目的のため歩き始めた。

 龍人には、身の危険が迫ったらと言う名目で、マーキングが点滅する方法をジェングさんとは違う方法で教えた。

 ジェングさん達は馬車が、山の麓に置いてあるそうなのでそれに乗っていくらしい。


「さて、俺達も行くか。目的が無い旅をしに!」


 そう言って、俺と彩夜は歩き出した。

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