第20話
「ハルカイ達は何でここに?」
アッシュは身体を起こしながら聞く。
「そんなの言えるわけないでしょ!」
「そうプルッ、ボスの指令だなんて言えないプルッ」
ハルとルカがカイを睨む。
「な、なんだプルッ?」
「…言ってしまったのであ~る」
「はっ!プルッ。ごめんプルッ~、許してプルッ~」
ハル達の事はさておき、彼女たちの出てきた場所が気になった。
「ハルカイが出てきたそこ、地面じゃないね」
鋼鉄の床が敷かれていた。
「ん~、まあいいか。アンタ達も気になるなら来なさい。どうせ大穴開いてるし、アタシ達の基地でもないし~」
そう言うとハルカイ達は穴の向こうへと戻っていった。
「どうするみんな?」
「そうだな~、気にはなるよな」
「さっきのボスモンスターの魔石も回収しなくちゃね」
「ここのモンスターの魔石はわしが回収しておいたぞ」
そう言ってルナが魔石を渡してくれる。
「魔石を吸収したら行こうぜ」
「うん」
手甲で魔石を吸い取るとアッシュ達は穴の向こうへと向かうのだった。
そこはまるで整備場のようだった。
ハンガーがいくつもあり、工具なんかも転がっている。
何人か倒れている人が居るがハルカイ達に倒されたのだろう。
ハンガーには2機、造りかけているのかヒト型の骨組みのまま存在していた。
「ほら魔石プルッ。慰謝料に貰おうかと思ったけどお前らなら返してやるプルッ」
そう言ってカイが魔石を渡してくる。
「ありがとう。それに…ここはなに?」
「俺もよくわからないプルッ。難しい事はルカに聞くといいプルッ」
そう言って去っていく。
「これは、魔導兵士をベースにした何かだな…でも、この骨組みは弱すぎる…なんなんだ?」
「不気味ね」
「ほう、これが魔導なんとかなのじゃな」
中を探索しながら奥へと向かう。
塔のようにそびえ立つ管理棟がみえてくる。
ハルとルカはそこに居るようだ。
アッシュ達も登るとハル達は書類を読み漁っていた。
「来たのであ~る」
「アンタ達だから見せてあげるんだからね」
そう言っていくつかの書類をなげてくる。
顔を見合わせるとアッシュ達は手分けをして書類を読むことにした。
「みんなこれ見て…」
クロエの言葉にアッシュ達が集まる。
「魔道兵士の半有機タイプか…」
「乗っておる者と魔石の魔力で動かすのじゃな」
「グロテスクね…神経接合なんて…」
「骨組み以外は血と肉だからな…だが性能は乗るものによって格段に上がるな。これをなんに使うんだ?」
マックの言葉に皆が黙って考え込む。
「テロであ~る」
「えっ?」
ルカの言葉にアッシュが反応した。
「ゴーラでテロを画策しているようであ~る」
「そんな!」
クロエが絶句する。
「まあ、アタシ達にはどうでもいいんだけど。正義の味方のアンタ達には重要よね」
「っ!ここに既に機体が無いということは!」
「その通りであ~る。もう既に実践可能な段階になり機体を動かしたのであ~る」
「ルカの見立てでは1時間前だそうプルッ」
「くそっ、ここから町までは3時間ほどだ」
「行こうみんな!」
アッシュの言葉にみんなは頷くと管理棟の階段を駆け降りるのだった。
「おっと、これ」
最後に残ったマックがハルに手のひらサイズのブロックのようなものを投げる。
「上のスイッチを押せば元の大きさに戻る。中には弁当が入ってくる。約束だったからな、じゃあな」
そう言ってマックも階段を降りていった。
「律儀な奴ね~」
「そうであ~るな」
「俺達はどうするプルッ?」
「決まってるでしょ。ボスの指令通りにやるだけよ」
そう言ってハルはブロックを仕舞いながら笑うのだった。




