49話 リクルート
セリフの割り振り
サタン>サ「
あすたきさんちん>あ「
女神>め「
みずきちゃん>み「
プミィ>プ「
いよかん>い「
ぐりる>ぐ「
リビングに乱入してきた魚の尾に足が生えた奇怪な人魚に対し、サタンは足払いをした。
ぐ「へぶっ!」
ぐりるは盛大にすっ転んだ。
ぐ「う~~いたい~~」
ボフン
ぐりるの下半身の変化が解け、魚の尾だけになった。
サ「おい、魚」
ぐ「なんですか~~?」
サ「わたしらはお前に、わたしらと同じようにトイレで用が足せるように変化を覚えさせようとしてるんだよ」
ぐ「そうだったの!?」
サ「そうじゃなきゃ何の為に女神様がこんな無様な姿を晒してると思ってんだ!」
め「今無様つったか?」
ぐ「そういう趣味なんだと思ってた‥‥‥」
サ「ん~~‥‥‥」
め「何その「あながち否定できないんだよな~‥‥‥」みたいな顔は」
サ「とにかくだ!さっきの変化のままだとトイレの便座に腰を下ろすこともできないだろ!頼むから完璧にわたしらと同じ下半身に変化できるようにマスターしてくれ!でないと、わたしがふたりの粗相の後始末をするハメになるだろうが!」
め「もうひとりって誰の事?」
ぐ「わかった!がんばってみる!」
サ「その意気だ!ちなみに変化の能力を使うにはMPというものを消費するから、「あれ?変化できない!?」ってなったら今日はもうやめてもいいよ。トイレ行きたくなったとしても、幸い現在地が海の目の前だし」
ぐ「はーい!」
サ「それと、女神様はぐりるんが変化をマスターするまでご自身がトイレに行く時はいっしょに連れて行って観察させてあげてくださいね♪」
め「‥‥‥正気か?」
サ「もちろん!変化の能力はイメージが大事ですから!実際の排泄を見せとかないと、わけわからんところから糞尿撒き散らかされたら困りますからね!」
め「流石にそんなことにはならないと思うんだが‥‥‥」
サ「いいじゃないですか、排泄を見せるくらい。わたしらの前でもぶちかましたんですし、羞恥心、お持ちでないんでしょう?」
め「他者から言われると腹立つな‥‥‥。そもそもあの時も別に局部までは見せてなかったと思うんだが‥‥‥」
サ「女神様が拾ってきたんだから、ぐちぐち言ってないでちゃんとトイレトレーニングしてください!」
め「おもしろそうだったから捕獲してみただけで、飼おうとはしてなかったんだけどなあ‥‥‥」
サ「そういえば、さんちんは?」
め「自分だけ湯船に浸かりながらウチらを眺めてたけど?」
サ「サポートしろっつったのにただのデバガメじゃねえか」
ぐ「早くいこーよー!」
サ「ほら、ペットもやる気ですよ?」
め「はーーー、仕方ない。やったるかー‥‥‥」
サ「さんちんももう風呂入っちゃってるみたいだし、夕飯前にみんなでもう入っちゃおっか」
い「そうですね」
プ「おっふろー♪」
み「おっけー」
サ「風呂‥‥‥そうだ、ぐりるん」
ぐ「なにー?」
サ「余ってるスキルポイントで熱耐性っていうの取得したらみんなといっしょに風呂入れると思うぞ」
ぐ「ほんと!?」
サ「うん、いけると思う。ただ、熱耐性って多分段階的に上げることができると思うんだけど、上げ過ぎると熱自体感じられない体になりそうだから、まずは1段階目でお湯に触れてみて、耐えられそうになかったらひとつずつ段階を上げてみよう」
ぐ「わかった!」
風呂場
ぐ「あちち!」
サ「段階上げてもいいけど、ちゃんとこのお湯がちょっと熱いと感じるくらいにしとけよー。わたしらと温度の感じ方が違うと後々面倒だからなー」
ぐ「いえっさー!」
あ「あたしらも熱耐性上げたら荒野も平気だったんじゃないっすか?」
サ「別にすぐに命に関わるような暑さでもなかっただろ。それに、寒いときに外で食べる中華まんとかの喜びが薄れるかもしれんぞ」
あ「それはよくないっすね」
サ「せやろ?あ、いよちゃん。お願いしたいことがあるんだけど‥‥‥」
い「なんですか?」
サ「残業」
い「‥‥‥‥‥‥」
サ「うわ、すっげえ苦虫を噛み潰したかのような嫌そうな顔」
い「いや、まあ‥‥‥雇ってもらった身ですので、やらせていただきますが‥‥‥」
サ「ごめんて」
い「いえ‥‥‥それで?何をすればよろしいのですか?」
サ「リクルートさ!」
い「りく‥‥‥るーと?」
サ「なんかその‥‥‥人材を集める!‥‥‥みたいな?」
あ「ふわふわした認識だ」
サ「だって意味とか調べたことなかったし‥‥‥」
め「ちゃんと意味伝わるから大丈夫だよ」
サ「よかったー」
あ「リクルートってどうする気っすか?」
サ「みんなが寝静まった深夜にお宅にお邪魔して、我々の会社兼自宅にお連れしようかと」
あ「それはね、拉致ってゆーんだよ」
め「やっぱりちゃんと意味調べとけ」
い「あの、具体的にわたくしは何をすれば‥‥‥」
サ「特にこれといってしてもらうことはないんだけど、初めてこの世界の町に行くから何かあったら色々教えてもらおうかと」
い「いいですよ」
サ「まあ、ターゲットを確保したらすぐ離脱するからあまりその機会は無いと思うけどね。それと、そいつを採用したら、いよちゃんが1番接する機会が多くなると思うからよろしくね」
い「いったいどんな奴を引き込むつもりなんですか?」
サ「その前に、以前お願いした冒険者ギルドに登録してもらってモンスターの死体を売るってやつ、ちょっと変更するわ」
い「どういった風にですか?」
サ「ギルドに登録はまあ、一応してもらおうかなとは思ってるけど、モンスターの死体を売るってのを今回のターゲットである商人に任せようと思ってね」
い「商人‥‥‥なるほど!そうですか!」
サ「そう、得体の知れない奴が売るより、既に信用を得ている商人に売らせた方がスムーズだし、商人だから目利きもいいだろうし買い叩かれる恐れもないはずだ」
い「それだけではありません!商人はギルド以外にも多くの販売ルートを持っています!より高く、より多くを売り捌けるはずですよ!」
サ「なるほど、そういう利点もあったか。いよちゃんにはその商人の取引の時に同行してもらって、さも「わたくしが討伐しましたが?」みたいな顔をしてもらう予定です」
い「とんでもないふかし野郎ですね」
サ「いやまあ、実際もういよちゃんはあの魚介類共を討伐できる実力を持っているとは思うんだけどね。ちなみにみずきちゃんも半分にして護衛としてつけるつもり」
み「もうちょっと言い方なんとかして?」
サ「そんで、いよちゃんがわたしたちの国の者でその商人はわたしたちの国の庇護下にある‥‥‥っていう感じでいこうかと思っています」
い「前に仰ってたやつですね」
サ「その通り。ただ、国の話はよっぽどのことがない限りは基本伏せておく方向で」
い「よっぽどってどれくらいですか?」
サ「君らだけじゃ手に余るくらい大事になったら」
い「なら基本的に大丈夫そうですね」
サ「まあね」
あ「結局その商人ってどんな奴なんすか?」
サ「ざっと調べただけなんだけど、住んでる場所は人間と魔族の領地のちょうど境目にある高い丘の上に築かれた都市『スェメテクィタラヴッコラウス』」
あ「なんて?」
サ「この世界では珍しく、人間と魔族がいっしょに暮らしている中立の都市で、ほとんどの商人達がこの都市に暮らしており、あらゆる物資が豊富にある‥‥‥だって」
い「ちなみにその都市を攻めようとすると、えげつない数の遠距離武器及び兵器で高所からぶっ殺されます」
あ「うん、何故かそんな気がしてたよ」
い「そして人間、魔族両軍がお互いの動向を監視しているので、片方が攻めたらすかさず漁夫の利を狙えるため、うかつに攻められないという事情もあります」
め「何故だろう?‥‥‥その都市にはやたら心が惹かれる」
サ「わくわくしないでください。芋スナ様」
現時点での保有している天界力(とその他)
サタン[53511](399兆9461億8450万9850円)
女神[2]
あすたきさんちん[300008]
中立都市『スェメテクィタラヴッコラウス』
補足:この都市及びこの都市の商人に喧嘩を売ると商品を売ってもらえなくなるため、基本的に商人には逆らわない方がいいとされている。
この都市ではこの世界唯一の商業ギルドが存在しており、商人はだいたい登録されている。
たまに悪徳な商人も出てくるが、大概は他の商人によりギルドに密告され、スェメテクィタラヴッコラウスの法に則って処罰される。(報告した者は報酬がもらえる)




