1話 導入
セリフの割り振り
転生者>転「
店員>店「
あすたきさんちん>あ「
サタン>サ「
ここはどこだ?
僕は見知らぬ場所に立っていた。
先程までの記憶をたどってみる‥‥‥。
僕は運動不足を解消するためにロードバイクでサイクリングをしていた。
日中は人や車の通りが多いのを嫌って夜中に走るようにしていた。
そして山道の下り坂を下っている時に対向車のヘッドライトに目がくらみ落ちていた握りこぶし大の落石に気づけずに乗り上げ道路に投げ出され後方から来た大型トラックに胴体をひかれ僕の意識は途切れ今に至る。
なるほど、僕は死んだのか‥‥‥。
となるとここは死後の世界なのだろうか?と思いを巡らせているとどこからか声が聞こえてきた。
サ「おーい、こっちこっちー」
あたりを見回すと一か所だけ扉の形のように光っている場所がある。
先程の声の出どころはあそこからなのだろうか?とにかく入ってみることにした。
光る扉をくぐるとそこには‥‥‥。
店「「「お覚悟くださいませ親方様~」」」
唐突に謎の挨拶を浴びせられた。
周りをよく見てみると着物やら忍び装束を着たかわいい女の子たちが給仕をしているように見えた。
転「‥‥‥コンカフェ?」
状況を理解しようとしていると店員と思われる女の子がこちらに近寄ってきた。
あ「お待ちしておりました。私についてきてください」
そう言ってきた彼女は見た感じ20代前半くらいで長い赤髪をツーサイドアップにしたかわいらしい見た目をしていた。
そして白いワンピースに黄色のどてらを羽織って背中にガトリングガンを背負っていた。
ネームプレートをちらっと見る。
(あすたきさんちん)と書かれていた。
ツッコミどころがとっちらかっていた。
わけがわからなかったが、とりあえずあすたきさんのあとについていった。
店内の一番奥のテーブル席に案内された。
あ「こちらの席になります、では私は失礼します」
そういうと、あすたきさんは自分の業務に戻っていった。
案内されたテーブルのほうを見ると長い銀髪にぽやっとした目をしている白いシャツとジーンズ姿のグラマラスな20代後半くらいの女性が座っていた。
サ「よー来たね、とりあえずそこ座ってー」
転「あっはい」
とりあえずしたがっておこう。
サ「さて、まず何から聞きたい?」
転「この店ってなんなんですか?」
サ「天誅カフェだが?」
聞いてもよくわからなかった。
サ「そしてわたしがこのカフェの経営責任者兼、女神様の部下のサタンだよ、よろしくね」
サ「それで死んだ君には別の世界で新たな人生を送ってもらおうと思うんだけど一つお願いしたいことがあってね」
転「はぁ、なんですか?」
サ「向こうの世界でわたしが指定した生物達をごりゅっと始末してくんない?」
転「はい?」
サ「実はその世界のバランスの管理もわたしが任されてるんだけどカフェの仕事が忙しくて手が回らないんだよね」
転「別の人にカフェの仕事を任せればいいんじゃないんですか?」
サ「そんなことしたらかわいい女の子達とイチャイチャできなくなるじゃん。それに世界の管理よりカフェの仕事のほうが儲かるし‥‥‥」
私利私欲である。
サ「そんなわけで転生先でスムーズに仕事できるようにいくつか能力を授けようと思うんだけどどんなのがいい?」
転「そうですね‥‥‥向こうの世界の人たちと意思の疎通は可能ですか?」
サ「デフォでできるよー」
転「そうですか、というか向こうの世界と僕のいた世界の差異を聞いたほうがいいですね」
サ「そうだねー‥‥‥あっちの文明レベルは君らがいた世界の中世ヨーロッパくらいのかんじで魔法やスキルが存在する所謂異世界転生もの的な世界観だね」
転「あー、なるほど」
生前も割と嗜んでいたジャンルだったのでなじみが深かった。
転「それじゃあ少し考える時間もらってもいいですか?」
サ「いいよー、待ってる間適当に注文したもの食べてるから」
そう言って彼女はテーブルに置いてある呼び出しボタンを押した。
‥‥‥十分後。
転「よし、決めました」
サ「んー、決まったー?」
考えてる間、彼女はカレーうどんを注文し、ちょいちょい汁を飛ばしながら食べていた。
転「はい、僕が欲しい能力はあらゆる物を換金して僕のいた世界の物を購入して取り寄せる能力です」
サ「おー、割とポピュラーな能力だねー」
転「正直向こうの世界の生活や食事に馴染めるかどうかわからないですし、これが無難かなって。それと敵を感知できるスキルとか身を守れるスキルとかもらえませんか?」
サ「確かに転生した先ですぐに死なれてもこっちが困るしね、いいよーそれらのスキルも付与しとこう」
転「ありがとうございます」
サ「それじゃあそろそろ転生いっときますか」
そういうと彼女は僕のほうに手をかざす。
すると徐々に僕の周囲が淡く発光していく。
遂に異世界に行くのかとわくわくと緊張の入り混じった感情でいると不意に彼女のほうからアニソンのような着信音が聞こえてきた。
サ「あ、ごめんごめん。ちょっとまってもらっていい?」
転「あっはい、どうぞ」
サ「はいもしもしサタンです、あっ女神様お疲れ様です」
どうやら電話の相手は女神様らしい。
サ「はい、はい、今ちょうど取り掛かろうと‥‥‥え!?いやちょっと待ってください!今回は本当に!は!?わたしが直接!?無理ですよ!わたしにはカフェの仕事が!‥‥‥他の奴に任せろって、そんなの出来るわけないじゃないですか!!」
なんか雲行きが怪しくなってきた。
サ「ですからその件は!‥‥‥ってあれ?わたしの手どんどん光って‥‥‥。」
サ「わー!!!まってまってまって!!!!マジムリ!行きたくない!!タスケっ‥‥‥」
切実な懇願の途中で目の前にいた彼女は眩く光ったかと思うと忽然と目の前からいなくなっていた。
転「僕の異世界ライフは?‥‥‥」
一人になったテーブル席で僕はポツリとつぶやいた。




