行と列のタイルSheet2:エクセルの限界
自力で謎を解きたい方は、読むのを後回しでお願いします。(半分くらいネタバレになってます)
「そうそれ、パイ!エクセルにも関数がある、パイ関数!」
エルはそういうと、一つのセルに関数を打ち込んだ。
=PI()
セルに出たのは、
3.14159265358979
「円周率!」「π!」
同時に声を発するアキラと育美。
「そうか、この"パイ100コ"っていうのは円周率の小数点以下100桁か」
アキラが言う。
「じゃあ次に"5個ずつ分けて"とあるから、セルに5桁ずつ入れましょうよ。」
育美の提案に従うのかと思いきや、エルは手を動かさない。
「エル、ほら関数で何文字目から何文字取り出すとかってやつ、何だっけ?」
アキラが促す。
「MID関数ですか、使えません」
入ってきた時の興奮してた様子とは様変わりして、スンとした佇まいのエル。
「PI関数で扱えるのは小数点以下14桁まで。というかエクセルのセル一つに入れられる数値は15桁がマックスです」
「えぇ…たったの15桁?」
アキラは意外だった。育美も同様だ。
「PI関数を使わない別の方法なら試せます。育美さん、πの小数点以下100桁を調べてもらえますか?」
エルはPCを育美に託した。
日本語のサイトなら育美が検索した方が速いからだ。
「あったよ、エルさん」
育美がPCを回して見せる。
3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 50288 41971 69399 37510 58209 74944 59230 78164 06286 20899 86280 34825 34211 70679
「都合がいい事に5桁ずつでスペース入ってるね」
「じゃあこれをセルにコピペしてさっきの関数で…」
アキラが言い終わらない内にエルが
「いえ、テキストエディタでスペースを改行に"オキカエ"した方が早いです。それからコピペすればセル毎に入ります」
アキラは「お、おう」と言い、言われた通り従った。
"置換"は"チカン"なんだけどなぁ…と思いつつ、いや"オキカエ"でもいいんだっけかと分からなくなっていた。
今グッさんが居たら、"チカン"に掛けて十中八九くだらないダジャレを言っただろう。
それだけはハッキリしていた。