第52話 スザク道中
オルクス様達と別れて小一時間ほど、私とグリンはファルコの痕跡を探すため、森の中にいた。
「ね、ねぇグリン、こっちであってるよね?」
「姉さん!何言ってんだ合ってるに決まってますよ、あっしを信じてください!」
そう言って自信ありげにグリンは歩いていった。
いやいや気持ちはありがたいよ、でもねグリン……もうそれ2回目なんだわ。
グリンはさっきも同じ事を言って、姉さんすいません、やっぱり違うみたいっすと言っていた。
いい加減にしてくれないと置いていく事も視野に入れないといけない。
そうするとせっかくお供をつけてくれたオルクス様の気持ちが可哀想になる。
ならいっそのことこいつを殺せば….やめましょう、こいつも私もオルクス様から産まれた者、いわば姉弟みたいなものだし。
仲良くしないと。
「姉さん!見てください、カエルがいました」
そう言ってグリンは生きたカエルをそのまま口の中へ放り込んだ。
「ぼりぼり、あ、姉さんすいません!姉さんの分も探しますね」
「いやいいから、早く手掛かりを探してね」
うん、こいつとは絶対姉弟にはなれないわ。
てかなんで今カエルを食べるんだこいつは。
せめて痕跡を見つけてから食べてよ。
「姉さん!ついに見つけました痕跡です、これでファルコの兄貴を追えますよ」
「おお!よくやったよグリン、それでファルコはどこにいるの?」
「すいやせん、まだ場所まではわかりませんが、おそらく怪我してますねこれは」
「何故そう思うの?」
「……それは、これを見つけたからですよ」
そう言ってグリンは血のついた一本の羽を取り出した。
血痕の量が多いな。
「それは本当にファルコの血なの?」
「ええそうです、これはファルコの兄貴の血ですぜ」
羽の半分に血がついている、おそらく何かと戦ってついた血なのかもしれない。
……もしかして、魔族?いやファルコがそんなただの魔族で傷は負わない、7獄の魔人か。
だとしたら急がないと。
「グリン急いで、早くファルコの元へ行かなくてはいけない」
「わっかりましたー、姉さん超特急で行きましょうや」
そうしてグリンは猛スピードで進み始めた。
待っててねファルコ、今すぐ加勢に行くから。
そのまま森を抜けると大きな草原に出た。
「姉さんすいません」
「どうしたのグリン」
「痕跡を見失いました……」
「はぁ、もういいよグリン」
「え?」
「アビリティ発動、変幻鳥化!」
アビリティー変幻鳥化、消費魔力2500、これは私を普段の人間の姿から元の朱雀へと変えることのできるアビリティである。
『ファサ』
「き、綺麗っすね姉さん!」
「ありがと、さぁ捕まってグリン、一気に空から探すよ」
そう言って私は、グリンを連れて空へと飛び立った。




