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僕の灰色歴史 1  作者: 六嶋 汐
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はじまりは黒


ファンタジーあり、恋愛あり、学園あり、コメディーありの作品です。

一気に楽しみたい! という方、どうぞ!


*血とか少し出てくるシーンがあるので、苦手な方は気を付けてください。

プロローグ『こことは違う場所で』


 やーっと、やーっと、やーっっっと帰れたのねぇ。あいつ。

時間かかりすぎなのよ。でも成長出来たならよし。ほぼ強制だったけれど、それが今後に生かされるかで意味をなすのだから、過程に脳みそは使わないでおきましょうよ。

 それにしても、なーんか悔しいわね。見ていて面白いところはあったけれど、得たものと言えば、一粒の娯楽に過ぎませんもの。逆に言うなら、暇を1デシリットルほど消化できた、になるわ。わお、義務教育が終わってから初めて使ったわ。今のカタカナ。そういえば、義務教育なんて受けてなかったわ。もう、私ったらうっかりさん。

 さておき、こういうのって母親の気持ちってやつかしら。あ、今男性を除外してしまったわ。ここは、『両親の気持ち』に直しておきましょう。消し消し。

まあ、私は母になったことがないゆえ、断言できないのだけれど。あ、ちなみに父にもなったことないわ。当たり前でしょう。私は女に生まれてよかったと思っているもの。トイレの壁の色をを赤から青に変えるお金も持ち合わせていませんの。……貧乏違うわよ。

 脱線しすぎたわね。そう怒らないでよ、謝るから。(反省はしないけどな! ふはっはー!)

 いやーでも、ずいぶんと男前になったじゃない。私の恋心を求めるには身長が足りないけど。

ともあれ、さあ行ってらっしゃい。というか、帰りなさい。

 もともとここは、あなたの望んだ世界とかけ離れているのだから。今回は勝手だけど、助けただけ。次は無いと思いなさい。

命は大切にねってみんな言っているでしょう? 少しは周りと合わせなさい。

あんたみたいなヤツは、個人を爆発させようとするからこうなるのよ。勉強になったわね。

 手は蝿を追い払うようなしぐさをしているけれど、口端が少し上がってしまうわ。言うことを聞かないの。

 でもあなたには見えていないのでしょうから、のーぷろぶれむね。今の発音良くない?

 私の仕事は終わったわ。あなたの汚い歴史を、灰色にペンキ塗りしてやったの。いい仕事……といえるのかしら。あなたの評価に任せましょう。

 せいぜい、楽しく生きるといいわね。



1『原因は屋上で』


 折れた。

いや、別に脚が折れたとか、そういう生生しいものではない。

ノートにがりがりこすり付けていたシャープペンシルの芯が、こうぽきっといっただけである。筆圧が強すぎたか。猛省、するわけもなく、僕は舌を鳴らして芯をにょきっとさせた。

 しかし、先ほどの『ぽきっ』で集中力は地平線の彼方へと行「ぽきっ」「だああああ!!」銀河の彼方へレベルアップした。

なぜ、こう何回も折れるかね。そんなに折れてばかりじゃ、欲しいものも手に入らないぞ。僕みたいに。

「…………はっはー」

自爆です。

「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーっちいな」

暑さの規模を声で表そうとしたけど、僕の肺はそんなに大きくなかった。

 ていうか、ちょ、「っは! ごほっ、っふ…………っ、ぅえ」超ほこりが入って喘いだ。

 まあ、こんなところにいる僕が悪い、に8割ぐらい票が集まるんだけどね、きっと。

ここは準備室……? あれ、特別室だっけ? どっちでもいいか。なんか、それっぽい部屋を想像してくれ。

 ほら、学校に一つ二つはある、あまり使われてない部屋。旧校舎でも可。なんか蜘蛛の巣はってそうなのに、そうでもなく、でもやっぱり汚い部屋。

 僕がここにいる理由? そんなのやっぱり、授業がつまんないからだよ。

 先生、言ってる意味が分っかりーませーん! ていうかむしろ、地球語だった? 今の?! みたいなね。

 大胆に馬鹿です宣言してるけど、理由はほかにもあるよ。盛りだくさんだよ、もう。

 クラスのやつへの妬み。

 いい子面してるやつとか、見ていてわかるからイライラする。性格がセコイやつとかも、正しいはずなのにこっちが損してるみたいで、腹が煮える。『ゆでたまご作れんじゃねえの、僕の腹で』てくらいお湯沸く。いっそのこと、理科準備室に忍び込んで、沸騰石とか呑んでやろうか。激しい沸騰を防ぎますーって中学生の教科書に載ってた気がするし。良い子も悪い子も普通の子も真似すんなよ。人体には効かないさ。人生そう甘くないぜ!

 ノートに何書いてたかって? あー……あれだよ、死神のノート的な。秋葉のベンチ座って昼間からニュースとか見ては『削除!』みたいな。

 あの話、いいよなーとか思う。僕のライフ半分やるから、あのすごいやつくれよ、とか思う。

 あ、わかんない人はすっ飛ばしていいから。むしろ正解だから。

「うざい」

主にほこりとかシャーペンとか汗とか、授業とか。

 場所替えよーということで、僕はだらだらと立ち上がった。伸ばしっぱなしの髪の毛を目の端に眺めながら、ほこり部屋を出る。先生の語りを廊下の奥に聞き、知らん顔で階段に足を乗せる。

 ノートを置いてきたことに気付いたけど、そのまま進む。どうせ誰も入らないし、いいかなって。

 これ以上いけないところまで上ってから、屋上の扉の前に立った。

「……あ」鍵どーするよ。

ドアノブをひねってみる。人様の言うことを聞かない。鍵は役目を成しているが、ドアは開くものではないのか。

「まーじかよー」

間延びした台詞とともに、暑さと二酸化炭素とライフポイントを垂れ流す。無駄足じゃねーか、畜生。

 うなだれてみる。そのまま冷たい床に腰を下ろしてみる。視野が下りたことで、水色の何かが僕の瞳にこんにちわした。これって……。

「バケツ……」

中にモップとか、雑巾とかも入ってる。……あ、まさか。

膝で歩きながら、それに近寄って、少しあさってみる。お、あった。

 『屋上』と書かれた赤いプレートがぶら下がった、銀色の個体。学校の人間クリーナーさんが、一時的に置いておいたものだろうと考える。見たところ、ほうきがあるのにちりとりが無いから、それを取りにでも戻ったんじゃないだろうか。うし、推理ばっちし!

 そんな都合が僕と屋上をめぐり合わせてくれたんだ! ありがとう、掃除のおばさん! と、生まれて初めて主事さんに感謝の念を抱いた。一秒足らずで忘れた。つーか、ちりとりくらい忘れんなよ。

 というわけで、僕は先ほどの部屋よりは気圧の低い空間へと、勝手に侵入した。

「おーおーおー」

割と涼しい。いい仕事してるな、風君。

 フェンスのほうへと向かう。小さい世界を見下ろしたくて。

 普段は生徒が入れないようになっている屋上は、安全な作りが不十分だ。だから、さほど筋力の無い僕ですら、こうやってフェンスの外に身を乗り出せる。

「は、ぁあ」

口を開けたら、以外にも乾いた空気が口に入ってきた。夏なのに。

じめじめしているのは、校舎の中だけのようだ。見下ろした校庭では、同じ服着た小っちゃい生き物が、歪な列を作って、酸素運動に勤しんでいた。一年生……かな。ちなみに僕は中学二年。

 よくあんなつまんねーことに参加できるなーと、感心する、じゃなくて嘲る。……馬鹿みたいだ。

 先生の目を気にして、世間の目を気にして、麻痺して。そのくせに、普通だよとか言う。損しすぎなのに、なんで僕が同情されるんだ。僕が頭おかしいみたいじゃないか。あー、実際そうかもねー!

「死ぬ、とか」

そういうのとか、いいかなって、思ったりね。しちゃうわけですよ、やっぱりさ。

 校庭の隅っこで見学していた生徒が、僕に気付いたらしい。こっちを指さして、熱血てぃーちゃーになにか言ってる。くそう、よけいな真似を、と憤慨。なーんてね。

「……あ、なんか」

ちょうどいいかも。

 さっきよりも大きく身を乗り出す。

 手で体重を支えながら、脚をばたつかせないようにして、ゆっくり。

 熱いものが手の付け根に集まって、喉の近くがひゅーと音をたてた。気持ちいい。

 あと、ちょっとだけ。もうちょっ「ぁっ?」急に突風が吹いた。

 情けない声と共に、体が一気に地球の重力を感じとる。フェンスをつかもうと足掻いたけど、指先は冷たい金属にはじかれて。

理解したときにはもう、風を切ってて、さっきまでいた場所が、すごく遠かった。

 なんで。 

 まだ。

 だって、そういうのじゃないのに。僕が望んだのは。

 ……あ、だめだ。

 後悔する暇くらい、与えてくれてもいいじゃないかと、信じてもいない神様を呪った。



2『根本はここで』


 僕、本当は中二病でした。強がってただけなんです。ホントは、わかってたのに、認めたくなかったんです。

怖くて嘘しかつけなくて、自分も嘘で塗り固めて。周りはあきれ顔だったのに、気取ってたんです。比べてたんです。こだわってたのは、僕のほうだったんです。ごめんなさい。あのときだって、本当にあんなつもりはなくて。だけど、やっぱり、憧れとか、そーいうのあって。子供でした。わかってます。わかりたくなかっただけです。甘えてました。都合のいい方に考えてたんです。ネガティブだから。その原因作ってるのも僕だから。……でも、そしたら、何も無いじゃないですか。鼓動してるだけで。意味とか、名誉とか、意義とか。そういうの、ホントはどーでもいいって知ってる。だけど、それを使わないと、僕は。間違った方向でもいいから、僕を。僕を見失いたくなかった。くだらねえとか、自嘲ですよね。ダサいです。周りがかっこよすぎで。だから、やさしくされるのも、するのも、反吐が出て。どうせ負けるなら、戦わないほうがいいだろうって。無くてはならないものが僕には無いから、それを逆に武器にしてやろうって。世界をひっくり返して、内容ぺらぺらな自作の哲学披露して。持っていて、愛されていて、努力している人間を、持とうとしないで、あたりまえに愛されず、むしろ馬鹿にして、努力から逃げてる僕が嘲ってたんです。正しいことが一つもないのはわかってます。羨みです。嫉妬です。この世で一番汚い感情。何もしていない人間が、何言ってんだって。みんな笑ってたけど、下克上した気になってた。だから、反省しています。だから、お願いだから、僕を。

「……、助け、て………、くだ、さ……ぃ」

自業自得な自己嫌悪。生後最大級の懺悔。

 ここは、何なんだ。真っ暗で、何も見えない。

怖い。暗闇を、体が全力で拒否している。

 嘔吐感。

「ぃぅえ……っぇ」

胃の中には何も入っていないのか、胃液の残滓でさえ出てこない。

 だっせぇよぅと嘆く暇もない。広いのか、狭いのか、それすらもわからない。

 ……だ、れか「居ませっ、……っぁ、っひぅ、が……っぐぇ」今度は過呼吸。

 酸素が、足りなくて苦しいのか。いや、入ってきすぎて苦しいのだ。喉と口元を抑えて、悶える。

 目から水が垂れる。頬を汚す。口の中に入る。激しく噎せる。

 僕、ここで死ぬのかな、と思ってみる。思考できる余裕は戻ってきたらしい。

 ていうか、もう死んだのに。多分。

「……、ちっ……く、しょ」

超怖えよ。顔ぐしゃぐしゃだよ。頭の中も、きっと。

 耐えきれなて、恐怖に噎び泣くかもと歯を食いしばっ「っひ!?」背中に氷を滑らされたような感覚。

 目の前に細い脚。

「だ、ぁ」

軽く痙攣している体はあてにならないので、目だけ、上に向けてみた。

 少女が僕を眺めていた。

 少女、で合ってるよな。一応人間の形はしている。でも、なんか、異様な雰囲気。

だって、体中から、コンセントみたいなコードが飛び出しているし。目は、見たことない色だし。

カチューシャと呼ぶには重すぎるリングが、長い髪からのぞいている。

 心のどこかで求めていた人間に、ほっとしたのは事実だけど、僕は相変わらず天の邪鬼で、今回も再び全身で嘘をついた。

「は、はは……、な、んだよ……、お前」

それを聞いた少女は、「うっわぁ……」という表情をしたっていうかご丁寧に発音した。

「な、にが、『うわぁ』だよ……!」「『うわぁ』じゃないわよ。『うっわぁ……何こいつキモっ!』よ」

けっこう話すなお前。単語増えてるし。地味に傷つくし。

「んだよ、一人で居たのに、邪魔すんなよ」

少女は憎たらしいため息をつく。

「あーあー、あんたかなりのじゅーしょーね」

「なに、が」

「いるのよねー。しかも最近増えてるし」「だからなにが!」「中二病野郎よ」

「……はぁ? なん」「自覚症状無しと来ましたか。こーれはタチ悪いわね」

さっきまで自覚してたけど、戻って強がる。そういう生き物だから。

「つか……ここ! ど、どこだよ……」

悔しいけど、つい本心が飛び出る。僕の言葉に耳を貸そうとしなかった少女は、それを察してか、真面目に答えた。

「あんたの望んだ世界よ。どお? 忠実に再現してみましたー。いーかんじよねーあんたもせんすありありー」

棒読みにもほどがあると思わないか? そこの君。

 ていうか、今の聞き捨てならないぞ。

「望んだ世界って、こんな」「『一人って超楽ちんだよねー』『暗闇とか落ち着くわー』」「っぇ!?」

「あんたがつぶやいてたのよ」

こ、いつ、ツイッターのそのまま……。

「ぁんで、お前が僕の知って」「うっわぁっ……まさかの僕っこでしたよ。無いわー、あんたに限ってそれだけは無いわー」

腹が煮えたぎる。

なんで、こんな世界でそんな余裕あるんだよ。こういう場面で程、僕が上に立てるシチュエーションなのに。

 この状況で、得意げにぺらぺら語るのは、お前じゃない、僕だ。

 なのに。

「中二病ってさー」「黙れよ!!!!!」少女に掴みかかる。

殴りはしないけど、脅す。

「意味不明なこと語ってんじゃねえぞガキが!」

「……ガキはあんたでしょ」

は? なにこいつ冷めた目で見下しやがって。

「ああ!?」

ぶちっ。

腹が千切れた。激痛と共に、金属がさらにへその上に入れ込まれる。

唯一出ていくのは、とろみのある液体と、小さいうめき声。

「ぃっ、ぁぅあ、ぎ」「手をどけなさいよ」

僕の返り血を服に付着させながら、少女はうっとうしそうに僕の手をはがした。

 腹で熱を帯びていたものが乱暴に引き抜かれる。再びの激痛に、素直にわめく。

僕の肉片を携えながら腹から抜けてきたそれは、少女の腰へとつながるコンセントだった。白いそれが、赤黒く染まり、ぬっぺりとした光沢をまとっている。不気味に見えて、すぐ目をそらした。

「あー、汚れちゃったじゃないの」

誰のせいだと言いたくなったけど、腹をけられたので「いぃぎぁあぁああ!!」としか発せなかった。無念。

自分の服で、コンセントを拭いながら、時折り僕を踏んだりして、文句を垂れる少女。服は汚れていいんだぁぁあぐぃあぎぇ!!!

「何それ、言葉くらいちゃんと喋りなさいよ」だから誰のせいだと。

でも、蹴られたくないので従う。

「ご、めん」「何よ」「服、とか汚、して」

「………………」 

満足したのか、鼻を鳴らす少女。

「じゃあ、こっちも刺してごめんね」いやそれ、それで済むのか。

「…………、……い、いよ」

こんな、腹からどくどくさせながらの仲直りなんて初めてだ。

でもまあ、おとなしく言うこと聞いておくべきだ。まぢで!!(ギャル風に言ってみた)

「ちょっ、あぇ、やめっ」

少女がつかつかと歩み寄って来て、腹を探り出した。また刺す!? どんだけ短気なんだよこいつ!

あわてて防御に努めようとしたけど、動きが鈍っていて、見たらもう少女が傷口に4本とも指を突っ込んでいた。

声にもならない激痛。さらに中で爪をくいこませて捻ろうとしてるってちょい待、おま……。

 襲いかかるであろう痛みに備えて歯を食いしばったけど、逆に痛みが引いた。少女が離れる。

 腹を見たら、べたべたと赤く染まっているだけで、傷口は塞がっていた。

「……4本入れる必要あった……?」

「別に。むしろ何も入れないでもできるけど」

おい。

 なんか、ぶつける場所のない怒りがこみ上げる。

いや、ぶつけるべき対象の確認はばっちぐーなのだが、こう、また、ぐちゅっとされても困るし。

だから、黙っていよう。うん。

 なんだろう、この、女系家族のお父さんの気持ち? これ。女が強いみたいな。

 涙が出そうになるのを必死でこらえていると、少女が口を開いた。

「でも、結局はあんた死んじゃってるんだけどね」「え」

あ、やっぱり。でも、心のどこかで、またなんとかなるだろうって期待していた自分がいた。

 だから、落ちると、やっぱきつい。

 中二病ってやつは、一人を好むくせに、実はぼっちなだけで、でもそれを逆手にとったようにかっこつけて、見せびらかしてる生き物。それが、呼吸みたいになっている生き物。

 だけど、呼吸するのに酸素が必要なように、僕だって必要なものがあって。

 一匹オオカミ気取ってるくせに、ほんとはうさぎより寂しがりやで、人に注目されてないといけない。

 だから、人の注目があきれ顔だって気付きそうになると、さらに違った注目を求めて、行動する。他人と違う行動をすれば、かっこいい。そういう意味のない式を立てて、だから、あの時僕は教室を抜け出したんだ。

 でも、この世界は、注目もしてくれない、僕がすぐに気付いてしまう表情しか見せないこいつしかいない。

 僕みたいな中二病にとっては、酸素が無いのと一緒なんだ。

 馬鹿にして、嫌って、嘲笑ってた対象が僕の大好きな酸素。

 ここには、無い。呼吸できない。だから、生きれない。

 なくなればいいと思っていた、世界。僕は、そこでしか呼吸が出来ない生き物だったのに。ほんとは世界が大好きで、依存しまくりだったのに。大切さまでも、見失ってた。正しくない形でも、愛してられた世界から、自業自得に足を離した。

 やっぱり、自爆だ。

「ど、うしよう、なぁ……」

声が震えていた。

「なによ。あんた生きたいの?」

「…………」

どうなんだろう。

「人様に迷惑かけないヒーローごっこなら、まだ可愛かったのよ。なのに、あんたは自殺ごっこがごっこじゃなくなった。意図しない形でも、油断したの」

そう、だから死んだ。

だけど。生まれちゃったから、「死ぬのが怖くなる」のは当たり前で。「ああそう」

 どうでもよさげな少女の声。うなだれる。これなら地獄でも行きゃよかったんだ。……あーいや、ここが地獄か。

「地獄と違うわよ」「エスパーかこいつは」

「ここは、地獄の前に置いてある滑り止め。よかったわね、張り付いて」

「でも、地獄と大差ないだろ」

「中二病治すって気があるなら、人生続きからプレイ出来るけど?」

「…………まじで」「私が嘘ついたことがあると言いたいのかしら?」

「……出会って間もねえし、嘘つくほど話してねえよ」

ていうか、それを早く言えよ。僕、刺され損じゃないか。

「中二病、治せたら、帰れる?」「だからそう言ってるじゃない」

僕にでも、チャンスというものが回って来るなんて。

よーし、決めた。

「じゃ、帰る」

大好きな世界と自分のために。





 

 




読んでいただき、ありがとうございました!

中途半端な終わりだったと思いますが、これから、主人公は生徒会に入ろうとしたり、彼女を作ろうとしたり頑張るので、よかったら見てください。


ありがとうございました。

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