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カラーレスダイオプサイド

挿絵(By みてみん)

0.27ct

ケニア産

挿絵(By みてみん)

長波蛍光

挿絵(By みてみん)

短波蛍光


Diopside

ダイオプサイド

和名:透輝石,(トウキセキ)

硬度:5.5~6.5

分類/グループ:珪酸塩鉱物(イノ珪酸塩)/パイロキシングループ

晶系/産状:単斜晶系/柱状、双晶、板状、繊維状集合塊など

化学組成:CaMgSi2O6

劈開:2方向に明瞭

比重:3.22~3.40

屈折率:1.664~1.730

副屈折率:0.024~0.030

分散度:0.017~0.020

蛍光(通常認識):稀にあり

長波蛍光:緑、オレンジ、紫、黄など

短波蛍光:青白(地色緑色石は確認しにくい場合あり)

条痕:白

主な色:緑、黄、黒、茶、淡い紫、青、稀に無色など

多色性:3色性(薄緑:黄緑:濃い緑)

発見年:1800年頃(詳細不明)

登録年:1802年

発見地:Ala Valley, Lanzo Valleys, Metropolitan City of Turin, Piedmont, Italy


一般的にはクロムダイオプサイドの表記の緑が目を惹く石と

十字の(4条)スターのある真っ黒不透明の物が多く流通しており、

特にブラックの物はダイオプサイドという名称なしに

ただブラックスターとついている場合もありあまり知名度の高い石ではない。


1802年にアウイ博士(Rene Just Haüy)が非常に強いダブリングがあったことから

ギリシア語の「di(=2つ)」(δις)と「opsis(=見え方)」(όψις)から命名していますが、

この鉱物の発見者はアウイ博士ではなく、アンドラダイトガーネットの名の由来にもなった、ブラジルの学者アンドラダ(José Bonifácio de Andrada e Silva)が発見したそうです。


ここで非常に面白い事で基本的に現在の鉱物の命名ルールに

接尾語として石という意味の「ite」を付けることが多い為、多くの石がアイト・ライト・ダイトなど最後イトで終わるが多いのですがこのダイオプサイドはなぜか「ide」。

このideというのは現在化合物の〇〇化物というのを表す接尾語として使用されており、多くの方が〇〇イドというのは聞きなれた物でしょう。軽く例をあげるとフラボノイドや元素にもあるようなランタノイドなど多く使用されています。

そんなideがつけられた非金属鉱物はこのダイオプサイドとSarcopside(紅燐石)の2種のみであり、金属鉱物でもRhodarsenide(砒ロジウム鉱)やTantalcarbide(炭化タンタル鉱)など数種のみと鉱物界隈全体で非常に珍しいものとなります。(石友Sさん調べ)

ここで著者も勘違いしていたのですが、この化物のideがあったために引っ張られていたのですが、そもそもダイオプサイドの命名年の1800年頃には明確な鉱物命名規則がなく、接尾語や接頭語ルールがない為自由につけることが可能で、同時期アウイ博士が命名した物だけで言ってもユークレース、アナテースなど末尾aseやアンフィボールのような物もあり命名者が同じ場合は似たような癖があることもありますが、基本的にかなり自由につけることが可能でした。

改称した物もありよく知る物で言うとコベリン(銅藍)は現在コベライトに改称していたり、命名の後に改称で名前が変わった物も多くそのあたりは私の記事を読んでいる方は過去出た例を参照ください。

ちなみにサーコプサイドにopsaideが付いたのはダイオプサイドという前例があったために、同じ接尾語として使用したという経緯があったようです。

そんな時期に命名されたものだから非常に珍しい末尾ideで終わる鉱物となっています。


話を戻してそんなダイオプサイドも純粋な物は無色になるのですが、非常に珍しいカラーとなり滅多に見ることが出来ない物になり、なおかつそんなカラーレスも大半がケニア産という状況。

一般的に出回る物は最初にも書いたようにベルリンの壁崩壊後に巨大鉱床があったロシア産のクロムダイオプサイドが大量に輸出されていたり、前述したダイオプサイドという聞きなれない石だった為にかブラックスターとだけ表記されたインド産、淡い黄緑のタンザニア産、昨今開発が著しいアフガニスタン産などがルースとしては多く流通しています。

またマンガン含有によりスミレ色というような青紫の物がアメリカやイタリアから発見されておりこちらには別名としてバイオレーンまたはビオラン(Violane)という名称がついている物があったり、クロムではなくバナジウム含有で緑になっているものにラブロバイト(Lavrovite)とついたものも存在。


種別としては分類に書いているようにパイロキシン(輝石)グループに属しているのですが、その中でもクリノパイロキシン(単斜輝石)サブルグープに入っており、近縁の仲間にはおよそ20種と多くの種類が属しており、聞きなれた物だけ列挙するとジェダイト(本翡翠)、スポジュメン、コスモクロア、エジリン、エンスタタイト、ロードナイトなどがあります。


輝石グループの中では最も一般的な物であるため、非常に多くの産地があり世界各地で発見されています。中でもルースにもなるような有名産地を列挙するとロシア、パキスタン、イタリア、ミャンマー、アメリカ、ケニア、インドなどがあります。

また日本でも多く発見されており愛知、秋田、愛媛、福井、福岡、福島、岐阜、北海道、兵庫、茨木、岩手、鹿児島、神奈川、高知、熊本、京都、三重、宮崎、長野、長崎、新潟、大分、岡山、大阪、佐賀、埼玉、島根、静岡、鳥取、山形、山梨、山口と全国各地で発見報告があります。

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