↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/210

歩みを進める ギン

「・・・ただ・・・

 それよりも先に、ウルシの為に『墓』を立ててあげたいんです。」


「そうだね、貴族や王族へは、私が報告するよ。

 ウルシ君は、多くの人々から愛されていたからね。きっと彼らが、ウルシ君の為に立派な墓を手配して

 くれる。

 あと・・・あの小屋は残しておいてあげよう。主を失っても、あの小屋でウルシ君は懸命に励んでいた

 事実に変わりはない。

 ウルシ君の生きていた証を、どんなに小さくてもいいから残しておいてあげよう。」


俺は自分の懐からハンカチを取り出すと、川の水を染み込ませ、コンのベタベタした顔を拭いてあげた。

その冷たさに少し震えるコンの体を、俺は静かに抱き寄せた。コンの体は、ありえないくらい冷たくなっていた。

吹き当たる風が徐々に冷たくなり、既に空が黒く染まっている。いよいよ本気で王都まで急がないと、大変な事になりそうだ。

野宿なんてできる気力もない現状、今はすぐにでも王都へと急ごう。そして、冷え切ったコンの体を温めてあげなくては・・・!!


「・・・コン、ごめんよ・・・

 こんな頼りない兄ちゃんで・・・」


「今はそんな事呟いている場合じゃない、急げ。」


先程までの動揺が嘘の様に消え、馬車と同じ勢いで荷車は荒れた道を走る。荷車が壊れそうな勢いだったけど、壊れてもこの際構わない。

荷台の上に乗せているコンが心配ではあるが、兵士長が抱えてくれているから大丈夫だろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。