帰路の途中にて ギン
ガクンッ
パァァァン!!!
「いい加減にしろ!!!」
突然、水浸しになっている俺の肩を引っ張り、後ろへ振り返ったと思ったら、今度は右頬に衝撃が走り、そのまま俺は滑る様に地面へ倒れた。
この一瞬で何が起こったのかよく分からず、顔を上げると、そこには哀しげな表情を浮かべる、兵士長の姿が。
兵士長は、ヅカヅカと俺の側へ歩み寄り、そのまま胸ぐらを掴んできた。
これ程まで激昂している兵士長を見るのは初めてだ。俺がまだ兵士にすらなっていない頃、訓練兵を叱っている姿は度々見ていた。
・・・が、今回のはソレと比にならない。それくらい、俺に向けられる目線の奥には、さまざまな想いが籠っていた。
兵士長の瞳の中には、怒りや悲しみに混じり、『申し訳なさ』と『責任感』が感じ取れる。
それは俺も抱いている感情の筈なのに、何故か自分とは違う事が何となく分かった。
だがその違いは、兵士長の言葉を聞いて、すぐ分かってしまう。
「いつまで落ち込んでいるんだ!!!
いつまで悲しんでいるんだ!!!
いつまでやり場のない怒りを抱えているんだ!!!」
「・・・兵士長・・・」
「・・・お前の気持ちは痛いくらい分かる。私もまだ、現状を飲み込めきれていない。
だがな、我々がいつまでも立ち止まっているままでは、妹であるコンが一番辛くなる事が、お前には分
からいのか?!!
今彼女に必要なのは、『時間』と『支え人』だ!!!」
これは 苦渋の行動なのかもしれない
だがこのままでは いつまでも辛いだけ
ならいっその事 自分が『鬼』にでもなって ギンの意識を正常に戻す
例え嫌われてもいいから 今はとにかく前へ進まないといけない
それを教えてくれたのは たった一人で未知のモンスターに立ち向かった コンであった




