第十六章 異質なモンスターの正体
・・・しかし、今は違う。何故自分は、今まで外奈の事を全く考えなかったのか、疑問に感じる程。
私の顔を見た外奈は、前世の世界でも見た事がない程、満面の笑みを浮かべている。
しかしその目に光はあらず、まるで獲物に狙いを定める肉食動物の目・・・・・いや、私を散々振り回した、あのいじめっ子達にも似ている目だった。
元々彼は前髪が長く、目を直接見る事は全くなかったけれど、その目は明らかに、おかしい上に危険であった。
「あの時は本当に申し訳なかったと思ってるよ、本当さ。だからこそ、また君に会う為に、僕もあの『腐
りきった世界』と絶縁したんだから。」
「・・・じゃあまさか・・・あんたも・・・?!!」
外奈は、照れながら自分の首元を私に見せる。そこには確かに、『縄の跡』があった。
それを見た私は、絶句するしかない。
何故彼が、その跡を誇らしげに見せびらかすのか、まるで自ら命を絶った事が、名誉として感じているかの様な表情。
「それにね、僕は君の代わりに、『復讐』しているんだから。紺も嬉しいよね?」
「・・・『復讐』・・・・・???」
さっきから、彼の言っている事が全く理解できない。
言語がどうこうの問題ではない、もはや彼は、『人間ではない』考え方をしているとしか思えないのだ。
外国の人とコミニュケーションを取るのも相当至難だけど、私と外奈は、同じ言語を話しているにも関わらず、こんなにも意思疎通ができないなんて、一周回って笑えてしまう。
外奈の浮かべる不敵な笑みの奥に、どす黒い感情がグチャグチャに詰め込まれている。彼の言動は、その片鱗に過ぎないのかもしれない。
・・・・・だが、次に外奈が発した発言で、その片鱗は、まだまだマシなものである事が分かってしまった。




