第十三章 救出完了
「・・・貴女、コンさん?」
兵士さんの一人と、どうしようか相談していると、家の奥から声が聞こえた。その声は、しわがれた老婆の声。
その声を聞いた途端、私はハッとした。
この村には、お義父さんの『指導者』がいた。その話から計算すると、お義父さんの『指導者』は今・・・
「・・・もしかして、お義父さ・・・・・陛下の『指導者』であった・・・」
「そうよ。」
家の内側から、少しずつ壁にしていた家具がどかされ、そこから出て来たのは、杖をついたおばあちゃん。
しかし、その雰囲気からでも、知的なオーラが滲み出ているのが分かる。
そして、そのおばあちゃんを守る様に、十数人の子供達がおばあちゃんの周囲を囲んでいた。その光景を見た私は、ようやく一安心する。
「貴女の事は、女王陛下からの手紙で知ったの。『可愛い娘ができて嬉しい』って書いてあったから、是
非私も見てみたいと思ったの。
でも、もうこの体では会えないだろうと・・・」
「・・・なら、良かったです!」
おばあちゃんは、優しい笑みを浮かべていた。
私、おばあちゃんからこんなに親切にしてもらった記憶がないから、嬉しさに混じって得した気分にもなる。
前世でも、父方母方の祖父母には一度も会っていない。そんなの絶対におかしいとは思ったけど、両親がどちらも実家に無関心だった。
この人達は、何もかもに関心がなくて、むしろ納得できてしまう心境にまで達していた覚えがある。
それに、両親はご近所付き合いもロクにできなかったせいで、娘である私への風当たりも厳しかった。
私を見る度に、コソコソと陰で話し込むおばさん達までいる始末。
せめて私は、両親のようにはなりたくない・・・と思っても、周りが『蛙の子は蛙』風潮だったから、私まで『人付き合いが悪い子』『集団行動が出来ない子』なんてレッテルを貼られた。
いっその事、自分を誰も知らない場所へ行けば、自分の人生は変わるかもしれない・・・と思っていたら、まさか転生してその野望が実現するなんて、思ってもいなかったんだけどねー・・・
「じゃあ、私達はもうちょっと村の中を見て周りますので、貴女達は王都行きの馬車に乗ってくださ
い。
・・・あ、あとその時には陛下に・・・」
「えぇ、分かっているわ。貴女は優しいのね、『彼女』の言う通りだったわ。
気をつけてね、私達は王都で待っているから。」
そう言いながら、おばあちゃんは周りにいる子供達と一緒に手を振ってくれた。
てっきり子供から怖がられてしまうと思っていたけど、まるでステージから去るアイドル並みに名残惜しまれている気がする・・・
・・・多分、『彼女』というのは、お義母さんの事なんだろうな。
これでようやく 陛下達の不安が完全に消えてくれる
そう思ったコンは 胸を張って兄達を探す




