第十章 救助に出発
私と同じく名乗りを上げてくれたウルシ君。ウルシ君はちょっと心配ではあったけど、彼もまた、私が心配なんだ。
私とウルシ君の提案を、お義父さんとお義母さんは渋々飲んでくれた。OKが出たと同時に、私とウルシ君は各々の部屋で準備を始める。
最近は稽古ばかりで全然〈キュウビ〉を握れていなかったけど、手に持った時の感覚に懐かしさを感じるあたり、まだ体は覚えているみたいだ。
ウルシ君はアン殿下に頼み込んで、里で作った木製の弓矢よりも、威力や使い勝手が良い、鉄製の本格的な弓矢を提供してもらった。
最初はその重さに驚いていた様子だったけど、村に向かう間に弓を何度も何度も引いて、準備を整えていた。
私とウルシ君の護衛も兼ねて、兄とバカラさんも向かう事に。私は兄の馬に、ウルシ君はバカラさんの馬に乗せてもらい、早急に村まで向かう。
馬に直接乗るのは初めてだったけど、兄が上手く馬を操作してくれるおかげで、振り落とされずに済んだ。
ウルシ君も、頑張ってバカラさんの背中をしっかり掴んでいた。やっぱり馬車より揺れが大きく、若干頭がグワングワンしてしまう。
でも馬の力強い生命力を直で感じる事ができるから、これはこれで楽しい。・・・なんて考えてる場合ではないんだけど。
それにしても、兄が乗馬までできるなんて知らなかったから、正直びっくりしている。
こうゆうのも、やっぱり兵士になる為の訓練で覚えるのかな?
〈人獣〉が動物である馬に乗るって・・・よくよく考えるとちょっとおかしな話ではあるけど、馬は私達〈人獣〉を見ても、全然警戒しなかった。
むしろ、初めて見る私の事も、しっかり支えながら走ってくれる。兄はそこまで訓練をこなさなくても、数回練習すれば合格できたらしい。
「大丈夫か? 疲れてないか?」
「大丈夫、そのままノンストップで行って!!」




