第七章 午前のひと時
「まぁ、まだ今はそんなに人が多くないよ。子供達が通っている学校が休みになると、途端に此処も人通
りが増えるからね。」
この世界には『お盆』とか『春休み』等の長期休暇はない。ただ、休みが無いだけではない。
・・・そういえば、前世の世界でも、休みは皆バラバラなのが、新しい社会の形だったな。
でもアンやお義父さんには、休みってあるものなのかな?
そんな雰囲気は無い感じだったけど・・・
今度、ヴァルにでも聞いてみようかな。
「でも子供が外で遊べるのって、良い事だと思うよ、私は。」
「そりゃ・・・まぁね。」
私とトゥーソは、店の窓から外の景色を眺める。
親のお手伝いとして、市場で声を上げている子供もいれば、母親に駄々をこねる子供の姿も。
里とは違って子供が多いから、その分賑やかに感じる。・・・そういえば、里の子供達にもそろそろ会ってあげないと、あの子達拗ねちゃうな。
「トゥーソさんには兄弟とか姉妹とかはいないの?」
「ううん、いない。コンは確か・・・お兄さんがいるんだっけ?」
「えぇ、でも私にとって、里に住んでいる子供達全員が、弟や妹みたいなものだったから。」
「へぇー・・・なんかいいなぁ。
私も今度、コンの故郷に行ってみたいな。」
「いいよ、行く時が決まったら教えるから。」
やっぱりトゥーソさんも、兄弟姉妹に憧れてるんだ。前世の私と全く同じ。
トゥーソは気前が良いから、きっと里の子供達も気にいる筈。もしかしたら、里に新たなファッションブームを引き起こす・・・かも?!
トゥーソのお店では、政の直前が1番の稼ぎ時。だから、しばらく政が行われない今の時期は暇なんだとか。
いかにも服屋さんらしいな、その仕組みは私でも分かっちゃうけど。
ただ、仕事が全く無いわけではないそうで。
服のお直しを頼まれたり、リボンやレースを付けてあげたり・・・と、細々とした作業が山積みなんだとか。
「そうゆう仕事なら普通に話しながらでもできるからね、ぶっちゃけ暇みたいなもんよ。」
「・・・凄いね・・・」
月日が流れても コンが里を思う気持ちは
全く変わらなかった
辺鄙な里に ブームを流そうとする
コンのしたたかな策略が そこにはあった・・・




