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沼地の村にて 教官は赴く(2)
「・・・ジキロさん、あの噂って本当なんですか?」
「・・・『あの噂』?」
「『人獣』っていう種族の女の子が、王室に入ったとか・・・
そもそも『人獣』なんて種族がいるのも知らなかったし、そんな出来事が本当にあるのか怪しかったの
で・・・」
「・・・あぁ、あの子は凄く良い子だよ。」
「えぇ?!
じゃあ『あの噂』って・・・」
「大方事実だ。」
やっぱり此処でも話は知れ渡ってるんだな、確かにコンさんは王都に来る前から色々な場所で活躍しているらしいから、噂が飛び交うのも無理はない。
ただ、やっぱり『種族』の問題もあって、世間に広まっている幾多もの噂の真偽は曖昧だ。
確かに、若干信じられない話ではあるが、実際アン殿下だけではなく、城に住う貴族や王族も、彼女の王室入りを認めている空気になっている。
多分、これから曖昧の海を漂っていた噂が、『嘘』と『真』に二分化されるんだろうな。それも、もう時間の問題か。
最初に『噂』が流れ 後々『事実』が流れてくる
これが 『世界の流れ』なのかもしれない
『噂』が例えでデマであったしても
人間が『噂』に食いつくのは もはや『本能』なのかもしれない




