序章4 お言葉を述べる 次期王女
そして、幕の袖に帰る私達を、大きな歓声で見送ってくれた。その直後、私は声にならない息を盛大にぶちまけながら、その場にしゃがみ込んだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」
「おいおいおい!!! コン、大丈夫か?!!」
緊張が一気に抜けると、やる気すらも全部無くなっちゃうんだな。立ち上がる事すら困難になってしまった私を、アンがヒョイっと抱き上げた。
「姉さん、すごく素敵な演説だったよ。」
「あぁ。
初めての大衆演説で、あれほど饒舌に言葉を紡げる気力は相当なものだ。」
ウルシ君もヴァルも褒めてくれたけど、正直自分自身、あの場で何を言ったのかは若干覚えていないのは何故か・・・
途切れ途切れにしか覚えられていない自分の脳が憎い。
ただ、失言等はそれほど無く、後ろにいたアン達のフォロー無く、自分自身の実力で乗り越えられた事は、及第点だな。
『新年の挨拶』の他にも、様々な政で言葉を述べなくちゃいけないのは、この国を支える地位に立った者の、逃れられない責務。
なら今度の大衆演説では、最低限の緊張で抑えつつ、会話には自分の生活エピソードも加えたり、ユーモアを交えたりするのも・・・
「コン。」
「どうしたの?
お義父さん、お義母さん。」
「・・・これからまた、よろしくな。」 「よろしくね。」
「・・・はい、精一杯頑張ります!!」
こうして、私の新たな一年が、歓迎の言葉と共に、始まりを迎えようとしていた。
新年で最初の大仕事を終えた彼女は
その後 新年一日目を満喫できる気力なんて残っておらず
そのまま城でどっぷりと深い眠りについたんだとか




