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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
北極星の竜召喚士
317/320

未来一幕:転生者三人

前話の投稿が中途半端になっていました。

19:00前に読んだ方は、一度読み直していただけると助かります。


ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

 彼ら三人(・・・・)が死んでから、20年ほどたったある日の事。


「再び、こうやって顔を会わせる事ができるとはな」

「うむ。みな、元気そうで何よりじゃな」

「ちょっと。その喋り方ジジ臭くて笑えるんですけど?」

「仕方あるまい。記憶は全て継承しておるのだからな」



 グランフィスト王国(・・)の首都、グランフィスト。

 冒険者ギルドの一角で、三人の若手冒険者が雑談をしていた。


 歳は全員同じぐらい。

 男二人に女一人の組み合わせである。


 そのうち一番若い男は『戦士』『騎士』と非魔法系ジョブであるがそれなり以上の使い手で、残る二人はどちらも『召喚士』『魔術師』と魔法系ジョブを持っているため、三人を確保しようと多くのクランが勧誘していた。



「今の名前は? あ、アタシはローナよ」

「ジョン、だ。皮肉にもな」

「儂はコクトーじゃ。東方に産まれたもんじゃから、ここまで来るのに苦労したわい」


 三人は顔見知りのようであったが、互いの名前を知らなかったために自己紹介から始める。


「ふーん。ジョンって、アンタが殺した男だっけ? すぐに生き返ったらしいけど」

「ああ。そうらしいな。騎士団長をやっている所を見ると、ずいぶん出世したらしい。おかげで俺の同年代はジョンだらけさ」


 ジョンと名乗った男は、自分の名前のルーツに苦笑をする。

 彼にしてみれば実力者であったが英雄とも呼べない程度の男と言う印象しかなく、彼からしてみれば格下でしかない。そんな彼にあやかって付けられた名前が誇らしいはずもない。

 ただ、彼が産まれる少し前にあった独立戦争ではジョンは八面六臂の活躍をしており、確かに英雄と言える働きをしていたのだが。



「どうせなら、レッドとでも名乗った方が面白かったんだけどな」


 そんな彼は、自身が知る限り最も英雄に近い男の名を上げる。

 もう一人のバランとは完全にジョブ構成が違うのでそちらは保留し、セカンドジョブが『騎士』仲間のレッドの名を英雄として挙げた。

 が、その言葉に女は心底嫌そうな顔をした。


「あのクソガキ? いやよ、アタシ。もしあんたがレッドだったら一緒になんて組まないわ。自分を殺した男と同じ名前の男と組むなんて、笑えないじゃない」

「そういえば、オヌシはあの小僧の部下に殺されたんじゃったの」

「うっさいわね! アタシの隠ぺいは完璧だったのに! それを見破れるなんてチートよ、チート!!」

「殺し殺されが戦の常だな。受け入れろ」

「殺されて納得とか、ありえないんだけど!」


 女、ローナは自分が死んだ時の事を思い出して憤慨する。

 男二人はそんなローナを宥めようとせず、むしろ笑ってからかう。何度も死を経験した彼らにしてみればこうやって生きているだけで特に問題ない話であり、こちらも殺そうとしていたのだからと恨む気持ちなど無いからだ。それに、彼ら二人に直接手を下したのは今のグランフィスト王の部下であり、レッド達ではない。いや、ジョンは一度冒険者に殺された事があったが。

 逆にローナは殺された経験はあれ一度だったので恨みを忘れず、今も思い出すたびに毒を吐いている。論理的に考えれば男どもの言葉が正しく、自身が感情的になっている事は自覚しているが、だからと言って収まるものではないのだ。



 ひとしきり毒を吐き終えたローナは、ふと思い出したように疑問を口にした。


「そういえばさ、なんであいつ、ここ(グランフィスト)を出ていったの?

 王様とは揉めてなかったんでしょ?」

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