ヒロインがゲロを吐いた作品は名作な気がする
フェイトの新作やるので投稿遅れます
「はぁ…はぁ…」
ぎりぎりの戦いだった。
俺の能力はものに対して力を加えることができるが、加えるだけで加える前からある力は無効化できない。つまりどんなに力を加えてもサクラが力に対して抵抗すれば、今の俺では力負けしてしまい、対して効果がない。
最後の最後のサクラの気の緩みが言ってしまえば、体の力が抜けていた瞬間。思いっきりに顔とかをいろんな方向に力を加えて視界をぐちゃぐちゃにしてやった。
正直、もうフラフラだ。汗が目に入りよく見えない。
試合後は拍手の音、興奮して話している声、賭けに負けて悔しがる叫び、大穴が決まって喜ぶ叫び。
様々な音が聞こえる。
肩も腕も悲鳴を上げていて足はもうフラフラだ。
サクラを吐かせる作戦、こっちも同じような動きに視線の動きをする。気を張っていても吐きそうだ。
サクラを倒すのにいろんな準備をした。
うちの家は父親が狼に獣化することから鼻が利きやすいため、うちの家には匂いの強いものがない。
そのため、肉壁には香の強いワックスや独特の匂いのする海外の土産ものの香水など貸してもらった。
スーパーボールも小学生の小遣いでは数を確保するのは困難であり、親に頼んでもうちの親は口が軽いので、情報が洩れる可能性が高かった。そこで前に幼稚園のイベントでスーパーボールすくいを行い、その余りがあったことを思いだし園長先生にお願いもした。
師匠にも仮想サクラ戦のシミュレーションをやってもらった。ジグザクの動きなどの練習おかげで生き延びるのことが出来た。
この戦いは一人では出来なかった…。誰かの手が借りれなかったら負けていただろう…。
肉壁…園長…師匠…終わったよ…。
八ッ やばい疲れで意識が飛びそうだった…。
ここできめなければかっこ悪い。
きめるも何もこんな勝ち方ではもうかっこ悪いがここからは男の意地である。
「サクラちゃんが吐いた瞬間を狙った攻撃でテツくんが勝ちましたが、吐いた原因はなんでしょうか?」
「あれは、悪阻…だな…」
パシャッパシャッパシャッパシャッ
もう黙れよ…サクラパパ…。
俺が孕ませたみたいじゃん。
マスコミの人に写真撮られたじゃん…どうすんだよ…。
後日、一部記事に小学生男子が同学年女子を孕ませる記事がでた。
「いや、あれは本人のスピードに酔ったもの…いや、酔わせたんだろうね」
流石です、国王様。俺はあなた様を信じてました。
さて、あまり時間がない。早く言ってしまおう。
「サクラ、最初に約束した賭けの話だ…」
サクラの顔色がどんどん青くなる。
「お願いです…一人にしないでください」
気分が悪いはずなのに無理に絞り出した声。
声から伝わるサクラの怯えた声に気付いた。
「『人』という字は、人は誰かに支えられてこそという意味」この人とはサクラのことだ。
サクラはあまり人付き合いがよくない。そしていつしか俺に依存し始めた。それを俺はよしとしていた。
安心させる言葉を言ってやりたい。だが、それではいけない。互いに変わらないと。
「サクラ、天寿院学園に行け」
「え…」
「俺には、スカウトの話はないが行ってやる。ちょっとリードしてるからといい気になるなよ。また、今日みたいに勝ってやる」
「わかった…」
当たり前だが、まだ腑に落ちなてないようだ。
「サクラ…お前は俺にとって幼馴染であり、友達であり、ライバルでもある。そして特別な存在だ」
「特別な存在…」
「ああ、だから来てくれ。俺に勇気を分けてくれ」
「このくらい?」
サクラが近づいてくる。本当はこっちから行きたいが痛くてあまり動けない。
「いや、もっと近くだ」
サクラがもっと近づいて来ている。このくらいなら動ける。
「このくらい?」
「ああ、ありがとう」
「で、次になりすれば…い…い…!」
俺はサクラの唇を強引に奪った。
「ありがとうサクラ、勇気が出た」
「!!」
サクラは顔を真っ赤にして口をパクパクしている。
「サクラ、俺と一緒にいてくれるか」
「は、はい!」
サクラが顔を真っ赤にしながら答える。
周りからいろんな声が聞こえる。
そして俺は自分のところに戻った。
ハードボイルドに決めようと思ったが、よく考えたら弱った女の子の心につけこむ最低男のようにみえるな。
「よぅ!幼馴染のキスはどうだったかw」
肉壁がいい笑顔でからかいに来た。
お前分かってないな…。
「おえーーー」
「汚ねっ!そんなに嫌だったのか!?」
ゲロ吐いた後の幼馴染のファーストキスは甘酸っぱく酸味が強く、もらいゲロをした。




