12話 一歩前に歩いた日
「パフェ、パフェ、パフェ、パフェ、パフェ、パフェ、パフェ、パフェ、パフェ、パフェ」
「何回も言っても出てこねえよ」
部室には二人。
「パフェ」
「パフェで挨拶やめて」
「ぱ、パフェ」
「悲しむのやめて」
「ぱ、ぱ、ぱ、ぱ、」
「泣きそうになるのやめて」
保健室で話し合ってから数日が経ち、二人の関係は元に戻っていた。いや、関係が深まっていた。
「あなたより、パフェが好きかも」
「パフェ、に負ける人なんていないだろ、俺以外」
「ぱ、ぱ」
「笑ってますよアピールやめて」
真剣な顔をする、早百合。
「私、甘いものやめる。ダイエットする」
絶対無理だよ。本当に。
「もう、甘いものやめる。だって、だって」
おいおい、甘いものに何か壊されたのか。
「だって、少し太ったの」
え、太った?どこが太ったんだよ、と内心思いつつ声をかける。
「そうか、じゃあ、今日持ってきた高級チョコは俺が一人で頂くとする.....」
あれ、持っていたチョコが無い。ま、まさか、横を向くと幸せそうな顔をしながらチョコを食べていた。
「あれ、ダイエットするんじゃ?」
「明日から」
ほら見ろ、絶対に無理だ。
「あ、そういえば部員が増えるよ」
「え?でも俺の噂まだ消えてないし、入部したい人なんか居るのか?」
「私と拓哉の友達だよ」
「え?」
ガラガラとドアが開く音がする。
志保に、成瀬だった。
「お前らってバスケ部だよな」
志保と成瀬はバスケ部に入部していた。それなのになんでここに居るんだ。
「あ、やめたよ」
「ちなみに俺も」
え、えええええええ。
「お前の噂ばかりの話でウザイからやめた」
「私も」
「まてよ、俺のせいなのか」
「そうだよ」
「そうだ」
「だから、お前が入ってる部活に入ることにした」
「私も」
「そうか、そうか、って納得できるかよ」
てか、いつ仲良くなったんだよ早百合と。
「二人に謝って許してもらって、そこから仲良くなったの」
え?コミュ力凄すぎ。
「俺も、その酷いこと言ったからちゃんと謝ったよ」
「私は、早百合から連絡が来て一緒にパンケーキ早食い競争に行ってきたよ」
ハードル高すぎ。
「じゃあ、早百合の友達合計で13人か」
しっかりと早百合の内面を知っているのは。
「いえ、12人ね」
「え?まさか俺が入っていないのか」
「ええ、だってあなたは特別だもん」
良い方なのか、悪い方なのか、どっちだよ。
「好きってことか、なるほど」
「.....」
「無言やめて、本当に気まずくなるから」
「仲良しだな」
成瀬が言う。
その後改めて自己紹介をした。俺達の最初の出会いは最悪だったけど、今は仲良しだなそう思いながら外の景色を眺める。
綺麗な景色より美しい美少女が何故か俺の隣に居る。
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