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13話 音楽は世界を救う

5月とは思えない暑さに苦しんでいる。小型扇風機を顔に当てながら勉強をしていた。

 俺たちの部活はなにもすることがなかった。俺達だけじゃね何もしてないの。

 美味しそうにカカオチョコを食べている早百合。

 泣きながら漫画を読んでいる志保。

 部室に筋トレ用具を持ってきて筋トレをしてる成瀬。

 えーと、助けて。悲痛な叫びは聞こえることない。

「チョコ食べ過ぎじゃね?」

「あら、そうかしら」

「どう考えても一日の摂取量を超えてるよ」

「あなたってバカね」

「え?」

「食べれば食べるほど頭が良くなるのよ」

「は、はい?」

 天然か、現実逃避かの二択だな。いや、現実逃避だな。

「それで、なんの漫画を観てるんだよ」

 期待の眼差しで俺の方を向いている志保。

「教えない」

 おい、返せ俺の思いやり。

「そういえば、勉強しなくていいのか?」

「確か学力調査ね、あんなの勉強しても意味ないわ、だって中学の内容でしょ、私は大丈夫」

 自信満々に言う早百合。

「え?でもトップ20位取らないと生徒会から追い出されるってよ」

「え?」

「は?」

「ええ?」

 3人は慌てて勉強を始めた。

「なんで言ってくれなかったの」

「みんな知ってると思ったから」

「最低」

 えええ、だってみんな知ってると思ったのに。

「そうだ、そうだ、拓哉は最低だ」

「パフェね、パフェ」

 一人でけ違うこと考えていますよ。

 3時間ほど勉強をして解散となった。

 俺は戸締り役を任されたので戸締りをして玄関に向かう。

 誰も居ない学校はどこか不気味で、ピアノの音が聞こえてきそうだった。

 靴を履き学校を出ようとした時。だだだだーと音が鳴っていた。

 え、嘘、怖い、怖い。

 急いで出ようとすると、鍵が、鍵が。

 閉まっていた。

 あ、終わった。みんなありがとう。こんな俺と仲良くしてくれて。

 時刻は20時スマホのライトを付けないと足元が見えないほど暗くなっていた。

 スマホの充電は10%。

 明らかに死神が味方をしている。

 ピアノ音が響いていた。行くしかないな。

音楽室の前に立ち。深呼吸をする。

誰も居ませんように、いや、誰かいてくれ。

ドアを開ける。

 夜だというのにその人は光っていた。その所だけはどんな闇にも負けないような場所だった。

「あ、あのー」

 「ひ、ひいいいいいいい、ゆ、幽霊だ」

「うわあああああ」

 俺も大きい声で驚く。

 ピアノの近くにあった電子機器が飛んでくる。あ、避けることできないかも。

 ゴツンと音が鳴る、そして倒れる。

 目が覚めると、前に見たことがある天井だった。

 横を向くと先生が居た。

「す、すみません」

「君は音楽室で何をしていたんだ」

「何もしていません」

「他に誰かいたか?」

「いませんでした」

 なぜ、俺は咄嗟に嘘をついたんだ。

「君は次の生徒会長なんだから、模範生になるように」

 え?本当に決まってるのかよ

 次はないよと忠告をされた。

 多分俺被害者です。

 学校を出て家に向かう。

「優しい兄が帰って来たぞ」

 俺の返事は届くことはなかった。

 もう寝ていたから。

 時計を確認すると22時になっていた。

 もっと早く帰ってこよ、と心に誓った。妹は一人の時間が増えてる。俺が傍に居なきゃ。

 テーブルに置いてあるオムライスを食べて、自分の部屋に向かった。

 眠る前に気になることがいくつかあったので調べてみた。

 調べ物が終わり。布団に潜る。


 学力テストを終えた後、俺たちは部室に向かっていた。

「緊張で死にそうだよ、だって、生徒会首になるかもしれないんだろ、怖すぎる」

「成瀬なら、余裕だろ」

「お前、喧嘩売ってるのか」

「いえ、そちらの商品は買うことができません」

 冗談に笑う成瀬。それを見ている美穂、早百合、そして。

 知らない女性。

「俺、忘れ物あるから先に行ってくれ」

「おけ」

 3人は先に行く。

 俺は後ろからずっと見ている女性に近寄る。

「バレないと思っているのか」

 壁から出てきたのは昨日ピアノを弾いていた女性だった。

 口を尖らしながら彼女は言う。

「き、昨日はすみません」

 や、やばい、可愛い。許そう、なんでも許そう。

「ああ、昨日のことなら大丈夫だよ」

「あ、ありがとう」

「その、君って噂になってる人だよね」

「そうだね、でもその噂は真実だよ。俺は相馬を殴った」

「ひ、」

 俺のことが怖くて謝ったんだな。大丈夫俺はもう怒ることはないと思う。

「あら、何をしてるのかしら」

 後ろから早百合の声が聞こえてきた。

 その声を聞くと、女性は逃げって行った。

「あの人って」

「あの人のこと知ってるのか?」

「ええ、この高校で人気よ」

「人気?」

「たしか、ピアノが世界で一番上手で、学校から招待が来たらしいよ」

「すっご」

「そんな、人となにを話していたのかしら?」

「ひ、み、つ」

「きも」

「ごめん」

 これが、天才美少女ピアニストとの出会いだった。

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