No.6 紅魔館脱出大作戦!その4
毎度ありがとうございます。作者のリルフィです。
とうとう、ユニーク&PV共にオリジナル作品越えられました…
東方の名前は偉大やでぇ…では、第6話お楽しみください。
もの凄く長い廊下を、ペタペタと裸足で歩く少女が一人、冷たい石が引っ付くように歩きは重く、立ち止まっては後ろを振り返りながらも、ひたすら前へと歩みを進めていた。
「…くそぅ…靴履いておけば良かった…」
日本人の性か、室内で靴を履く習慣が無かったのもあり、着替えの側に置いてあった筈の靴には気にも留めなかった。
「それにしても…何から何まででっかいな…もしかしてかなりのお金持ちなのか?」
廊下でも横幅から天井までかなりの余裕があり、ふと窓の外を見ると、雨が降っていた。
「いやぁ、太陽で丸焼けにならずに済むのは助かるけど…雨は雨でなんか嫌だなぁ…」
窓を開けて、空を見上げると、厚い雲に覆われた空が見えた。
「これは…なかなか晴れそうには無いな…だけど、脱出するなら今しかないか…」
窓辺に手を掛け身を乗り出すと、地面まで少し高さはあったものの、思い切って飛び降りると、芝がクッションになり痛みは無かったが、雨で出来た泥水が跳ね頬と服を少し汚した。
「うえっ…あちゃぁ…やっちゃった…」
頬の泥水を拭い、出口であろう赤い石壁に鉄格子の門がある場所まで歩いて行くと、門の前に、緑のチャイナ服っぽい物を着た赤いロングヘアーのお姉さんが、赤い石壁に凭れる様に立っていた。
「…?」
激しく降る雨の中、俯く様に立つチャイナ服のお姉さんの表情は見えず、恐る恐る近付き見上げると、目を瞑って一定のリズムで呼吸しているのが見えた。
「…あのぉ…」
「………」
「…お姉さん?」
「………zzZ」
「…寝てる!?」
寝ているお姉さんを、揺すって起そうとしてもなかなか起きず、周囲を見回すと、お姉さんの立ってる影の所に、傘が立て掛けられていたので、濡れない様に傘を掛けると、ごめんなさいと謝りつつ森の方へと駆けて行った。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
鬱蒼と生茂る森に入り、右も左も無く彷徨っていると、家を森の合間に見つけた。
白い壁に青い屋根、小さな洋館と思わしきその建物は、森の隙間にぽつんと建っているようだった。
「た…たすかった…だ、誰か…ぁ」
フラフラのボロボロで泥だらけになった少女は、家を見付けると気が抜けたのか、森から抜けたあたりで倒れ込んだのだった。
「…?………」
気を失い倒れ込んだ少女に近寄る小さな影は、少女の側を右往左往と飛び回ると、洋館のある方へ飛び去っていった。
どうやら、俺は、脱出に成功?したようです。
脱出成功しちゃいました。雨についての疑問があるかもしれませんが、それは今後の伏線の一つとして取って頂ければと思います。
思ったより短くなったので、間に合えばもう1話あげたいと思います。