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気が付くと、其処は幻想郷で俺が妹様な訳だけども…  作者: リルフィ
第2章 幻想郷の妖魔人々編
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No.16 妹様とフランドール・スカーレット


 だいぶ期間が開いてしまいましたね。この展開は少し悩みました。

 しかし、終わりが近い為、ちょっと主人公に本気を出してもらいましょう。


 第16話、お楽しみください。


 泣き声が聞こえた。


 いったい誰の声だろうか?


 遠いような場所で…近いような場所で…心に響く泣き声は、誰のものだろうか?


 握り締めた大切な人形が、ブツリとちぎれた。


「あっ…」


 それからは、心があふれる様な感覚に飲み込まれて…あまり覚えは無かった。


 部屋の天井を見上げ、持ち上げた手を握りこむと、天井が爆発するように砕け散った。


「ふふふ…ふふ…あはっ♪」


 綺麗な月が、星空が、私と私の心に、『自由』を叫ぶ。


「きゃはははははははははははははははははははははははははははははははは!!…んぅ?」


 空に飛び上がると、丸い月が、血を零した様に真っ赤に染まる。


「フラン…何処へ行くつもり?」


 あいつ(お姉様)が、咲夜と共に赤い月をバックに表れた。


「うふふ…お姉様もお散歩?」


 首を傾げ、甘える様な声であいつを見上げる。


「…散歩は中止よ。大人しく部屋に戻りなさい」


 いつも、いつも邪魔するあいつ…強く愛しく誇らしい、大切な、憎らしく恐ろしい、怖い私のお姉様、レミリア・スカーレット。


 私は、戦うお姉様達を、近いけれど遠い場所で、見ていた。


 コマ送りの様に、途切れ途切れで流れて行くお姉様達との戦いは、お姉様のスピア・ザ・グングニルの投擲で、終わりを迎えた。


 胸を貫く痛みに表情を顰める。


 その時にまた、あの泣き声が聞こえた気がした。


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~


 ()は、生きたいと思った。


 二十数年と生きて来た俺は、この平凡な毎日がずっと続く事を疑っていなかった。


 夢や希望なんて物は正直言えば学生時代に薄れて無くなってしまったと思っていたし、かと言って何も無いと言う訳でもなかった。


 彼女とか欲しかったし、趣味でやってるラノベだって、小さい頃に夢見ていた作家の延長線だったのかもしれない。


 それが唐突の終わりが来るなんて思っても居なかった。


 刺された胸は熱いのに、手や足の先からどんどんと冷えて行く感覚が恐ろしかった。


 真っ暗で何も見えないし、何も感じないのに、体がまるで凍っていく様な感じだけは鮮明に思えた。


 その時、誰かの泣き声が聞こえた。幼い子供が泣く様な声だけが、まるで自分の口から出ているかのように、近い様な遠い様な場所で聞こえた。


 くすん…


 背中合わせに、誰かが居るような気がした。今は自分の事でいっぱいだったはずなのに、何故か心が穏やかに落ち着いていた。


 …


 暗い場所だった。光も何もなく見えない闇が広がっていた。


 ()は、生きたいと願った。


 ゆっくり立ち上がり自分の体を見れば、以前の俺の姿なのに気が付いた。


 太くも無いが細くも無い長い筋肉質な手足に、死ぬ前に着ていた服装のままの自分に、正直ほっとした。


 やっぱりあれは夢だったのだろう…と、胸を撫で下ろすと、ジャラリと金属が擦れる音がした。


 片腕に付けられた、分厚い手錠の様な物に目が止まり、首をかしげる。


 「これは何だ?」と口に出そうとしたが喋れなかった。


 手錠に付いた鎖を、辿る様に引っ張ると、何かが、闇の向こうでうごめいた気がした。


 鎖を辿って近寄ると、檻が見えた。


 鎖は檻の向こうに繋がっているらしく、引っ張ると、膝を抱え俯く少女の腕が上がった。


 声を掛け様にも、声は出ないため、呼びかける様にクイクイッと引っ張ってみると、その少女が顔を上げた。


 淡い金髪に綺麗な赤い瞳の少女は赤い服を着て、何故か背中に七色の石を付けた枝を付けていた。


 英語とか苦手なのにどうしようかと思ったりもしたが、喋れない事を思い出して少し慌て、謝る様に両手をあわせ首を少し下げると、その少女は、可愛らしくコテンと首を傾げ、声を掛けてきた。


「ん?お兄さんは…だぁれ?」


 外人だと思っていたのに、日本語が喋れる事に正直驚きつつもホッとした。


 慌ててジェスチャーと共に何故か声が出ないんだ。ごめんと言うように伝えようとしたら、再度少女が口を開いた。


「へぇ、声が出ないの?…そっかぁ」


 その少女は、此方の側まで歩み寄って来ると、此方の爪先から頭の上までを何度も往復する様に見つめてきた。


「お兄さんは…人間?」


 変な質問をする子だなぁと思いながらも首を縦に振ると、少女はちょっと不機嫌そうに口を膨らませた。


「変じゃないもん。屋敷に来る人間ってあまり居なかったから…」


 あれ?思った事が通じてる?と首をかしげると、少女は、ちらりと此方を流し見てコクリと首を縦に振ってくれた。


『あぁ、すまなかった。えっと、俺は司って言うんだけど…君の名前は?』


 ちょっと試にと思い。心で会話をしてみると、少女の顔は笑顔になった。


「私は、フラン。フランドール・スカーレットって言うの。フランって呼んでね?司お兄ちゃん」


『おぉ…通じた…よろしくな?フランちゃん?』


 そんなこんなで言葉が通じた事に喜びつつ、檻越しに手を差し出した。


 フランは、驚いた様に目を見開いて、その檻から差し込まれて来た男の人の手を見詰めていた。


「な、なに?」


『ん?何って…握手だよ』


 そう言うと、そっと手を繋いできたフランの手を握り軽く上下に振る。


 腕に繋がった鎖がジャラジャラと音を立てるのに気が付き、二人でそれを見ると、俺は一先ず質問してみる事にした。


『えっと、フランちゃんはここが何処かわかる?』


 その質問には、力なく首を横に振るフラン。


『そうか…』


 何の情報も得られそうに無い事にちょっと落ち込みつつも、フランと繋いだ手を離し檻の中に引っ込めると、フランの口から小さな声がこぼれた。


「…あっ」


『ん?…どうかした?もし何か気が付いた事があれば教えて欲しいけど…』


 そんな風に思い首を傾げるが、フランは赤くなりさっきより力強くブンブンと首を横に振ってきた。


 そうやって、完全に俯いてしまったフランに心配しない様にと檻の中に手を差し込み頭を撫でた。


「!!?」


『まずはこの折を何とかしなきゃ…かな?』


 そう言いつつ、檻を掴み押したり引いたりするがビクともしなかった。


『出入り口みたいなのも無さそうだし…はて…どうするか…』


「…この檻を何とかすればいいの?」


 そう問うて来るフランに、首を傾げながらも頷く俺に、笑顔で手を檻へ向けて上げると、キュッと何かを握りこんだ。


「私に任せて♪…キュッとしてドカーン♪」


 そんな気の抜ける台詞と共に、檻は粉々に飛び散っていった。


 そして、目と口を大きく開き佇む俺の横で、フランはドヤッと言わんばかりに胸を張り笑顔を浮かべていた。


「後はどうするの?司お兄ちゃん」


 そんなキラキラとした目で俺を見詰めるフランに、苦笑いを浮かべ頭を撫でる事しかできなかった。


 どうやら俺は、大変な事を言ってしまったのかもしれないと、後悔するのだった。


「えへへ…」


『えっと…あぁ…物のついでになんだけれど…この手錠も壊せるか?』


「うん?いいよ♬…えいっ☆」


 カシャーーーン


『…おぉ…すげぇすげぇ』


「えへへ☆」(頭なでなで)


 うふふ~もうどうにでもなぁ~れ☆(作者放棄中)

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