第2章:男らしさ蒸発危機!? ドSな姉のスキンケア攻撃
第2章:男らしさ蒸発危機!? ドSな姉のスキンケア攻撃
洗面所の鏡の前で絶望している俺に、彼女……いや、この世界の俺の「姉」が、怪しく口元を歪めながらじりじりと近づいてきた。
「ま、待てって! 寄るな! おふくろに言いつけるぞ!?」
必死で牽制する俺を、彼女は楽しそうにニヤニヤと見下ろす。
「ふふっ、心配しないでよ、可愛い弟ちゃん。痛くなんかしないからさ」
「っ!?」
彼女はすばやく手を伸ばすと、俺の細い手首を軽々と掴んだ。
そのまま抗う間もなく引き寄せられ、俺の体は彼女の胸元へと突っ込まれる。
(う、うそだろ……背丈が全然違う……!)
180cmを超える彼女の高身長と、豊満でしなやかな体の前に、俺の小さな身体は完全に包み込まれてしまっていた。
圧倒的な威圧感と甘い匂いに脳がパニックを起こす中、俺はそのままポンと便座の上に座らされた。
「や、やめろって! 頼むから……泣くぞ! 本当に泣くぞ!?」
「あらあら、可愛い~! 大丈夫よ、優しくしてあげるからおとなしくしてなさい」
そう言うと、彼女はぬるま湯を使って、俺の脚を丁寧に洗い始めた。
「待てよ! 俺、まだ口もちゃんとすすいでないんだけど! 話を聞けよ!」
抗議の声を上げる俺を完全に無視して、彼女は滑らかな手つきで脚にシェービングクリームを塗り広げていく。
ひんやりとしたクリームの感触が肌に広がるたび、俺の中に残っていたわずかな「男らしさ」が、音を立てて削り取られていく気がしたのだった。
“--XX—XXXX—-”
「ほら、さっぱりしてカッコよくなったじゃない!」
ツルツルになった自分の脚を見つめながら、俺の頭は高速で回転していた。
夢か、それとも寝ている間に異世界転生でもしたのか……?
「……ゆで卵みたいじゃねえか」
ポツリと呟いた俺に、姉はフッと満足そうに微笑む。
「何を言ってるのよ。これで学校の女の子たちにもモテモテ間違いなしね!」
「っ!? バカなこと言うなよ!」
「ふふ、私は大真面目よ?」
絶対に行きたくない。こんな姿で外に出られるか。
「俺、こんな格好で学校なんか行かないからな!」
「へえ……? お母さんに言ったら、あんたの頭、拳で叩き潰されると思うけど?」
ぞくっと背筋に寒気が走る。
180cm越えの姉でさえこの威圧感だ。母親となればどれほどの化け物なのか考えるのも恐ろしい。
「……分かったよ! 行けばいいんだろ、行けば!」
俺は半ばヤケクソで自分の部屋に逃げ帰った。
まずは状況確認だ。震える手で携帯を取り出し、昨夜のグループチャットを開く。
アキ『おい野郎ども、生きてるか!?』
アキ『おい! 何が起きてるんだよ!?』
……返信はない。二人はまだ起き premium ていないのか、それとも俺と同じようにパニックになっているのか。
机の上を見やると、教科書がすべて見覚えのない奇妙な「魔法書」に変わっていた。開いてみても何一つ理解できない。
(……マジでどうなってんだよ)
頭を抱えながら、制服を取り出そうとクローゼットを開けた瞬間――俺の世界は完全に崩壊した。
「な……なんだよ、これ……」
そこに掛かっていたのは、ネイビーカラーの可愛らしい制服。
だが問題はその中身だ。短いスカート、ニーハイソックス、平らな胸を整えるためのハーフトップ、そして……女の子用の下着。
羞恥心と拒絶感でめまいがした。
焦ってスマホで「男子の標準制服」を検索してみる。画面に映し出されたのは、やはりスカートを穿いた男子たちの姿だった。
(スカートは百歩譲って受け入れるとしても……ニーハイと下着は絶対におかしいだろ!?)
絶望に打ちひしがれながらも、母親の恐怖に屈して着替えるしかなかった。
服に袖を通すと、頭の上の狐耳が悲しそうにペタンと伏せってしまう。
リビングへ下りると、ブレザーを着た母親が朝食をとっていた。その圧倒的な存在感に言葉を失いながら、俺は逃げるように朝食を済ませた。
「外は危険なんだから、ちゃんと送り届けてあげるわ」
結局、登校は姉が付き添うことになった。
通学路に出ると、俺は恐怖のあまり姉の影に隠れ、彼女を盾にしながら歩いた.
すれ違う背の高い女子たちが、俺の顔や、ニーハイソックスから覗く生の太ももを、ねっとりとした視線でじろじろと見つめてくる。
(頼むから見ないでくれ……! 俺の男としての尊厳が消えていく……!)
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