番外編6 精神的なものも技術の内。
※精神的なものは説明の後にあります。
屋敷東棟には教会が存在する、その中にはヴェスターズ寮が存在しミトラス、プリマ、アシスが生活しているが、もう二人……彼女達は封印の子供部屋という特殊な部屋で生活する、その部屋はミトラスが東棟にいる事で封印しているが、その為にミトラス本人は外に出たがらない。普段からワープを多用したく無いのはこの為であり消費MPと自動回復MPがいい感じで打ち消しあっているのでここからさらにMPの削減をしたく無いという意図だ。
さて本題の封印の子供部屋とはだが。例の二人、マオとナショルナの為にハルマ設けた施設だ。何の役割があるか……それはただ一つマオとナショルナの暴走を止める為である……この事からFOOというゲームのシステム上、何かあるという事でマオとナショルナは龍神族という種族でFOOというゲームが登場して後から追加された種族である。しかも、唯一ガチャ排出という立ち位置でありその排出率は0.0001%と脅威的なものだ。レアリティは最高ランクに位置するが為にその強さはFOO内では最高位に君臨する。ただ、このような存在が出てしまうとゲームのバランスは崩壊するのが自然だ。では、どうするか?その答えは簡単、命令を聞かない……それもあるが何より暴走化というものが存在……これは敵味方問わず攻撃する仕様である。これを止めさせる為には定期的にMPを消費する暴走封印システムが存在する。その役目としてミトラスが選ばれてしまった訳だが、ただでさえ一体にかなりMPを使うのに、ハルマは運よく二体排出……なので本来であればミトラスの消費MPはとんでもないものなのだが……ここで登場するのが封印の子供部屋なのだ。
封印の子供部屋は特殊で、あの部屋に入るとMP関係が共通化されるのとスキルや技、魔法などの消費MPも削減できる。その為マオとナショルナをその中に入れれば最終的なミトラスの消費MPは少なくなるという事だ。部屋の外に出ればそのMPの概念は当然消える。因みにだが、封印の子供部屋はハウジングシステムによるものでは無く戦闘上で使用するフィールドオブジェクトの一種だ、それを無理やりくっつけたと思ってくれれば良い。
そして龍神族だが、NPCとしての機能が弱すぎる。レベルこそ上がるが敵味方攻撃し挙句それを管理する為にMPを消費しなければならない、あまりの強さに龍化してる時間は短く設定され、人間に戻ると睡眠の状態異常を付与される。この場合、味方キャラとして使うには大分人を選ぶだろう。なので、FOOプレイヤーの殆どは龍神族をキャラとしてでは無く、アイテム感覚で使う人が続出した。すぐに表に出して暴れさせ使用した本人は遠くへ避難する。龍化が終わればプレイヤーが前に出て戦闘するという形だ。
このように、龍神族はかなり偏った存在だ。それを上手く扱えるプレイヤーはあまりいない。
——そう、あの男以外は……。
「ねぇ……ご主人……一緒にあそぼ。」
「え?」
廊下を歩いていると背後からマオが……遊ぼうと言われてもな……。
「プロレスごっこしよ……ナショルナ……起きないの……。」
「ああ……。」
まぁ、時には遊ぶ事も大切だろう。何より遊び相手がいないんじゃマオが可哀想だ。
「よし……じゃあ、遊ぼうか。」
「やったー。」
そして、連れて来られたのはヴァリアンズ寮の訓練所……。
「ご主人、かかって来て。」
マオが四角型ミットを持って攻撃するよう指示してくる……プロレスごっこは?まぁ……潰されて死ぬ心配は無くて安心したかな……。
「じゃ……じゃあ……いくよ……。」
思い切り蹴っても強いから吹っ飛ぶ事も無いだろう……ただ、相手は女児だ……やはり、僕には思い切り蹴る事なんて出来ない……ソフトタッチぐらいでいこう……。
そっと足でミットを蹴る……『ポス……。』という音だけが訓練所に響き渡った。
「もっと思い切り蹴ってみ……パシーンと。」
「あ、はい。」
嫌な予感がする……。
今度は前より足を振り抜く……ただ、やはり本気の蹴りでは無いため『ボフ……。』という音が残る。
「オマエ、私がさぁ……思い切り蹴れって言ったら思い切り蹴れないと……舐めてんの私を?」
「いや……。」
「思い切りかそれでぇ!!」
マオがジャンプし同じ目線に……え?
「ごばアアアアアアアアア!!」
左頬をグーで思い切り殴られた……首を固定すると捻きれそうなので体を委ねる事に……すると、体が浮いて吹き飛び壁へめり込む……つ、強すぎる……。
「やばい……逃げないと……。」
壁から脱出しようとすると既にマオが目の前に……何する気だ?!
すると、もう一回ジャンプしまた同じ目線に……まずい……。
予想通り殴ってきたが、しゃがんで回避するのだが……。
「避けないで。」
「うぎゃアアアアアアアアアあ!!」
マオが体を縦に一回転する。すると、ヒョウモントカゲモドキみたいなやや大きい尻尾が降ってくる……脳天に命中し体が地面に突き刺さった……。
「相手に効かなきゃ……意味が無い!!分かる?!」
なんで二回殴る必要があるんですか?
その時だった。
『パシャリ』
「あ……間違えた……。」
「あ?」
マオがカメラの音のする方向を見る……その先はヴァリアンズ寮の扉……中からカストディーアとカメラを手に持ったプロファンダーレが……。
「おい!!何撮ってんだこのヤロー!!見せもんじゃねぇぞ!!」
マオがズンズンと二人に歩み寄る……。
「「うわあああああああああ!!」」
二人は勢いよく扉を閉めて必死に鍵をかけた……。
マオが気を取られている間に脱出せねば……このままだと四次元殺法を仕組まれてしまう……いや、仕組まれる前に死ぬという……それだけは避けねばなるまい……。
「何がプロレスごっこだ……ただのタイガーじゃねぇか……。」
埋もれた体を外に出すため頑張って出ようとするが……。
「どこ行くの……ご主人?」
「は?!」
気を取られてると思ったがそうでは無いらしい……所詮遊び相手は僕だ……他なんて目じゃ無いのだろう。
「続きやろう……今度は塾長ごっこ……私が死亡確認回数を数えるから……ご主人は1号生役やってね。」
「……【悲報】ワイ、女児に殺される……。」
今度こそ終わりか……ジンクスを考えれば生きている作品だが……マオの程度次第なのが……くそ……。
因みにだがマオの性格は『漢』だ……この後、地獄の山崎塾名物の『油ぶろ』『地獄ぜん』『ボクシング』の特訓を耐えぬき精神力がアップ……前よりも強くなった……。
精神的なものも技術のうちって事か……。
——おまけ——
マオとナショルナだが、女児である事に変わりないが見た目が違う。マオはブラックドラゴンであるため人の時は小さい翼に尻尾はレオパなどの栄養を溜め込んでそうな尻尾をしている。肌の色は黒寄りの褐色であり目の色は黄色だ。ナショルナはノーマルドラゴンでありドラゴンの時はゴジラっぽいフォルム、そのため人間の時の尻尾は恐竜ぽいし、翼は無い。尻尾だけ隠せば少し人と言われても違和感は無い。尚、マオの方が数センチ背が高いようだ。
そして、致命的な事を言えば。出番が少ないが為に私がどっちがどっちだったか、混同してしてしまう事がある。キャラをしっかり把握するのも技術の内。
(終)




