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⑨番外編:初めてのお使い



――――今日は映えある日である。


「ほ~~ら、ハルきゅん。これがお金の入ったがま口財布だよ」

「おさいふさん、かわいいでち!」

あーん、だよねぇ~~っ!がま口財布を持つハルきゅんは絶対かわいいと思ってたんだ!因みに落とさないように紐付きである。


「リブたんと仲良く行ってくるんだよ」

「分かったでち!リブたん、行くでち!」

「うん!」

やだかわいいこのちびっ子精霊ず~~!


仲良くお手手を繋いでてとてとと歩くふたり。


「初めてのお使いってどうしてこんなにかわいいのかしらねえ」

「そうだよなぁ、姉さん」

「あら、あなたもだったのよ。サギリ」

「えっ」

俺もやっていたのか。小さい頃過ぎて覚えてないけど。


「俺は何を買いに行ったんだろう」

「魔王さまはパパTを買わせようとしてたけど、魔王妃さまに怒られて、おやつをね」

「ははは、親父ならやりそー。母ちゃんナイス」

「そうねぇ」

「因みに何買ったんだろうなあ」

覚えてないや。


「ミニバナナよ」

「……俺だわ、確実に俺だわ」

マダガスカルのレアバナナに似た指でつまめるサイズのミニバナナ。

バナナはおやつかどうか論争は尽きないが、ミニバナナはおやつサイズだから可である。


「ハルきゅんたちはどんなおやつを買うのかな~~」

過保護な兄姉がこっそりついていけば、周りの魔王城の面々も微笑ましそうに見守っている。


「え、初めてのお使い?かわいいなあ」

休憩中らしいエイトがやって来た。


「どこに買い物に行くんだ?」

「魔王城のお土産ショップだ」

「え……?魔王城にお土産ショップがあるの!?」

「もちろん!魔王城の一部は観光向けに一般開放してるからな。その中に……じゃーんっ!魔王城や魔王国、魔王グッズやお菓子、日用品や駄菓子も充実している!俺のデザインしたTシャツも人気なんだ!」

「そう言えば……魔王国の私服ってTシャツ短パンか。ハワイにアロハシャツとフラダンスのイメージで行ったら現地みんの私服がTシャツ短パンだった感覚だった」

「だって動きやすい方がいいもん。伝統衣装も好きだけどさ」


「魔王さまと同じこと言ってるわね」

「え、マジ?姉さん」

因みに魔王の私服以上のド私服もTシャツ短パン!親バカだから俺のデザインTシャツを愛用している!


「ふふふっ。微笑ましいわ」

ううー……やっぱり父子だもんなぁ。似るってことかぁ。俺あんな親バカになる自信ないけど。


「……っと、2人がショップについたようだ」

「しっかりお勘定できるかしら?心配だわ」

「周りの大人の過保護がヤバいけどな」

エイトの言葉通り、お店にご案内する大人、お菓子コーナーに案内してくれる大人、レジまで案内してあげちゃう大人。


「く……っ、俺もしたいっ」

「ダメよ、お使いなんだから」

「お使いになってる?」

2人で選んでお金払うんだからいいのっ!


そしてお菓子を選んだ2人は仲良くてくてくとレジに持っていく。


ハルきゅんはがま口の口をパチンと開け、中をゴソゴソしながらお金を取り出し店員にはいっと手渡す。そしてお菓子を受け取れば、リブたんと二度仲良くお手手を繋いで出てきた。


『ぎゃんかわ~~っ!』

いいこで戻ってこられた2人に俺と姉さんが崩れ落ちる。


「おつかいできたでち」

「いっしょにたべる!」


『うん!!』

しかもおにーたんたちと!?あ~~ん、もう一生愛で尽くす~~!


「やれやれ……でもこんな平和な魔王城っていいなあ」

「だろう?」

何たって、俺の自慢の魔王城だからな!



【完】

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