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南極の北極星  作者: 夜月星野
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第二十二 宝石箱

真夏の海は宝箱。

ほら、見えるでしょ。

真っ赤なルビー(たいよう)が照りつけるたび、

キラッと一閃(いっせん)する澄んだサファイア(なみ)

空に跳ね上がる真珠たち(みずしぶき)


でも知ってる?


夏のビーチに集まる人は、ジュエリー目当てじゃないってこと。


彼らの探すお宝は、

ジュエリーよりも美しい、(きらめ)く天然石なんですもの。


ここに集まる人たちは必ず笑って時を過ごす。

一生物の思い(ほうせき)を、海は与えてくれるのね。


そういうお宝以上のものは、きっとこの世にないんじゃない?

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