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南極の北極星  作者: 夜月星野
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第二十一 八百屋のおっちゃん

「へいーらっしゃい。安いよ、安いよ!」


いつも私は落ち込んだとき、近所の八百屋に立ち寄るの。


日焼けした八百屋のおっちゃんは、

お店のロゴ入りTシャツを着て、

真っ黒のエプロンピッタリつけて、生き生きとして、

お店の中を駆け回る。

暗いおっちゃんは見たことない。



――ねぇ、おっちゃん、

おっちゃんに「落ち込む」って言葉はありますか?



「おねえちゃん、今日はトマトが絶好調だよ!

おまけしちゃうよ!」


目を赤くさせた私に、真っ赤なトマトを薦めるおっちゃん。



ああ、そうか。

活き活きとした野菜といるから、おっちゃんたちも元気なんだ。



肩から重荷が降りたように、

私は体が軽くなるのを感じた。


「一つ、ください!」


帰り道、私の買い物袋には、トマトが二つ入っていた。

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