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第二十 時計という俺
チッチッチッチッ。
俺はひたすら時を刻む。
一秒一秒、また一秒。
刻々と、目の前の主人の時間を奪う。
好きで奪っているわけじゃない。
だってこれが仕事なんだ。
俺自身が壊れるまで時を刻む。
これが俺の「運命」なんだ。
主人と出会って九十年――。
俺達はもうすぐお別れのようだ。
ああ、進みたくない、止まりたい。
けれど針は進み続ける。
俺は時を消化する。
……プッ、プッ、プッ、ピー。
午前一時二十分。
主人は俺から去っていった。
チッチッチッチッ。
俺はひたすら時を刻む。
一秒一秒、また一秒。
刻々と、目の前の主人の時間を奪う。
好きで奪っているわけじゃない。
だってこれが仕事なんだ。
俺自身が壊れるまで時を刻む。
これが俺の「運命」なんだ。
主人と出会って九十年――。
俺達はもうすぐお別れのようだ。
ああ、進みたくない、止まりたい。
けれど針は進み続ける。
俺は時を消化する。
……プッ、プッ、プッ、ピー。
午前一時二十分。
主人は俺から去っていった。
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