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第十四 分岐点 ~進路に悩んだ、過去の自分へ~
二時間前までの自分はただ
街頭に照らされた、先の見えない分岐点に
ぼうっと突っ立っているだけだった。
真っ暗な空だから余計不安で
だから早く先に行きたいのに
進むべき道が分からない。
「将来なにしたいんだろう?」
「どこの学校に行きたいんだろう?」
何を聞いても答えは一言。
「わからない」
刻々とリミットが迫るなか
答えを出せない自分には、ほとほと嫌気が差していた。
でも今、自分のこの目の前に、大きな一本の道がある。
太陽の日で照らされて、ずっと向こうまで続いてる。
「自分の行く道が見つかりました」
こんなに嬉しいことってない。
道が見つかった自分はもう、ただひたすらに進むだけ。
振り返らずに、進むだけ。
――こんな自分は、幸せです。




