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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第九章 ハヤタ、恐怖する
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第九十二話

 「夜になって、あたりが真っ暗になったとき…」


 この歌は入院中、言語をナノマシンで修正がかけられたのを、確かめるために口ずさんでいた歌だった。


 「僕らに見える灯りは星の光…」


 いい歌だった事もあるが、この英語は学校の授業で意訳させられて、知っている歌だった。


 「いや、僕は怖くないよ。


 怖がってなんてない。


 君がそばにいてくれればね、僕のそばに…」


 こんなところで、歌うとは思ってもいかなったので、ハヤタの隣の席の人たちが『何の歌?』と席の人たちに聞こえてきて、照れてしまい、何も見ないように目をつぶって歌う。


 「だから、うん、僕のそばにいてくれ、そばにいてほしいんだ


 そばに、僕のそばにいてほしいんだ」


 不思議と『背中を叩かれた痛み』で、高い音程を歌えた。


 「もし僕たちの見上げている空が崩れて落ちてきたりしても


 山が砕けて、海に流れてしまっちゃっても」


 英語をうまく発音出来ずに、変な歌い方になるので、ついハヤタは苦く笑う。


 「だから、ねえ、僕のそばにいて、そばにいてください。


 そばにいてよ、僕のそばにいてくれよ


 だからねえ、そばにいてよ


 そばにいて…」


 この曲も、もう聞けないので、少し寂しく感じ、つい感情が入り。


 「君だって、困ったときには、僕のそばにいればいいよ


 僕のそばに、ただ、そばにいてほしい」


 ハヤタが歌い終わり、目を開く、すると周りが黙っていた。


 「ど、どうだったかな?」


 「いや、何ていうかな…」


 どの惑星でも、いい歌を聞いたとき、



 「良い歌ってのは、周囲を黙らせるってのは、ホントなんだね…」



 レイカの一言を皮切りに、歓声が上がり、聞いてきた。


 ナタルも目を輝かせているのが、VR越しでもわかるような表情をするなか、レイカは聞いてきた。


 「なんて歌なんだい?」


 「ステンドバイミーだから、僕のそばにいてって歌だな」



 翌日…。



 「なら、レイカ、毎度、思うがよ。


 どうして、俺まで手伝いをせんにゃならんの?」


 ブブカが悪態をつくように、クオウ、レイカ、ブブカの三人は、町内の清掃に勤しんでいた。


 「ほら、口より手を動かしな。


 こんなんじゃ、いつまでたっても終わんないよ!?」


 周囲も茶化すが、クオウは聞いてきた。


 「なんぞ、今日は俺らだけなんだよ?」


 本来なら結構な掃除をするのだが、クオウはブブカの手下と、レイカの数名の友人たちで、形成されてるのが気になったが、ブブカは気にすることなく答えた。


 「仕方ねえだろうが?」


 夜に何かしらのアクシデントがあったのだろうかと、聞きもしたかったが…。


 「んっ、うんっ…」


 クオウは、今日一番の違和感を口にした。


 「なあ、ブブカよ。


 何か今日一日、ここまで来るのに、その鼻歌が耳に残るんだがなんなんだ?」


 そう疑問に思っていると、レイカがそのリズムに合わせて歌を口ずさむ。


 「夜になり…」


 ナノマシンのおかげで、レイカはハヤタより、綺麗な歌声で歌いながら、ゴミ拾いをはじめる。


 よほど、いい歌なのが、クオウにもわかったのだろうか、


 「おう、珍しく良い歌じゃねえか?


 何て歌なんだ?」


 感心しながら、そんな事を聞く。


 「『僕のそばにいて、だから、僕のそばにいて』って歌だよ」


 ハヤタの歌は、そんな意訳されて、広まってしまった。

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