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四十五 さようなら
「······あたしとの······」
ディーナの声が微かに震えている。
「なんですか?」
「······あたしとの、関係も嘘だったのか?」
ミーフェアは淡々とした口調で。
「嘘です」
「······毎日のように······一緒に習練したのは?」
「軍に溶け込むためです」
「休日に、一緒に出掛けたのは?」
「仲良くしていれば、信用を得やすかったからです······」
ミーフェアは、強く下唇を噛む。
「ディーナ。もう気は済みましたか?」
「······」
ディーナは、膝を地に着け呆然としている。
(ははっ······。やっぱり、あたしは必要とされてないのか)
「······今、楽にしてあげますね」
ミーフェアは右手を前へかざす。
すると、賢者がディーナへ近づき、大槌を振り下ろす。
血が少し飛び散る。
ディーナは攻撃を受け、地に伏し、ぴくりとも動かない。
そんな彼女を見て、ミーフェアは去り際、微かな声で呟く。
「さようなら······ディーナ」




