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バグゆり!~バグで百合落ちしたヒロインたちの激重執着から逃れられない~  作者: ヒダリ


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ep:1 【エオミオス】


———綺麗なシャラシャラに包まれている間、

向こうが私の慣れ親しんだ言語とは程遠い言語で話し始めた。

宇宙語のような…

例えたら、眠くなってきたときに人から日本語で話しかけられると、当たり前のことをしゃべっていてもちんぷんかんぷんに聞こえるような。

言葉を理解しようと頑張っても、ニュアンスは伝わるものの話している詳細までは分からないような

そんな言語で語りかけてきた。


シャラシャラと耳心地は良いが、聞き取れない。

困惑していると、相手は察したのか言語を変換し日本語で話し始めた。

聞いたことのない言語が日本語に段々変化していく様は、不思議な感じで且つ少し面白く思えた。


『あーー、あー、聞こえるカな?普だン日本語というものを話さないカラ、忘れてしまっていたよ』


ちょっとチューニングがおかしいが、聞き取れる。


『初めマシテ。私はエオミオス。宇宙に漂う存在であり この世ニ干渉し創造する権限を持ツ、複数のうちの一人。所謂アナタたちが神と呼ぶ存在だネ。』


ふわふわと浮かびながら自己紹介をする。

顔をよく見ると、顔を構成する目や鼻、口はないが髪はあり、宇宙をそこに広げたような顔面をしている。吸い込まれてしまいそうで少し不気味だが、同時に神秘さもある。

人間だと腰まである長さの、少しウェーブかかった猫毛のような髪を浮かせ、なびかせている。


顔はないが、声の感じからしたら少し中性的な雰囲気を感じさせる。

女性か男性か分からないが、どっちかというと男性寄りの声をしているので、【彼】と自分の中で呼ぼうと思う。

エオミオスは神という概念の集合体のうちの一つで、どうやら若くして亡くなった人間を他の世界に飛ばし、第二の人生を歩ませることを行っているようだった。

基本、どの世界に飛ぶかはルーレット方式で完全公平に行っているようだが(前は希望通りの世界に連れて行っていたものの、偏りがうまれたため変えているんだとか)


『でもさあ私、ルーレット方式でこれまでやってきたケド、今回気まぐレで違うコトやってみよーと!思ってデスね。完全に神の気まぐれーってワケなの。そういうのをネ、あなたにやりますヨ。これから。』

「こ、これから?!」

『エえ、これから。20秒後クライ。』


明るい声で言いながら、ピン、と彼は人差し指を立てる。

え、ちょっと待ってよ。と抗議する時間も惜しいほどに、時間は過ぎていく。


『言葉で話してたラ、長くなっちゃうのデ…今から世界の説明をアタマに映像で流すカラ、しっかりキオクするよーに』

人差し指含め三本しかない手を私の頬にピト、と添える。体温はない。冷却ジェルシートを頬に貼られた感覚。

洪水のように頭の中に説明が流れ込んでくるものの…

説明は不要だった。私の一番知っている世界。私が一番の心の拠り所にしていた世界だったから———。


彼がそもそも、気まぐれで違うことをする、と言っていたのは

どうやら数年のうちに出来たセカイは、存在がとても不安定であってそこに存在する人物のみでは均衡が崩れてしまう可能性があったため

そこに外部の人間を入れてみて、なんとかバランス保ってみよう。保てるかな?実験的だけどまあやってみないと分からないよね!折角できたセカイ、潰すのももったいないよね!

…ってことで、私を実験的に投入してみるのだと、彼は説明の中で発言していた。


…でも私が焦がれて焦がれて仕方ないセカイにやっと行ける、願ってもみないことだったので本当に嬉しかったのだ。みんなの幸せを陰から見守るモブになれるという願望がかなうのだから。


『たダ、注意してほしい。この先、不安定な世界だからバグが発生すル可能性だってある。それでも進むかい?』

「ええ、悲願ですもの。勿論行くに決まってる。」

彼をジッと見つめる。

『…わかッタ。じゃあ、気を付けて。君の第2の人生、上手くいくことをネガウよ』


そう言うと、彼が消えると同時に私の体もシュワシュワと足元から消えていく。

恐怖心はない。

何だか心地よく、安心して身を委ねることができた。


意識が時空のはざまのようなところに勢いよく吸い込まれて、

次意識が戻ったのは、村人のおばさんが木陰で倒れている私のことを、

死んでいると勘違いして、あんた!と何回も呼びながら体を叩いたり揺さぶっている時だった。

うっすら目を開けると、そこには見世物のように人だかりができていたのだ。




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