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(仮)異世界放浪記~勇者?魔王?なにそれ?おいしいの?~  作者: ai-emu
【プロローグ】復讐劇は計画的に
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プロローグ②複数の世界からの同時召喚

それは全くの偶然だった。

対象となった世界に対し、同じ時刻・同じ場所に同時に複数の召喚陣が現れたのだ。

その召喚陣は、それぞれの世界で行われた『勇者召喚』、もしくは『魔王召喚』、または、違った能力を求めた召喚陣だった。

召喚される者に対する能力はもちろん違ってはいたが、たまたま、偶然にも、すべての召喚が、同じタイミングで行われてしまう。その影響で、それぞれの召喚陣が複雑に影響しあう結果となり、本来ならばあり得ない事が起こってしまった世界もある。もちろん、普通に召喚に成功?した世界のほうが大多数であるが・・・・・。

ここでは、その中で召喚に成功?下4つのケースを紹介しよう。ちなみに全員、1つのケースを除き、召喚された時代は同じであり、偶然にも召喚された世界は同じ世界だった。


《ケースその1》巻き込まれてしまった4人の男女の場合


俺たち4人は、目の前の景色に困惑していた。

学校の卒業式が終わり、何らかの罪を償うため、それぞれ割り当てられた護送車に乗り込もうとした矢先、足元の地面が光ったのだ。

そして、現在の光景になる。


現在、俺の周囲にいるのは、元クラスメイトだった3人。

まず俺事、丹波長門タンバナガト。俺の右腕にしがみついているのが、クラスでもかわいい子ランキング上位だった大隅双葉オオスミフタバ。俺の足元に無ざまに腰を抜かしているのが、俺のマブダチである山城薩摩ヤマシロサツマ。その薩摩に抱かれるように座っているのが、対馬伊予ツシマイヨ

全く関連性のないように見える4人だが、実は1つだけ大きな共通点が存在する。その共通点については、今は割愛させてもらうが。


話を戻すが、俺たちが今いる場所は、見晴らしのいい崖の高台だ。

大森林の中から流れている大河が平原をゆったりと流れており、河口付近の三角州に大きな町が築かれている。海原には、帆船らしき舟影が、町の周囲から順に散らばるように視認する事が出来る。

その町に向けて、平原には幾筋もの線が引かれている。その線が集合するあたりにも、ちらほらと町や集落らしき場所を確認する事が出来る。

感じ的には街道と称したほうがいいかもしれない。

現に、俺たちのいる崖の麓にある街道が、その幅を徐々に狭めながら、それらの線と合流しているからだ。

こんな景色、日本ではまず拝めないだろう。

いや、現在の地球上でも、こんな景色が存在する場所はあるのだるか?


まあ、いいや。


次いで、足元を確認する。

先ほどの3人のほかには、何の革で造られているのかは知らないが、動物らしき革で造られたザックが4つ。大きさ的には、中くらいのリュックサック程度だが、はち切れんほど膨らんでいる。何が入っているのかは知らないが、結構な重量があるみたいだ。

それ以外には、腰くらいの長さのある両刃の剣が4振りあるだけだ。


「とりあえず、あそこの見える町まで行ってみないか?今ならば、日暮れまでには到着するだろうし。」

俺は、3人にそう提案してみる。

「・・・・そうだな。日暮れまでに町に着かないと、野宿する事になるだろうからな。」

俺たちは、1人ずつ、地面に転がっている重そうなザックを背負うと、真下に見える街道を三角州のある町へ向けて歩き出した。


《ケースその2》聖剣として召喚されてしまった勇者の場合


俺の名前は・・・・・すでに忘れた。前世なのか知らないが、今の俺になる前は、人間だった事は記憶の中に残っている。

今の俺は、洞窟の地面に突き刺さっている剣で、銘を『エクスカリバー』と呼称する。つまり今の俺の名前は、聖剣『エクスカリバー』となるわけだ。


俺がこの世界に召喚されて早1,000年以上の時が経っている。

俺は、召喚された場所から1歩も歩くことなく、俺を”使ってくれる人”を待ち続けている。

あの日。

あの輝く円陣に吸い取られた俺は、気が付いた時には、体の半ばまでを地面に埋め込んだ状態で召喚された。ついでに言えば、今の俺は、『エクスカリバー』と呼ばれるファンタジーでは有名な聖剣であり、これまた古典的に、何処かの洞窟の中の地面に突き刺さっている。


そのため、俺の1,000年は、突き刺さったまま動けない状態で、洞窟の入れ口からの来訪者を待つ日々だ。

この1,000年間の間に、10人くらいの若者が俺を引き抜きにやってきた。どうも、俺を地面から解放できた者は、この世界における勇者となれるらしい。俺も、この生活から解放できた者に、力を貸す事には吝かではないが。


「本当に、こんな洞窟の奥に、俺が使う聖剣があるのか?」

「文献を信じれば、この奥の床に突き刺さっているはずです。過去に聖剣を引き抜こうとした者もいたようですが、何をしても引き抜く事が叶わなかったようです。

異世界人であるコウスケ様であれば、引き抜けると信じております。この聖剣を引き抜けば、コウスケ様は、真の勇者と全世界に認めてもらう事が可能です。」

そういいなが、洞窟の中に入ってきたのは、碧い髪を腰まで伸ばした小柄な女性と、女性よりも頭1つ分くらい大きな黒髪の青年だ。


さて、この少年は、俺をこの床から引き抜く事が出来るのだろうか?

俺はワクワクしながら、少年と少女を、ない目で見つめるのであった。


《ケースその3》2人で1人になった男女の場合


私(俺)は、とっても困惑している。

なぜならば、俺事、嵯峨野飛鳥サガノアスカと、私事、飛鳥智恵アスカトモエは、今現在、『2人で1人』のなってしまっているからだ。それも、ある条件の下、性別から体型までもが変化するというびっくり人間と化している。


その条件とは・・・・。


水に濡れ、それが乾く間は男である『嵯峨野飛鳥サガノアスカ』に、それ以外は女である『飛鳥智恵アスカトモエ』となる事だ。

つまり、普段は女の子として過ごしているが、一度水に濡れた途端男となってしまう何処かで聞いたような体質人間になってしまったという事だ。これは、水ならばどんな水でも構わないということである。それは、自ら発する汗でも変化してしまうという事。


こんな体質になってから10日間、私(俺)たちは、自分自身の体を知るために、いろいろと実験を繰り返した。

その結果、解った事がこうだ。


1つ目。

どうもこんな体質になってしまったのは、地球ではないどこか違う世界、いわゆる異世界に来てしまった事が原因だろうと突き止めた事だ。その事が分かったのは、地球ではありえない事が平然と行えるからだ。それは、私(俺)自身にも言える事である。


2つ目。

先ほども話したが、普段の姿かたちは、女の子である『飛鳥智恵アスカトモエ』である事だ。そして、どちらになっても、『嵯峨野飛鳥サガノアスカ』と『飛鳥智恵アスカトモエ』の意識が共存しており、脳内?で会話も可能ときている。その事を踏まえて2人で考えた結果、水に濡れない限りベース?となる『飛鳥智恵アスカトモエ』で行こうと決まった。そして、この世界でな載っていく名前は、どちらの名前にもある『アスカ』という事にした。


3つ目。

『どれだけ水に濡れれば男になるか』という疑問。

体の表面積の半分以上が水に濡れると、女の子から男の子に変化する事が解った。それも、ある程度水滴が付着していないと変化しない事も解っている。また、ある一定温度以上のお湯ならば、変化しない事が解り、一番の懸案事項であった、お風呂問題が解決した事は喜ばしい限りである。

ただし、濡れた状態で、その温度を下回った瞬間に男になってしまったが・・・・。


4つ目。

『どれだけ乾けば女に戻るか』という疑問。

これについては、水滴がなくならない限り、女の子の体に戻らない事が解った。これについては、良かったのか良くなかったのかは理解できない事だが・・・・。


5つ目。

能力について。

いろいろと実験していった結果、男の時と女の時とでは、全く真逆の能力構成になっている事だ。

男の時は、物理優先の近接型前衛タイプであり、女の時は、魔法型の遠距離後衛タイプになっている。


男の時は、運動神経も並外れており、全速力で走ると周囲の景色が霞んで見えるほど速く走る事が出来る。また、その蹴りは、身長ほどもある岩の塊を軽々と蹴り上げてしまい、その拳1つで、巨大な岩山をも破壊するほどだ。

魔法についても確認した結果、男の体では、生活に密着するものくらいしか使用する事が出来なかった。まあ、アスカちゃん?が、構築してくれた『アイテムボックス』という魔法は普通に使えるみたいなので良しとしておこう。


女の時は、頭の中で構築した魔法を、無詠唱でぶっ放す事が出来る。また、使用した魔力も瞬時に回復するため、ほとんど制限なしに魔法を放つ事が可能だ。

いろいろと確認した結果、ゲームなどでおなじみの、風・水・火・地の4属性のほか、空間属性?も使用できることが判明した。そして、どうも、もともと保有している魔力量も半端なく多いみたいで、最大級の水魔法を使用した時、周囲の森が広範囲にわたって水没してしまったのには驚いたものだ。その際は、5m程の高台にいたが、足元まで水が迫り、丸1日水が引かなかった。

こちらの姿の時は、物理方面は壊滅的であり、50mほどしか全力で走れず、普通に歩いても1㎞も歩けないほど体力がない事も判明している。そのため、普段は、その魔力量と瞬時に回復する事を利用して、風魔法を駆使して地面から10㎝程飛行しながら移動をしている。


そんな感じで今日も私たちは、この世界を人里目指して旅をしている。


《ケースその4》召喚された2人の勇者の場合


「2人の勇者様、どうか我々に力をお貸しください。」


そんな事をいいながら、碧い髪を腰まで伸ばした小柄な女性が、俺の前に跪きながら両手で俺の右手を握っている。

俺の左側には、高校の制服に身を包んだ同級生・・・・ついさっき卒業式終わったので”元”が付くかもしれないが。同級生で理事長の娘である長門因幡ナガイナバが、俺の左腕を抱きかかえている。


「君は誰だい?俺の名前は、播磨浩輔ハリマコウスケ。隣にいる女性は、長門因幡ナガトイナバだ。両方とも18歳だ。」

初対面の人には基本的な事、最低限度の『名乗り』とする俺。

「これは失礼しました、勇者様。わたくしは、クランダル神皇王国第4王女、ティリアネーゼ=アークネスト=クランダルといいます。ティリアとお呼びください。ちなみに15歳になります。」


これが、俺と長門因幡、そして、第4王女であるティリアネーゼ=アークネスト=クランダルの、異世界勇者道(テンプレ物語)の始まりとなった。

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