↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(仮)異世界放浪記~勇者?魔王?なにそれ?おいしいの?~  作者: ai-emu
【第3章】イズモとトモエとアスカの事情
17/54

【03-03】アスカとトモエの新たな旅立ち

「アスカさんのその体質?は、僕が解除する事ができます。

・・・・・・。

どっちがいいですか?

どちらでも僕は構わないですが、あまり時間は残されていないのは確かです。

たぶん、今日を逃すと、時間的に二度と魂の分離はできないでしょう。」


そんな事を、お互い生前は、元クラスメイトで、元男の娘で、とある復讐を一緒に行った仲で・・・・。

今は、私よりも背が少し低く、修道服がとっても似合う銀髪の女の子であるイズモちゃんが、私に切り出してきた。僕っ娘になっているところも、私としては高得点である。

おっと、それよりも。


「明日の朝まで、少し考えさせてください。今すぐ答えを出せる問題ではありませんから。今晩2人で、しっかりと答えを出したいと思います。」

私がこういった結論を出すと、イズモちゃんはニコリと笑ってこう返してくれました。

「もういい時間ですので、今日はこの広場で野営する予定です。

明日の朝にもう一度お聞きします。

それまでに結論を出しておいてください。

とりあえず、野営の準備を一緒にしましょう。」

生前壮絶なイジメ(あんな事)があったにも拘らず、とても優しく素直な子に育っている気がします。


翌日、私たちが出した答えは、『魂の分離』だった。

そして・・・・。


「この中から、新しい器となる体を選んでください。これらは、引き籠り期間中(雪に閉ざされた冬の間)、暇に任せて造った『生体人形』と僕は呼称しているモノです。

この人形は、今は動かない人形だけど、核石(コア)の中に魂を封じ込める事でまるで生きているかのように動く事ができる。

容姿は、核石(コア)の中に入れた魂によって変化するようになっている。その際、魂の情報も一緒に封じ込めるので、習得しているギフトやスキル、基礎能力値(パーソナルデータ)の数値もそのままに、動く人形を創り出す事ができる。

まずはこの中から、新しい体を決めて頂戴。」


イズモちゃんが何もない空中から取り出した、色とりどりの人形たち。このうちの1体に、飛鳥君の魂を入れるという話だ。

2人で話し合った結果、『趣味全開で行こう!!』という結論に達し、選んだ人形は『幼女体型をして、イヌ(狼)耳と尻尾がある人形』です。

幼女体型は飛鳥君の趣味で、イヌ(狼)耳と尻尾は私の趣味です。


「では、これから行う術式の説明をします。」


こうして始まった、『魂の分離』を行う術式。

通常の生体人形は、浮遊霊となった魂を入れ込むため、術者の魔力のみで行う術式らしい。

イズモ君も、詳しく解説してくれなかったが、すでに器を失っているため、新たな器に入れる作業はそんなにも難しくないそうだ。

そのため、造られた生体人形の性別や能力等は変更されることはない。魂はあくまで人形を動かすための動力源であり、魂が内包する魔力(生前保有していた魔力となる)を使用し、枯渇すれば人形が動かなくなり、また使用されていた魂は、浄化して冥界神の元にいく事になる。

つまり、神の元に魂が行くためには、保有魔力は邪魔だという事だ。


しかし、私たちは違っている。

それは、形はどうあれ、2つの魂は器を持ってこの世界で生きているのだ。

そのため、主としてこの体を使用している私自身が、2つの魂をしっかりと認識し、副人格の魂を体内から分離して追い出すところから儀式が始めるのだ。その後は、先程言ったとおり、イズモちゃんが飛鳥君の魂を、私たちが選んだ器に入れるだけとなる。

その際、普通と違うのが、飛鳥君の思い込みによって器自体の容姿を少しいじる事が可能となる。また、生殖活動や新陳代謝なども、普通に行うようにすることも可能になるという話だ。


現在私たちがいる場所は、昨日野営した広場の地下に造られた儀式場である。

ここを造ったのは、何を隠そうイズモちゃんだ。

指をパチンと鳴らしたその一瞬で、広場の地下50mくらいの場所に、教室くらいの広さの空間を造ってしまったのだ。

出入り口となる場所が何1つ存在しないこの地下空間には、イズモ君が転移魔法で連れてきてくれた。

部屋の中は、地下とは思えないほど空気が清潔でジメジメ感もない。

私には到底まねができない芸当である。

私は、そんな部屋の中心に描かれている魔法陣の中心に据えられたベッドの1つに寝かされる。もう1つのベッドには、先程選んだ生体人形が横たえられていた。


そうして儀式が始まった。


私は、イズモちゃんに手助けされながら、自分の体内にある魂を探していく。

探し方は簡単だ。

私が持っている、『魔導の極み』というギフトに内包されている『魔導』。これの構成スキルである『魔力操作』と『魔力感知』を使い、体内を循環している魔力をまず捉える。魔力の循環を捉えたら、今度はその流れを順に辿ってい木、魔力の源を探り当てていくのだ。魔力の源こそが魂であるので、この方法が使えるんだそうだ。


こうする事で解った事もある。


空気とともに、何かが体外からまず取り込まれているのだ。

後でイズモちゃんに聞いたら、これが魔力の大元となる魔素(マナ)だという事だ。それぞれの個体により異なるが、この魔素(マナ)を魔力へと変化する効率によって、魔法が使えるかどうかが決まるらしい。

『総魔力=総肺活量(100mℓを1MPに換算)×変換効率(0%~100%)+使用魔力量』

こんな公式で求める事ができるらしいが、不定形数ばかりなので普通の人には求める事ができないだろう。という事で、この事については、ただの知識として仕舞っておく事にした。


空気とともに取り込まれた魔素(マナ)は、肺に入ると空気の循環である肺静脈ではなく、魔素(マナ)の循環経路である『魔力導腺(イズモちゃん命名)』という器官に送られる。体中を巡っている血管・リンパ腺に次いで3つ目の体内循環路でもある。

さて、体内に取り込まれた魔素(マナ)は、この魔力導腺に乗って魂に運ばれる。魂内で魔素(マナ)は、から魔力へと変換され魂内に溜め込まれる。

魂に溜め込まれた魔力は、魔法を使用する際に体内を循環し、指定された部位から体外へと放出されるわけだ。魔法を使用しない時は、この流れに沿って体内循環している魔力が、(人によって異なるが)無意識にいろいろな部位の身体強化をしているらしい。


どんなものでも、変換する際にすべての力を万遍なく変換する事はできない。これが所謂『抵抗』と呼ばれる自然現象だが、これがこの『魔素(マナ)から魔力への変換』にも当てはまるのだ。

つまり、抵抗値が大きいほど変換効率が悪化するので、体内に溜め込む魔力量が減るという図式が成り立ちのだ。

これが先程の公式である、『総魔力=総肺活量(100mℓを1MPに換算)×変換効率(0%~100%)+使用魔力量』につながっていくわけだ。


閑話休題。


魔力導腺に沿いながら魂の位置を特定する。確かにトモエちゃんが話していた通り、2つの魂がそこに存在しており、徐々に融合をしているかのように見て取れる。これが完全に融合してしまうと、もうこの体質からの脱却だできないといっていたな。

「トモエちゃん。特定できたよ。」

私は、魂を見つけた事をトモエちゃんに報告する。

「ここからが大変だよ。」


こうして、私の長い闘いが始まった。


使用した魔力が瞬時に回復するとはいえ、魔力の使用量が時間を追うごとに加速度的に増大していく。

2つの魂を分離する事は簡単にできた。しかし、器から魂を追う出すという行為は、即ち追い出した方の魂の死を意味する行為でもある。

そのため、追い出す魂を私の魔力で包み込みながら追い出すのである。つまり、生にしがみつく魂自体の力と、魂を保護している私自身の魔力が合わさったモノを、それ以上の魔力で持って押し出すのである。保護している魔力自体も、中心(元々魂が存在していた場所)から離れるにつれて増大するため、結果的に使用魔力が増大していくのだ。

体外に魂を出せば、あとはイズモ君の手で保護してくれるとはいえ、それまでは、私だけの力でやらないといけないのだ。


そして。


口から何から飛び出たのを感じた瞬間、私は魔力枯渇を起こして意識を手放した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。