番外編 ノアのたいせつなひとたち
番外編 ノアのたいせつなひとたち
あさ。
おひさまのにおい。
あったかいおふとん。
ぼくはぐーっとのびをする。
「にゃあ。」
いつものへや。
いつものにおい。
そして。
いつものふたり。
レオンはもうおきている。
ほんをよんだり、くすりをまぜたり。
いつもいそがしい。
でも、ぼくがあしもとへいくと。
「おはよう、ノア。」
そういって、ちゃんとなでてくれる。
おおきなて。
あったかいて。
ぼくは、このてがすき。
◇◇◇
もうひとり。
りつかは、ちょっとあとにおきる。
まだねむそうなかおで。
「おはよう、ノア。」
って、えがおになる。
そのえがおをみると。
ぼくも、なんだかうれしくなる。
◇◇◇
あさごはん。
レオンはほんをみながらたべる。
だから。
「レオンさん。」
「パンがさめちゃいますよ。」
りつかがいう。
「ああ。」
ってへんじをするけど。
またほんをみる。
だから、ぼくはレオンのあしへ。
すりっ。
「……。」
ようやくほんをとじる。
よし。
これでちゃんとたべる。
ぼくはしってる。
レオンは、りつかのいうことは、ちゃんときく。
◇◇◇
おひる。
ふたりはおしごと。
ぼくもついていく。
レオンはくさをみる。
りつかもくさをみる。
ぼくはちょうちょをみる。
みんな、それぞれいそがしい。
◇◇◇
でもね。
ぼくはちゃんとしってる。
レオンは。
いつもりつかをみてる。
くさをつんでても。
ほんをよんでても。
ちょっとだけ。
ちゃんとみてる。
ころばないかな。
つかれてないかな。
さむくないかな。
そんなかお。
◇◇◇
りつかはね。
それにきづいてない。
でも。
レオンが、おみずをもってきてくれると。
「ありがとうございます。」
って、とってもうれしそう。
ぼくはおもう。
このふたり。
どっちもにてる。
じぶんのことより。
あいてのことばっかり。
◇◇◇
よる。
みんなでごはん。
みんなでわらう。
ぼくはレオンのひざへ。
ちょっとしたら、りつかのひざへ。
どっちもあったかい。
どっちもだいすき。
「ノアは忙しいな。」
レオンがわらう。
「ふふ。」
りつかもわらう。
そのわらいごえが。
ぼくはいちばんすき。
◇◇◇
ねるまえ。
レオンがへやのまどをしめる。
りつかが、だんろのひをみる。
ぼくはまんなかでまるくなる。
あったかい。
あんしん。
いいにおい。
ここがぼくのおうち。
◇◇◇
さいきん。
レオンが、りつかをみると。
ちょっとだけやさしいかおをする。
りつかも。
レオンをみると。
なんだかうれしそう。
ぼくはよくわからない。
でも。
このくうき。
すき。
だから。
「にゃあ。」
ってなく。
するとふたりとも。
「どうした?」
って、おなじたいみんぐでぼくをみる。
ほらね。
やっぱり。
このふたりは。
いっしょがいちばん。
ぼくはそのまんなかで。
きょうもしあわせにめをとじる。
あしたもきっと。
「おはよう。」
と
「おかえり。」
と
「ただいま。」
がきこえる。
それが、ぼくのだいすきな毎日。




