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32話 鬼の章其の玖

お待たしました。

32話です。よろしくお願いいたします。


 明さんの口から出た突飛な言葉に私は呆然とした。


「神通力って…昔テレビとかに出てたあの超能力的な…??」


「そうそう!その超能力的な奴!それが神通力!神に通じる力。正にみっちゃんに相応しい力だ。」


 相応しいなんて言われても、私にはイマイチピンと来ないし、そんな力があるなんて俄かに信じられない。


「環から少しだけ聞いたんだけど、みっちゃん、これまで結構苦労してきたらしいね。」


「まぁ、はい…。」


「それが神嫁の宿命なのは聞いてるかな?」


「はい。久我さんから聞いています。神様がそう仕向けてるみたいな…?」


 本当、不本意と心の中で毒づいた。



「そうそう。って言っても、神嫁に関しては圧倒的にサンプル数が足りないから、その事も確証は得られない。

 けど、神様も自分のお気に入りを早く手元に置きたいならさっさと攫った方が早いと思わない?」


「確かに…。」


 そうだ。神という不可思議且つ人智を越える力を持つ存在なら、人間一人どうこうするのなんて造作もない事だ。


「神様がそうしないのは、神嫁側に少しでも拒絶やこの世への未練があると手元に繋ぎ止められない様なんだ。行方不明者が数年後ふらっと帰ってくる、なんて話聞いた事あるだろ?神隠しとも言われてるアレ。あれも神様ではなく妖とかに攫われた人間がそう言った理由で戻って来るんだよ。

 つまり、あちらさんからしてみれば、この世、此岸への未練がない、自分らを拒絶してない状態で迎える必要がある訳よ。だから不慮の事故で死んだ…とかとなると高確率で未練が残り、自分の元に迎える事ができない。…さて!そんな事態を防ぎたい神様達!どうすると思う??」


「え??え??!どうって…。」


「んなもん簡単じゃね?自分の女に手を出す奴らから守るって事じゃねえの?」


 突然の質問に戸惑う私を置いて、横にいた海堂くんが答えた。

 自分の事で頭がいっぱいで、いるのを忘れていた…。


「海堂くん正解〜。そう。お気に入りの子に不用意に害が及ばない様に神様も手を貸すの。それが世間で言うところの『九死に一生を得た』なんて状況よ。」


「ん?でも、おかしくないですか?未練なく迎えたかったら、最初から強運な人生にして幸せな人生にしてやれば未練なんてなくなると思うんですが…?」


「確かにな。あくまでこれはおいちゃんの経験則と主観なんだけどね、生まれた時から全てが手に入ってる超ウルトララッキー人間がある日突然死んだら、()()()()()


「どうって…死にたくない…あ!」


「そう…死にたくないって思っちゃうのよ。つまり未練が残る。だから、神様は起き入りに人間の人生をハードモードに設定。その時々の、特に『あ、これはマジでヤバい』って時に助けると大体の人ってこう思うでしょ?『良かった!神様ありがとう』って。

 まぁ、現代人はいきなり、『神様ありがとう』とはならないにしろ、『ラッキー!運が良かった!』とは思うはずだ。でも、運がいいって思ってる時点でそれは目に見えない何かを信じてることに繋がるからね。この世の全ては必然で出来て、良いことも悪いことも、何かしらの形で自分に返ってくるんだよ。

 話が脱線しちゃったね。つまり、神様はお気に入りの子を可哀想な目に合わせて、それを助けて自分への信仰を高める。んで、いざ死ぬ時には快く死を受け入れさせる。…って感じだと思うんだよね〜。」


「明さんの考え通りなら神様って…なんと言うか…。」


「頭おかしいんだな。」


 そう言い切った海堂くん。

 いや!私も思ったけど、もっとオブラートな言い方があったはず。


「人外の奴らの思考だからね。これでもかなり人間寄りの思想だと思っているよ。人間にだってそういう奴らはごまんと居るからね。

 さて、ここまでの説明でみっちゃんの神通力の話に戻すけど、神嫁の君には間違いなくその力があると思うんだよね。その力をちょぉっとだけ使うの。」


「使うってどうやって…?」


「神様に祈る。『神様助けてください!』って感じで。」


「でも、それは…!!」


「そう。神様とみっちゃんの繋がりを強めてしまう。だからこう祈るの。『これからも家族や恋人、友達と一緒にいたい。』ってこの世に未練があるような、神様に失礼のないような祈り方をするの。それがみっちゃんをこの世に繋ぎ止める楔になって、神様への抵抗にもなる。毒を以て毒を制するって感じだね。

 で、これで大切なのが、精神の強さってなるってこと。祈るのも強い気持ちが必要だし、あちら側に引っ張られないのにも強い気持ちが大事ってこと。」


 強い気持ちでこの世にしがみつく。今までの人生であまり考えたことないことだった。


「でも、今の私にはそれが使えるかどうか分かりませんよ?」


「それに関しては、環の話で確証を得てる。刈川の女性霊の時に環の護符で霊力を散らしていたのに、みっちゃんは女性霊の声が聞こえたんだろ?」


「はい。あの時は、エツさんの声を聞かなきゃって必死でしたので…。」


「そうそれなの。みっちゃんが女性霊をどうにかしなきゃって思った、祈ったから散らした力が戻ったの。環の護符って効力抜群だから、ちょっとやそっとで外したくらいでそんなすぐには力は戻らないのよ。」


 確かに。あの時の私は彼女の声を聞くのに必死だった。

 それが神通力によるものだったなんて…。


「ってわけで、みっちゃん、海堂くん!来週の土曜日に隣県にある海堂くんのご実家に行って、依頼を解決してもらいます!」


 そう声高らかに明さんは言った。

32話読了ありがとうございました。

鬼の章、だいぶ長くなってしまいましたがあと3話の予定です!

書ききれるように頑張ります。


また、ブクマやコメントの方もよろしくお願いいたします。

執筆の励みになります!

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