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story;3
「え、今夜?急にどうしたの?」
「・・・ちょっと、みんなについてきてほしいだ」
母さんのおなかが目立ち始めた3歳の秋、お父さんが急にどこかについてきてほしいと言ってきた。
その表情は深刻で、どこか辛そうだった。
「ねえ、どうしたの?・・・お互いに隠し事はしない、つらいときはお互いに話して分かち合うって約束したでしょ?」
あの日の夜以降、母さんは父さんとしっかり話し合うようになり、ストレスをあまりため込まないようになった。
母さんも少しずつであるが、いろいろと断れるようになってきた。
なんか、俺や父さんのほうが優先順位が高いことを改め認識たら断れるようになったらしい。
何より、俺に心配されていたというのが一番の理由らしいけど。
※※※
「・・・なにこれ?」
父さんに連れられて俺たちは日本最大のホテル、『皇国ホテル』の最上階の立食会に参加することになっていた。




