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夢占い亭 霞の館  作者: ゆう
第三夢
24/37

~夢の中で鬼ごっこ13~

睡魔を倒した漠は急いで美緒がいるコテージに急いで戻る。

すると、そこにはコテージの入り口で泣いている美緒の姿があった。

漠は駆け寄って寄り添うが、美緒の涙は止まらない。


「ひっく…優しいママが…パパが…ママじゃなかった…パパじゃなかった…。」


「美緒さん…。」


銃から元の姿に戻った有村だが、美緒にどう声を掛けるべきか悩み、言葉が続かなかった。


「本当のパパとママは…嫌いかなー?」


漠は優しい口調で美緒に尋ねた。美緒は首を横に振る、しかし俯いたままだ。


「パパとママ…いつも喧嘩ばかり…美緒の事でね、いつも喧嘩するの…。」


「そっか、それは嫌だねー…。」


宥めるように漠は美緒の頭を撫でた。


「パパとママが怖くって…走ったらね、足が滑ってね、でね、起きたらここにいたの。」


美緒の言葉はたどたどしいが、どうやら両親の言い争いが怖くて逃げようとしたところ、階段で頭を打ったようだ。そして気付けば夢の世界にいたらしい。


「ここのパパとママは優しかったの…。いつも遊んでくれて、美緒の事、大好きって言ってくれてね、でも…パパとママは違うパパとママだった…ぐす…うぇぇぇん…。」


美緒は泣きながら漠にしがみついた。漠も抱きしめて頭を撫でる。


「美緒ちゃん、パパとママは嫌い?」


「…ううん、パパとママは好き…でも喧嘩するパパとママは嫌い…。」


そっか…と漠は頭を再び撫でる。そして美緒を優しく抱っこすると、有村を見た。有村も小さく頷く。


「美緒さん、私達は、ここの記憶を消す事が出来ます。」


「美緒ちゃんがここで遊んだ事、思い出すと辛くなるって言うなら、無理は言わないよー?」


漠は優しく言うと、美緒は泣いた顔で首を傾げる。


「でも、そうしたら、あの人達の事も、僕達の事も忘れちゃう事になるけどねー。」


「…!!それはやだ!!」


美緒は大きな声を上げて嫌がった。


「…嫌なの?」


コクンと頷くと、だってね、と言葉を続けた。


「パパとママじゃなかったけど、楽しかったもん。漠ちゃんも、ありむーちゃんも、美緒が泣いてても優しいもん。忘れたくないもん…。」


「美緒さん…。」


そっか、と言うと漠は美緒を強く抱きしめて、いつものにへらーとした笑顔を浮かべた。


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