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今回のテーマは、冬歌ミステリー。
令和の冬の離島ペンションで起きた殺人事件です。
令和五年十二月三十日。
午前十一時を過ぎた頃、嶋篤史ら五人の大学生は稚内空港に到着した。彼らは東京T大学のミステリー研究会に所属している。
嶋はその部長だ。嶋たちがどうしてこの場所へ来たかというと、その年の冬休みに研究会メンバーで合宿へ行こうということになり、今回、北海道の礼文島へ行くことになったのだ。
「寒っ!!」と、嶋は思わず声を上げる。
空港を出てすぐ凍てつくような風が彼の全身に当たる。嶋はスマホで気温を見ると、零度であった。やはり北海道の冬は寒い。東京とはまるで違うなと嶋は思った。
五人はバス停まで歩く。ちょうどバスが停まっていたので、それに乗った。
「あったけえ」と、メンバーの一人の中森信太朗が言った。彼は茶髪で短髪に黒のダウンジャケットを羽織っている。
バスの中は暖房が付いていて暖かかった。
それから、嶋たちはそのバスで稚内港のフェリーターミナルへ向かった。三十分くらいでそこへ着いた。全員はそこでバスを降りる。バスを降りると、また空気がひんやりした。
フェリーターミナルまで歩き、今度、嶋たちはフェリーに乗る。そこから礼文島までは二時間くらいらしい。
嶋はスマホの時計を見る。時刻は午後二時十分。ようやく礼文島に到着した。
フェリーを降りて外へ出ると、雪がちらついていた。
そこから嶋たちは近くのバス停まで歩き、バスを待った。五分ほどしてバスが来た。五人はそれに乗る。それから二十分程バスに乗り、ようやく目的のペンションの前に到着した。
「はあ、やっと着いたか」
メンバーの湯川遼がホッとして言う。彼は黒髪ミディアムヘアで緑のジャケットを着ている。
「ここね! へー、綺麗じゃない!」と、同メンバーの桜庭千紘が言う。彼女は茶髪ミディアムで茶色のコートを着ていた。
「寒いから早く中へ入ろう」
それから、中森が言った。
うん、と嶋は頷く。早速、そのペンションの鍵を開けようと彼はカバンを漁る。
「あれ?」
どうしてかその鍵が見当たらなかった。
「どうしたの?」
副部長の加賀谷志歩が訊いた。彼女は黒髪のロングヘアでグレーのコートを着ている。
「鍵がないんだ……」
嶋がそう言うと、「え!? ウソ!」と、加賀谷は驚いた。
確かに鍵は受け取り済みだった。
「どこかに落としたとか?」と、中森が言った。
「かもしれない……。それか普通に家に忘れて来たかも……」
嶋が正直にそう言う。
「おいおい、そりゃないぜ……」
中森が呆れて言う。
「ゴメン……」
嶋が謝った後、中から一人の男が出てきた。茶髪のツーブロで緑のセーターに紺色のズボンを穿いている。彼は嶋たちと同じくらいの年齢に見えた。五人は「彼」の方を見て驚く。「彼」も嶋たち五人を見てビックリする。
「あれ? どちらさんですか?」
それから、彼が訊いた。
「今日、ここへ来ることになっているT大学のミステリー研ですけど……」
嶋がそう言い、「そちらこそ?」と彼に訊いた。
「え? ちょっと待って!」
彼はそう言って、一度中へ戻った。それからすぐ彼はもう一人の男を連れて出てきた。もう一人は黒髪マッシュでグレーのセーターに青のジーンズを穿いている。
「ウチもT大学の学生で、演劇サークルなんですけど、今日から五日間、ウチがここのペンションを借りてます」と、もう一人の男が言った。
「え、そうなんですか?」と、中森が訊いた。
「どういうこと?」と、桜庭が訊く。
「待てよ……」
嶋はそう呟いて、ポケットからスマホを取り出す。メールのアイコンをタップして、予約したメールをもう一度読む。そこにはこう書かれていた。
『平成宿』(北海道利尻郡利尻――)
そこで嶋は気付く。
「あ! 違う場所だった!」嶋は大げさに言った。
「え?」
「おいおい……」
皆がめいめいにそう言って驚く。
「すみません、僕たちが間違えてました」
嶋は二人の男たちに謝った。
「いえいえ」と二人は手を振った後、すぐにペンションの中へ入って行った。




