第45話 みんな集めて2カ年計画
昼飯を食いました
眠い、眠すぎる、十万石饅頭。
龍王の就任手続きを終え、ショウはようやく娘たちに会うことができた。
「……うわぁ」
二つのベビーベッドに、小さな命が眠っている。
我が娘か! 可愛い。チョー可愛い。Wで可愛い!
早速、父として名前を付けることになった。
ファミマとの子供(龍族ハーフ)には――
「**【ガリクソン】**だ」
クレメンスとの子供(人族)には――
「**【真澄】**だ」
その瞬間、クレメンス(ハシガミ)が低い声でツッコんだ。
「……おい。自分の娘に巨人の助っ人エース投手の名前つけるか? しかもガリクソンて」
「いや、ファミマが『強そうな名前がいい』って言うからさ。
ほら、あいつ1年目から14勝ぐらいしただろ」
「こっちの真澄は桑田から来てるんだろうけど……あっちは苗字が名前になってるじゃんか」
「いいんだよ。お互い、先発ローテーションの柱として頑張ろうぜ」
ファミマは「ガリクソン……強くていい響きね!」と喜んでいる。
龍族の感性でよかった。
◇
■ステーキハウス・互助会
お祝いをしてくれるというので、会場に向かった。
例の高級肉がまだ余っているらしく、今日はステーキ食べ放題だ。
主要メンバーが勢揃いしている。
パンパカパーン!
それぞれの祖父が、満面の笑みでくす玉を割った。
中から、俺が筆文字で書いた垂れ幕が広がる。
『祝・爆誕! ガリクソン & 真澄』
それを見た瞬間、
元日本人メンバー(野球世代)は「マジかよ」と苦笑し、
勇者たち(Z世代)は「へー、カッコいい名前ですね(ガリクソンって誰?)」とポカンとしている。
フフフ、ジェネレーションギャップに恐れ入ったか!
宴もたけなわになった頃、俺はマイクを持って前に出た。
「えー、もう皆さんお持ちでしょうが、スマホ(Xmove)ができました」
全員が、配布されたばかりの重厚な端末を取り出す。
「ハードはできましたが、肝心の『中身』が足りません。
誰か作ってくれるかと待っていましたが、なかなかできないので……私がインフラごと作ります」
背後のスクリーンに、青・赤・黄・緑のカラフルなロゴが映し出された。
【 RyuGroup 】
「総合ITグループを作りました。略して**『リューグル(Ryugle)』です」
「……まんまだな」
「うるさい。で、第1弾サービスとして、
動画配信サイト『リュウチューブ(RyuTube)』**を開始しました!」
この際だから、パロディだろうが何だろうが、使えるものは全部使ってやる。
俺には2年間という期限付きだが、最強種族「龍族」の王としての権限と魔力がある。
成ったからには、それなりの成果を挙げないと気が済まない。
◇
宴がお開きになり、俺は特定のメンバーだけを呼び止めた。
「……チークワンブー、ゴボテン、コンスターチ、そして紅まさり。残ってくれ」
2時間後。
ステーキの油が残る店内で、世界を変える「極秘計画」が話し合われた。
◇
さて、リュウチューブの記念すべき初投稿動画は――
『初孫対面でデレデレにとろける、二人の王様』
というタイトルだった。
ホエイパウダとオワコンが、赤ちゃん言葉で孫をあやすだけの動画だが、
公開から数時間ですでに1万回再生されている。
コメント欄には『王様かわいいw』『平和だ』という書き込みが溢れた。
その後、アタオカ工科大学の学生を中心に、数々の動画が投稿されるようになった。
「魔法でやってみた」「ダンジョン攻略RTA」「南大陸の珍獣食べてみた」などなど。
その中でもダントツのチャンネル登録者数を誇るのが、
『【RyuLive】デンプンちゃんねる』
である。
バーチャル美少女(中身はおばあちゃんドラゴン)が、
悩み相談に乗ったり歌ったりする放送は大人気だ。
開始わずか1ヶ月だが、俺は記念として彼女に「銀の盾(特製目録)」を贈呈した。
世界は、急速に「こっち側」に染まりつつあった。
中の人がいくつであっても、その放送システム事、おれは愛したい。
そして、俺は35P
大丈夫。




