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異世界遁世  作者: 半防御 with G
文明開化の音がする
39/50

第39話 パーソナルなお悩み(前)

いろいろ書いていると、もんもんと思う事とかありますよね。

それが、前・後です。

この異世界にて、急激な文化革命が進行中である。

識字率の向上、農業の効率化、所得の倍増、男女共同参画社会の実現……。

特に、南北の大陸を繋ぐ鉄道(ヤマダカツテナイ線)の影響は大きく、

新都市アタオカには**【アタオカ国際外国語大学】**が設立された。

北の魔法と南の文化、双方の教養を学ぶ外国人が急増し、

今やアタオカは「第2の首都」とも呼ばれている。

名前は「頭おかしい」なのに。



さて。そろそろ、アイツの登場だとは思うのだが……。

基本スペックや概要を、どの世代のアーキテクチャから始めていいのか分からない。

つまり、**「コンピューター(PC)」**である。


転移してきた勇者たちはスマホ世代だ。

彼らは「Webアプリから始まる」と思ってやがるが、甘い。甘すぎる。

こっちは秋葉原でパーツを買い集め、自作PCを組み上げ、

DOS/Vでconfig.sysを書き換えていた世代だ。

通信といえば、深夜23時からの「テレホーダイ」で、電話回線を占領して

「草の根BBS」に接続していたんだ。


そりゃ、「これは便利な魔道具でございます」と言って、

スマホっぽい板を渡せば国民は納得するだろう。

だが、それは違う。

ちゃんと「ここ(基礎)からスタートです」と提示し、アタオカ工科大学で揉まれ、

世界基準の規格(OS)を固めて、やっと俺がアプリケーションを作ってからの……

インターネットだろうが!!


「……あー、もう! モヤモヤする!」

思考のループに陥った俺は、衝動的に【転移】した。



■魔の森・最初の拠点

久々に来たが、結界のおかげでそんなに荒れてはいなかった。

静寂が心地よい。

俺は焚き火の前で、膝を抱えた。


「……昔のPCで、同人ソフトは作りましたよ。アセンブラで」

誰にともなく呟く。

「たださー、OSオペレーティングシステムの仕様策定とか分からんし。

メモリ管理とか、ドライバとか……高級言語もいろいろあるしなぁ~」


俺は【収納】から、大きな黒曜石の塊を取り出した。

硬い石だ。

だが今の俺なら加工できる。

無心になりたかった。

短剣と魔法で、一心不乱に石を削る。

半日かけて、転生初日に出会った「あの神様」の全身像(記憶スケッチ版)が完成した。


「……ふぅ」

俺は出来上がった像に手を合わせた。

「神様。毎日楽しくやらせてもらってます。感謝しております」

 愚痴が溢れ出す。


「最初は目立たぬよう、一村人としてスローライフを送ろうと思ってました。

でも、龍族に保護を求めたあたりから、なんかプランがずれてきたみたいで……」

「まあ、それがあったからこそ、色々な出会いがあって良かったんですが」

俺は夜空を見上げた。


「本来、この世界になかったものを増やすというのは、侵略になるのではないかと悩みました。

でも、『知らないから怖い=戦争』みたいな無駄なことはしたくないなーって。

攻めてきた勇者たちの未熟さを見て、考えちゃったんですよね」

情報の格差は、悲劇を生む。

「で、今はテレビ放送を始めました。でも、私がここに来た時代のテレビは、

ブロードキャスト(一斉放送)として大衆の思想を誘導する側面がありました。それを危惧しています」

「だからこそ、個人の意見を発信でき、手軽に中継できる『インターネット』を波及させたいのです」


俺は石像を見つめた。

「そのためには、PCパーソナルコンピュータの確立が必要です。

誰か一人が管理するホストコンピュ-タではなく、個人のための計算機が」

「……ですが、私の持っている知識では足りません。アプリ屋にOSのカーネルは書けません」

「ゴボテンはハード屋だし、チークワンブーは文系だし……構造で揉めれば何年もかかるでしょう」


俺は深々と頭を下げた。

「なんとか助けてほしいなぁって……嘆いちゃったりするんですけど」

溜めに溜めていた愚痴を、全て吐き出した。

すると――。


カッ……。

黒曜石の像が、内側から発光した。

視界が白く染まる。

あの時の感覚だ。

俺は再び、白い空間に立っていた。

通いましたわ~ソ〇マップ

もう老害にしか聞こえないでしょうが、あの頃の秋葉原はアニメイトがなかった。

ハードディスクが高かった。

そんな時代もあったネット

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