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62.救出

「なぁ坊主」


階段の前を塞ぐように、冒険者の1人から声をかけられる。

身長は僕よりもちろん高く、スキルに大剣があるのか、長く幅広の剣を背中に背負っていた。


名前:グスト

年齢:28

性別:男

職業:冒険者

スキル:大剣術 採掘

備考:恐喝 傷害 窃盗


名前:テファ

年齢:24

性別:男

職業:冒険者

スキル:小剣術 解体 整頓

備考:恐喝 強盗 殺人


名前:リットス

年齢:19

性別:男

職業:冒険者

スキル:魔法【風】 料理

備考:傷害


名前:カーマン

年齢:25

性別:男

職業:冒険者

スキル:棒術 農耕

備考:傷害



正面の男と共に動き、後ろに陣取った2とフードの女性に対しても《しらべる》で詳細を調べてみる。

思った通り、犯罪者の集団だった。


そして、女性の正体がわかった。

【奴隷】だ。そして超優秀……。なんでポーター?


名前:ラビ

年齢:18

性別:女

職業:奴隷(未契約)

スキル:槌術 脚力増加 薬学

備考:奴隷主死亡のため現在主人なし


そんな事よりも、間違いなく彼女の奴隷主を殺したのはこいつらなのだろう。


そして見つかった今。口封じの為に僕を狙っている。


(そりゃあ見た目子供でテイムモンスターがいれば、駆け出しのテイマーにしか見えないか。殺した方が早いよね。)


テファという男には、処罰対象の強盗も殺人も入っている。


おそらくはリーダーがこの正面のグスト、そして実行犯が後ろにいるテファという男なのだろう。


そして、魔術師の男にはなんと、料理スキルがついていた。

(くそぉ。犯罪者じゃなきゃ友達になりたかった!)


一通り確認できたところで、正面の男へと声をかける。


「何でしょうか」


「おめぇユウってんだろ?知ってるぜ。まぁこっちはこっちでお楽しみ中なわけだが、そいつを邪魔されたって事なんだよな。おめぇよおその装備置いて、さっさと階段降りてくんねぇか?」


ニヤニヤと笑みを浮かべ、ジリッ ジリッと迫る3人の距離に、心臓の鼓動が早くなる。


後ろではすでに小剣使い(テファ)魔法使い(リットス)が武器を構え臨戦態勢の状態で、僕とリーダー(グスト)の動向を見守っている。


「なにを言っているんです?確かに僕はユウで間違い無いですけど貴方に只でさえ迷宮内なのに、装備を貸すほど程のお知り合いでは無いかと思いますが、それに……。」


チラリと意識を失った少女を見ると、憎々しい声が聞こえてきた。


「ちっハズレが……」


後ろから舌打ち混じりで聞こえてきた呟きは、どうやら僕を無能ハズレと判断しているようだ。どうやらあの時ギルド内にいた可能性が高い。ギルド長が訂正したはずだけど?


あぁこいつらギルド長が出てきたから外に出たな。


「まぁそう言う事だ。お前さんにはまだその装備は早いんだよ」


正面のグストが肩に手を掛けようとした瞬間。


「い?痛ぇぇーーーーーー」


後ろのテファが奇声をあげる。


ナイフを振り下ろそうとした姿のテファが、手首をキハクに噛まれそれを振り解こうとしている。

先に反撃されると思っていなかった男達の一瞬の動揺の隙をつく。


「【ショットガン】」


極力威力を落としたショットガンで、複数の小石を目の前のグストの顔に向かってに投擲する。


「がぁあ目が! くそっ おいっ!やっちまえ」


目潰しに成功したタイミングで、一気に少女の元へと走る。

少女の元にいるのはリットスという魔術師だが、完全に油断していたのか腰に刺さった杖を手に持ってすらいない。


迫る僕に焦ったのか、腰紐に引っかかる杖を構えるのを諦め、右手をこちらに向けて詠唱を開始する。

もちろん杖はなくても魔法は撃てるが、その指向性や魔力収束効率は格段に落ちる。



だからこんな熟練度の低そうな、魔法使いの魔法なんて怖くはない。

「【スナイプ】」


「ぐぇっ!」


鳩尾に食い込んだ石が、リットスの意識を刈り取る。

至近距離から【スナイプ】は威力が出ない。

とっさに投げたせいで、そこまで威力を落としたつもりはないのだが、威力はそこそこだったらしい。


泡を拭いて気絶したリットスを確認し、同じく気絶している少女の、フードの下に隠れた顔を確認する。


「…………うわぁ」


こりゃあ計画的に狙われたか?

目の前には美少女……。うん。間違いなく美少女

フードコートで隠れているため、顔以外はわからないがその顔はまさしく日本的な美しさがあり、もう少し年齢を重ねれば美少女ではなく美女になる事は間違いなかった。


「ウォン!!」


フードの下の少女の顔に見惚れていた僕に、3人を警戒していたキハクの吠えた声に、我に返る。


すぐに、小さめな少女を肩に背負い階段へと向かう。5階層へ行けば、階段付近には魔道具がある。

それに触れさえできれば地上へ戻れる。


そして、キハクのフラッシュによる目眩しと同時に、駆け寄ってきたキハクとともに、階段を駆け降りた。


「地上へ」


一瞬の浮遊感と共に、目の前が暗くなる。

そのなんとも言えない気持ち悪さを感じながら、「間に合った」と僕は少しだけ、胸をなでおろした。



「ジルサさん!」


帰ってきた目の前にいたのは、入る時と同じジルサさんだった。

僕は肩からフードを被ったままの少女を下ろし、すぐさまジルサさんに声をかけた。


「おっユウじゃないか。どうした!?」


ソロの僕が、誰かを担いで出てくれば、何かあったとすぐにわかるだろう。


すぐにグスト達の行動を伝え、警戒してくれるように頼んだ。

迷宮から出てくるならここしかない。事態を確認したジルサさんは、すぐさま照明弾のような魔道具を上空へと撃ち上げる。


「よし。これですぐに兵士が駆けつける。グスト達の捕縛は任せてくれ。あの野郎。今迄証拠が無かったから捕縛出来なかったが、今日こそあいつの最後だ」


聞けば、グスト達パーティは迷宮での冒険者狩りの疑いが、すでにかかっていたらしい。しかし、グスト自身は手を下さず、仲間は【神在板】で鑑定するようなところには現れなかった為、見逃されていたらしい。


迷宮に入るときも、リーダーが魔道具に触れまとめて転移するため、グスト自身がレッドにならない限り、迷宮に入れてしまう。


「では、よろしくお願いします。僕は名前も顔も知られていたので、恨まれてるはずなので……。それとこの子をお願いします」


「あぁこの子は、今日の午前中に入ったパーティの1人だ。覚えがある。こちらで状況を確認次第連絡しよう。たしかサラムさんのところだったな」


20名程の兵士が到着した事を確認したところで、ラビ(少女)を預け、ギルドへと向かった。



15万PVを超えたました。本当にありがとうございます。


最近は日々タイトルとジャンルについて迷っています。

迷宮優先世界の不遇職〜それでも僕は料理人を目指す〜

とか……。迷走してるなぁ…


なろうのジャンルって難しいですよね。


すみませんソロソロ1日1回更新が難しくなってきました。

何話かストックはあるのですが、リアル的にですね。


これからもよろしくお願いします。

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